「インスタ映え」する写真が撮れる撮影グッズとして、ある商品が話題になっています。「King」ブランドのカメラ用品で有名な浅沼商会が販売する「レンズボール」です。2月に開かれたカメラ展示会「CP+2019」でも注目を集めていました。

クリスタルの球体を通した景色を撮影する

このレンズボールは、透明度の高いクリスタル製の球体で、直径90mmの大きいサイズ「KLB90」(約960g、実売価格は税込み6,800円前後)と、直径60mmの小さいサイズ「KLB60」(約280g、実売価格は税込み3,000円前後)の2種類をラインアップします。

  • 「クリスタルの美しい球体」でできている浅沼商会のレンズボール。直径60mmの「KLB60」と、90mmの「KLB90」の2種類を用意する

手にするとかなりズッシリ感がありますが、透き通ったクリスタルはとてもクリアで、向こう側の風景を美しく写し出してくれます。何ともインスタ映えする光景を、スマートフォンやデジタルカメラで撮影して楽しむのです。

  • 球体を装飾に使ったモニュメント上でレンズボールを撮ってみました。玉ボケが連続するようにアングルを決めてシャッターを切りましたが、狙い通りの面白い効果になりました。このように絵になる場所を探してブラブラするのも、レンズボール撮影の醍醐味ですね

  • 渋谷のスクランブル交差点でレンズボールを使ってみました。いつも見慣れている風景も、このように球体に押し込めると違った印象ですね。人通りが多いので、落下させないようレンズボールの扱いには注意しましょう

うまくレンズボールを使うコツは、肉眼で見て「キレイ!」と思ったところで撮ること。曇天よりも快晴の青空の下で、カラフルな花やかっこいい建物などの前で撮るのがいいでしょう。明るさと色を気にしながら被写体を探すのが○。

  • カラフルな花壇は、レンズボールのよい被写体です。さまざまな色が入るような位置で撮影しましょう。レンズボールを持つ指の配置に気をつければ、あとでうまくスクエアにトリミングしやすくなります

  • 直径90mmと大きいサイズ「KLB90」は重量約960gとなかなかのボリューム感です。ホールドには気を遣い、うっかり落下させないようにしましょう。付属の金属製スタンドは三脚穴があるので、三脚に固定しての撮影が望ましいですね

デジタルカメラを使う場合はあまり絞り込まず、レンズボールが浮き上がるような絞り値にすることが大切です。レンズボールの中の風景だけピントが合うようにすると、印象的な写真になります。

  • デジタルカメラを使う場合は、レンズボール自体をカバーする程度の被写界深度がいい仕上がりを生みます。この写真は、ニコン Z 6にNIKKOR Z 24-70mm f/4 Sを装着し、F5.6でシャッターを切りました

  • KLB90を使い、快晴の東京湾を撮りました。レンズボール内の風景にピント合わせ、周辺と背景をぼかすように撮影しましたが、美しい光のボケが印象的になりました。短時間での撮影でしたが集光効果で手があっという間に熱くなりました。撮影時には注意しましょう

スマートフォンの場合は、ポートレートモードを使って背景をぼかしましょう。Andoridスマホの場合は、あとからピント位置や被写界深度を変えられる機能を持つ機種がオススメ。撮影後にいろいろと好きなように調整ができるからです。

大きいKLB90には、三脚穴を備える金属製のスタンドが付属しているので、三脚に固定して絵になるアングルを探すのもいいでしょう。小さいKLB60には、透明なスタンド(三脚穴なし)が付属しています。こちらは平らな場所に置いて使うといいでしょう。

  • バーのカウンターにレンズボールを置いてみました。グッと寄ってのカットもいいですが、背景を活かしての引いたカットもオシャレに仕上がります。「KLB60」には、透明なスタンド(三脚穴なし)が付属しています

うまく撮れたらスクエアにトリミングしてもいいですし、さらに上下反転して正像にして鑑賞するのもいいと思います。

  • 昼間のレンズボールもいいですが、夜もなかなかのもの。バーのカウンターで向こう側に並ぶボトルを写し出してみました

  • 光と色を意識すると、レンズボールでの撮影が楽しくなります。夜でも面白い被写体を発見することができました。これはガソリンスタンドの料金表示サインです。点滅する照明が写るようにシャッターを切りました。ほかにも、自動販売機やクルマのライトなどでも試しましたが、アイデア次第でオリジナリティあふれるカットが撮れると思います

このレンズボール、使用時に注意したいのは太陽光です。集光効果が高く、やけどや発火の可能性があります。日中の撮影は迅速にし、終了後はそのまま放置することなく、速やかに付属のケースに収納しましょう。

  • レンズボールでの写真が生きるのは、やはり晴天下でしょう。このような曇天下では、いまひとつ映えません。ただ、晴天時は集光によるやけどや発火に気をつけましょう。あっという間に持つ手が熱くなり、黒いものがあれば発火する可能性が高いです。迅速な撮影が求められます

  • レンズボールは虫眼鏡のように集光効果があるので、太陽光の下では発火のもとになる可能性があります。撮影が終わったら付属のケースに収納するとともに、撮影中も注意しながら扱うようにしましょう