東京急行電鉄は13日、今年度の鉄軌道事業設備投資計画について発表した。2019年度の新型車両として、田園都市線2020系を6編成、目黒線3020系を3編成導入。東横線・田園都市線・大井町線の全64駅でホームドア整備が完了する予定となっている。
田園都市線の車両2020系は2018年度までに計9編成が導入された。2019年度も6編成を導入し、既存の8500系との置換えを進める。目黒線では今秋、2020系と同様の定員を備える新型車両3020系を3編成導入する予定。あわせて同社が所有する目黒線の車両に関して、2022年度下期に予定される相鉄線との相互直通運転開始に合わせ、現行の6両編成を8両編成に順次変更する計画としている。
2020年の東京オリンピック・パラリンピック開催を見据え、同社保有の全車両で車内防犯カメラの設置も進めている。2018年度末の時点で、全156編成(8500系は除く)のうち57編成で設置済みとされ、引き続き全車両への設置をめざして取り組む。
東急電鉄では、ホーム上の安全対策として、2014年度から東横線・田園都市線・大井町線の全64駅を対象にホームドア整備を進めてきた。2019年度は6月末までに東横線東白楽駅、田園都市線二子新地駅・鷺沼駅(2・3番線)、大井町線大岡山駅など6駅、9月末までに田園都市線宮崎台駅・青葉台駅など4駅、来年3月末までに東横線多摩川駅、田園都市線鷺沼駅(1・4番線)・中央林間駅、大井町線旗の台駅など10駅でホームドアを設置。全64駅のホームドア整備が完了する予定となった。
田園都市線では設備故障に起因する遅延を防止するため、地下区間を中心に設備の健全性向上を進めている。昨年度は電車線調整器や排煙・消防設備の更新、重要設備の点検方法・頻度の見直しなどが行われ、今年度もき電線絶縁化対策や電車線更新を行い、地下区間の電車線調整器更新が完了する予定だという。
昨年度、東横線で導入されたCBM(設備の状態を常時監視して予防保全を行う手法)にもとづく線路設備のモニタリングシステムは、今年度から田園都市線など他路線でも展開される。AI(人工知能)・IoT(モノのインターネット)といった先端技術を含めた監視・分析データ活用方法の検討も進める。
訪日外国人に向けた駅・車内の多言語放送装置の導入に取り組むほか、駅の快適性向上も図る。渋谷駅では駅周辺の開発に合わせ、11月に地下出入口番号を変更し、案内誘導サインを改善する予定。南町田駅は今秋の「南町田グランベリーパーク」まちびらきに合わせて駅舎をリニューアルし、駅名を改称して平日も急行の停車駅とする。三軒茶屋駅では改札階と地上を結ぶ2つ目となるエレベーターが6月から運用開始する予定。横浜駅ではトイレの洋式化に加え、より使いやすい多機能トイレの整備を行う。
その他、踏切道の安全対策として、今年度は検知範囲の広い3D式障害物検知装置を18カ所に設置する予定となっている。