世界中で大人気のポケモンをハリウッドが実写化した映画『名探偵ピカチュウ』(公開中)で、見た目は可愛いけど、中身はおっさんな名探偵ピカチュウとタッグを組む主人公・ティム役の日本語吹替キャストとして俳優の竹内涼真が声優に初挑戦。さらにメガホンをとったロブ・レターマン監督から熱烈オファーを受けて、カメオ出演も果たしている。レターマン監督は竹内にどんな魅力を感じたのだろうか。来日したレターマン監督を直撃すると「Ryoma is great!」と笑顔を弾けさせながらハリウッドで羽ばたく可能性を語ってくれ、さらにポケモンの実写化に対する熱い思いも打ち明けてくれた。

  • 名探偵ピカチュウ、ロブ・レターマン監督

    『名探偵ピカチュウ』のロブ・レターマン監督にインタビュー

――生き生きとしたポケモンたちを見ると、レターマン監督のポケモンへの愛情が感じられますが、監督とポケモンとの出会いはどんなものだったのでしょうか。

僕には10歳の息子と12歳の娘がいて、その子どもたちがポケモンを大好きなんだ。だからトレーディングカードやゲーム、おもちゃなどポケモンの商品もたくさん持っている。そういった意味でいうと、僕がポケモンと初めて出会ったのは、彼らが買ったポケモングッズのクレジットカードの明細書だね(笑)。今回のオファーは電話でもらったんだけれど、携帯をスピーカーにして聞いていたら、子どもたちが「やります!」って即答したんだよ。僕本人が答える前にね(笑)。

――お子さんも大ファンで、世界中で人気のポケモンを実写化することには、プレッシャーもありましたか?

実にたくさんのプレッシャーがあった。でも当初からプレッシャーと同時に、ワクワクとした期待も感じたんだ。いま振り返ってみても、才能あるスタッフと一緒に作ることができたことが、一番の喜びだと感じている。彼らの中にも熱烈なポケモンファンがたくさんいたんだよ! だからこそ、非常に細かいところまでこだわり、綿密に話し合いながら丁寧に製作を進めていくことができた。株式会社ポケモンやポケモン関係者の方々とも密に連絡を取り合った。お互いに日米を行き来したりしながら、2年以上の歳月をかけてここまでたどり着いた。すべては、あらゆる世代のポケモンファンのみなさんに満足してほしい。その思いを原動力に、努力を積み重ねたんだ。

――ポケモンをスクリーンに登場させる上で、もっともこだわったのはどんなことですか?

映画を観た人たちに「その場にポケモンがいる。生きている、存在している」と感じて、楽しんでほしいと思っていた。現実世界に生きているように見せるために、最新のテクノロジーを駆使したよ。世界中からビジュアルエフェクトのアーティストを集めて、チームを作ったんだ。ポケモンたちの骨格、筋肉、皮膚、毛など、すべてイチから作っていかなければいけないからね。風が吹いたときの毛の流れ、水に濡れてしまったときはどうなるのかなど、あらゆる緻密な計算が必要だった。たとえばコダックならアヒルやペンギンなど、同じような形をした既存の動物を参考にしながら、実際に体重や重力があった場合にはどんな動きになるのかを研究したよ。

  • 名探偵ピカチュウ

――実写として登場するピカチュウはもちろん、ピカチュウと事件解決に挑むティム役のジャスティス・スミスら、若手キャスト陣の熱演も見どころです。日本からは竹内涼真さんがカメオ出演を果たしていますが、レターマン監督から本編出演へのオファーをしたと伺いました。

そうなんだよ! 昨年、製作報告会見で日本に来たときに初めて涼真に会って。最初からすごく馬が合って、一緒にディナーにも行っていろいろな話をしたんだ。涼真は、ジャスティスともものすごく気が合っていたね。楽しく話をすることができる人で、「いつか一緒に仕事をしたいね」と言って別れたんだ。その数ヶ月後、ポケモントレーナーの配役を決めなければとなったときに、すぐに涼真の顔が浮かんだ。なんとかスケジュールを空けてもらおうと思ったんだけど、彼はすごく忙しいからね。「年末年始休暇のこの日だったら行けます」という日程が1日だけあったので、「ぜひ!」と。その1日を使って、ロンドンで撮影をしたんだ。

――竹内さんは、本作の撮影を経験して一層、ハリウッド作品に挑戦したい思いが芽生えたそうです。レターマン監督から見て、竹内さんはハリウッドでも成功すると思いますか?

イエス! 涼真はすごいよ。なによりカリスマ性があるからね。ハリウッド俳優にもなれると思う。マーベル作品がすごく好きだと言っていたけれど、涼真だったらスーパーヒーローの役もクールに演じられるんじゃないかな。サッカーが得意で、サッカー選手を目指していたけれど、怪我をしてしまって役者に転向したとも聞いた。体力やガッツの面でも、ハリウッドスターになれる素質はあると思うので、ぜひハリウッドに進出してくれたらうれしい。

  • 名探偵ピカチュウ
■ロブ・レターマン
1970年10月31日生まれ、アメリカ・ホノルル出身。主な監督作は、2004年の『シャーク・テイル』、2009年の『モンスターVSエイリアン』、2010年の『ガリバー旅行記』、2015年の『グースバンプス』。

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