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【この記事のエキスパート】
インテリアコーディネーター:秡川 寿美礼
設計事務所(株)木型屋のむすめの仕事部屋を経て、1998年に(有)エル・エル・プランニングを設立。
「ライフスタイルからインテリアをデザインする」という独自の発想と設計手法で、家具、カーテンなどのセ レクトから、造作家具やリフォームの設計まで、トータルなインテリア空間デザインを得意としている。インテリアコーディネーター、マンションリフォームマネジャーの資格を持つ。
子供が小学生になったタイミングで購入することの多い学習椅子。リビングでも使いやすいおしゃれなチェアなどもあります。この記事では、学習椅子の選び方とおすすめ商品をご紹介。小学生・中学生・高校生までずっと使える商品や、人気のコイズミ・ニトリの商品など厳選しました。
子ども用学習椅子の選び方
小学校の入学準備で用意することの多い学習椅子。それでは、学習椅子の基本的な選び方を見ていきましょう。ポイントは下記の5つ。
【1】椅子のタイプ
【2】座面の形状や素材
【3】高さ調整ができるか
【4】キャスターの有無
【5】デザイン
最近は、学習机を設けずリビングのダイニングテーブルで勉強させる家庭もあるようですが、できれば専用の学習椅子を用意してあげるといいでしょう。詳しく解説しているのでぜひ、チェックしてみてください。
【1】椅子のタイプをチェック
学習椅子は、タイプごとに特徴がありメリットやデメリットもそれぞれ異なりますので、確認しておきましょう。
▼回転椅子|機能性抜群
座面が回転するので椅子への乗り降りがしやすく使いやすさは抜群。高さ調整ができるものが多く、子供の成長にあわせて使っていきやすい椅子と言えます。土台にも安定感があり椅子が倒れることもなく安心して使うことができる一方、座面が固定されていない分、姿勢を安定させづらく集中力を持続しにくい面もあります。
▼木製椅子|安定感がある
椅子自体にとても安定感があるので、正しい姿勢を保ちやすく集中力を持続させやすい椅子と言えます。デザインもおしゃれなものがいっぱい、高さ調整できるものを選べば、子どものころから大人になるまで使えるのも魅力のひとつです。
▼バランスチェア|座るだけで最適な姿勢に
椅子に座った時に正しい姿勢がとれれば、自然と学習への集中力は高まります。そんなときに便利なのがバランスチェアです。バランスチェアは、座るだけで最適な姿勢になるよう座面や足を置く位置などが考慮された椅子です。おしゃれなデザインであることも人気を高めています。ただし、長時間の使用には向いていませんので、用途により使い分けが必要でしょう。
【2】座面の形状や素材をチェック
座面の形状と素材は、座り心地や学習への集中力を高める大切なポイントなので、必ずチェックしてくださいね。
▼クッション性をチェック
座面にクッション性があれば、長い時間座る場合でも疲れにくくなります。ポイントは、クッションの硬さ。クッションが柔らかすぎるのは避けましょう。柔らかすぎるとかえって姿勢を安定させづらくなり、学習に集中できないばかりか、体が痛くなったり疲れやすくなったりします。また座面の素材は、ファブリックと合成皮革が主流。通気性がよく快適な座り心地が長続きするファブリックがおすすめです。
▼板座の形状をチェック
座面が硬く姿勢を安定させやすいですが、長時間座るとおしりが痛くなりやすいのが難点。フラットな座面のものではなく、おしりのカーブにフィットさせた形状の板座がおすすめです。疲れにくく長い時間使っても痛くなりません。
【エキスパートのコメント】
椅子の座面と背もたれに布張りのクッションがついているものがあります。このクッションには、汚れが落ちにくい布や劣化しやすい合成皮革が使われている場合も。カバーをかけて交換できるタイプを選ぶか、クッションなしの椅子に洗える専用クッションなどを置いて使うのもおすすめです。
【3】高さ調整ができるかチェック
よい姿勢を保つために重要なのは、学習椅子とデスクの高さとの関係性です。椅子の座面の高さと、デスク面の高さの差を差尺(さじゃく)といい、座高の1/3から1cmマイナスした値が理想的な差尺とされています。差尺が小さすぎれば猫背になり、大きすぎれば腕の位置が上がって、首や肩に負担がかかって疲れやすくなり、近視の原因にもなります。
成長期にはこの差尺が変化しますが、一般的なデスクの高さは70cm前後なので、フレキシブルに高さ調節のできる学習椅子を選ぶことが重要なポイントになります。
【4】キャスターの有無をチェック
学習椅子は、キャスターつきで上下昇降機能がついた回転椅子と木製椅子が主流です。キャスター付きの回転椅子は座ったまま方向を変えることができるので、椅子を後ろに引いて立ち上がるためのじゅうぶんなスペースがない場合に便利です。
【5】デザインをチェック
学習椅子の中にも、最近では見た目が美しいデザインのものがたくさんあります。デザイン性の高いものや成長に合わせて、高さを調整できる製品を選べば、小学生ときだけの勉強椅子としての役割だけでなく、中学受験、高校受験、社会人になってからも利用できます。
長く利用できる学習椅子を選ぶポイントは、耐久性とデザインです。耐久性については、安易に安いものを購入するのではなく、優れた素材や設計で作られているものを選びましょう、それであれば、修理をしながら長く利用することができます。
デザインについては、大人になっても使うことを考えると、仕事やダイニングで利用できるような、シンプルなデザインがよいでしょう。子供の代わりに親がデスクワークできるように、想定して、デザインを選ぶのでもよいかもしれません。
エキスパートからのアドバイス
長時間座っていても疲れない椅子を選ぼう!
【エキスパートのコメント】
長時間座っていても疲れない椅子は、いいかえれば「安定した姿勢が保てる椅子」です。座った状態で安定した姿勢を保てる条件は、足が宙に浮かず、体が前傾したり後傾したり、左右に揺れたりしないことです。
そのためには、
・座面のクッションがやわらかすぎないこと
・座面の奥行きが深すぎないこと
・腰のアーチに沿って背中を支えてくれる構造になっていること
・座面の高さが身長に合っていること
これらの条件に叶っているかどうかが、学習椅子選びのポイントになります。