今回はFacebookのお話。空港での写真を投稿する「エアポートおじさん」、筋トレ報告を自撮りで行う「筋トレおじさん」など、Facebookといえば「Facebookおじさんたちが楽しむ場」といったイメージでしょうか。
総務省情報通信政策研究所が行った「平成29年情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査」によると、Facebookの利用率がもっとも高いのは20代(52.3%)、次いで30代(46.6%)、40代(34.9%)、10代(31.9%)となっています。
Facebookの投稿に対して「いいね」しなければならないような抑圧感や、リアルの生活に結びついているFacebookの仕様が、おじさんたちのふるまいを目立たせているのかもしれませんね。
ビジネス利用でユーザーを獲得した「Facebook」
Facebookは2004年にアメリカで、当時学生だったマーク・ザッカーバーグ氏とそのルームメイトが始めた学生向けサービスです。日本語版は2008年に公開されましたが、当初は実名での登録に抵抗を感じる人が多かったことや、mixiやGREEが流行していたことから、急速な普及とはなりませんでした。
しかし、Facebookはビジネスに使えると気づいた人たちが、実名登録制を活かした人脈作りで利用するようになり、少しずつ世論が変わってきました。Facebookで「友達」数を増やすための大規模なオフ会が開催されたり、「いいね」数を稼ぐ方法といった記事が人気になったり……。「意識高い系SNS」というイメージも、緩やかに定着していきました。
パソコン利用がメインのFacebookでしたが、2012年ごろからスマホへのシフトが進みました。最近Facebookを始めた人には意外かもしれませんが、当時はスマホだと利用できない機能も多かったんですよ。
Facebookはグローバル企業ですが、日本向けの機能も充実させていきました。2014年10月には、なんと関西弁をサポート。「いいね!」が「ええやん!」、「コメントする」が「つっこむ」になるなど、関西弁を話さない人も楽しくなる機能です。言語設定で「日本語(関西)」を選択すると、今でも関西弁にできますよ。コメント欄へのスタンプ入力も、日本向けの機能として2014年にスタートしました。スタンプで人気を獲得したLINEを意識したようです。
岐路に立つFacebook
Facebookはここのところ、情報流出に関するニュースが後を絶ちません。2018年4月、Facebookは英国のデータ分析会社へ情報が不正に提供されていたことを認め、マーク・ザッカーバーグ氏が謝罪して以来、個人情報の流出がぞくぞくと明るみに出ています。
意外と知られていないことですが、Facebookは2012年にInstagramを買収しており、両サービスはFacebookが運営しています。残念なことに、Instagramでも数百万人分のパスワードが流出していたと2019年4月に発表されました。アメリカではFacebookを退会する「#DeleteFacebook」なる運動も起きています。
ユーザーの離脱が進み、岐路に立つFacebook。楽しく利用しているユーザーのためにも、しっかりセキュリティ対策を講じてほしいところです。
次回は、国内で8,000万人のアクティブユーザーを持つLINE。どうしてLINEはここまで巨大なプラットフォームになったのでしょうか。あらためて考えてみます。