ベッキーが泣いたり笑ったりしながら、通話やメッセージを交わすCMで話題となった「LINE」。携帯キャリアやスマホの種類を気にせず、無料でメッセージを送信できることから、あっという間に普及しました。
スマホへのシフトと重なった「LINE」
サービス開始は2011年6月。ちょうど若い世代がガラケーからスマホへシフトしていたころで、グローバルでも「Viber」や「WhatsApp」など、電話番号をベースにアカウントを作るメッセンジャーアプリが広まりつつある時期でした。
かわいいスタンプでコミュニケーションできる点も、日本人の心にマッチしていたのでしょう。リリースから半年で1,000万ダウンロードを突破し、日本の月間アクティブユーザー数はいま、8,000万を超えています(LINE 2019年12月期 第1四半期決算説明会 プレゼンテーション資料より)。
既読システムで議論
LINEのサービスが始まった当時、ユーザーが衝撃を受けたのは「既読」が付くシステム。メッセージを読んでいるのに返信しないことを「既読スルー」と呼び、流行語になりました。既読を付けてからどのぐらいの時間で返信すべきなのか、といった議論も白熱しましたね。
2019年現在は、LINEに既読を付けないよう、スマホの通知欄でLINEのメッセージを読む人も多いと思いますが、これまた「未読スルー」と呼ばれ、「絶対LINEのメッセージを読んでるくせに、なんで返信しないの?」ともめごとになることがあります。
LINEで「既読」が付くシステムについては、2011年3月の東日本大震災を体験したLINEの開発チームが、「相手が緊急事態で返信すらできなくても、メッセージを読むことで安否が伝わるように」と願って取り入れた機能なのだそう。そんな思いもあってか、LINEはいま、災害時のインフラとしても重要な役割を果たしていますね。
LINEはいじめや援助交際などの温床となっていることが指摘されており、たびたび問題になっています。LINEは基本的にクローズドなサービスなので、子どもがグループ内でいざこざに巻き込まれていたり、見知らぬ人と交流していたりしても、保護者は気づきにくいのです。こうした問題に対して、LINEはネットリテラシー講座を学校で開催したり、「LINE Safety Center」で安全な利用法を呼びかけたりしています。
メッセンジャーアプリとして始まったLINEですが、いまではLINE NEWS、LINE Pay、LINEポイント、LINEマンガなど、手がけるサービスは多岐にわたり、日本の社会インフラとして欠かせない存在となりました。日本最大のコミュニケーションツールとなったLINE。平成が終わり令和になっても、私たちの生活に欠かせないサービスとして発展していくことでしょう。