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【この記事のエキスパート】
教育・受験指導専門家:西村 創
早稲田アカデミー、駿台、河合塾Wings等で指導歴25年、指導生徒3,000人以上。
大学入学と同時に栄光ゼミナールや明光義塾で講師のアルバイトを始める。
新卒入社の早稲田アカデミーでは入社初年度に生徒授業満足度全講師中1位を取り、社長から表彰される。
駿台ではシンガポール校講師を経て、社歴80年初の20代校長として香港校校長を務め、過去最高の合格実績を出す。
河合塾Wingsでは入社後11年間、生徒の授業満足度全講師中1位、講師研修や保護者セミナーなども運営。
また、編集プロダクション運営、All Aboutの教育・受験ガイド、教育・受験情報webメディアのコンテンツ執筆・編集、全国の中学校・高校でのセミナー講演、書籍執筆などに携わる。
書籍出版10冊(KADOKAWA、PHP研究所他)は全て重版更新中、累計14万部突破。
テレビ・新聞・雑誌などのメディア出演、掲載多数。
「にしむら先生 受験指導専門家」としてYouTube配信中。
水性インクと油性インクの良さを掛け合わせた、書きやすいゲルインクボールペン。サクラクレパスや三菱鉛筆、ゼブラ、パイロット、ぺんてるといったメーカーから販売されています。この記事では、ゲルインクボールペンの選び方とおすすめの商品をユーザー、エキスパート、編集部の視点からそれぞれ厳選してご紹介します。
水性ボールペン・油性ボールペンとの違いも紹介
ゲルインクボールペンとは?
さらさらとした書き味で書きやすい水性ボールペンと粘り気のあるインクでしっかり書ける油性ボールペンがありますが、水性と油性のいいとこ取りをしたような特徴を持つのがゲルインクボールペンです。「ゲルインキボールペン」と呼ばれることもあります。
ゲルインクの粘度が芯の中にあるとき、書いているとき、紙に定着するときそれぞれで変化するので、水性ボールペンのもつなめらかな書き心地と、油性ボールペンがもつ速乾性の両方をあわせもちます。書きやすく、耐水性にもすぐれているのが特徴です。一方で、インクの減りが早いという特徴もあるので、たくさん筆記する人は要注意です。
書きやすい&にじまない!
ゲルインクボールペンの選び方
ここからは、ゲルインクボールペンの選び方をご紹介します。
ポイントは下記の通り。
【1】長時間使っていても持ちやすく、疲れないものを選ぶ
【2】ペン先の種類で選ぶ
【3】ペン先の出し方で選ぶ
【4】インクの種類もチェック
【5】書きたいものに合ったボール径のものを選ぶ
【6】リフィル(替え芯)が購入しやすいものを選ぶ
【7】機能性やデザインなどもチェック!
上記のポイントをおさえることで、より欲しい商品をみつけることができます。一つひとつ解説していきます。
【1】長時間使っていても持ちやすく、疲れないものを選ぶ
書きやすさが特徴のゲルインクボールペン。長時間使う際は、ずっと持っていても疲れにくいものだとうれしいです。自分の手の大きさや握り方などに合うかどうかを確認しましょう。
手が大きく筆圧が強い方は、ペン軸が太いものがぴったりです。手が小さく筆圧が弱い方は、細めのペン軸を選ぶと疲れにくいでしょう。
また、ゲルインクボールペンのグリップ部分には、滑りにくい素材が使われていてフィット感があるものや、握りやすいように太めに作られたものなど、さまざまな工夫がされた商品が販売されています。メーカーの工夫をチェックして、自分にぴったりのものを選びましょう。
【2】ペン先の種類で選ぶ
ゲルインクボールペンのペン先にも注目してみましょう。主に、コーンチップ・パイプチップ・シナジーチップの3種類があります。それぞれの特徴をご説明します。
コーンチップ|筆圧が強い人に
サラサやユニボールシリーズに使われるコーンチップは、ペン先が丈夫で力強く書けるのがポイントです。書き始めるときにインクがかすれにくいのも特徴。
一方で、紙とペン先の摩擦が起きやすいので、書き心地の滑らかさが持続しづらい傾向にあります。
パイプチップ|細字も滑らかに書ける
ペン先のくぼみによってボールを支えるパイプチップのゲルインクボールペンは、紙との摩擦が抑えられるため、書き心地が滑らかになります。エナージェルシリーズなどのペン先に使われるタイプで、細かい文字も書きやすいのが特徴です。
ペン先の強度は他のタイプに比べると少し劣り、曲がりやすいという弱点もあります。
シナジーチップ|丈夫で滑らか
シナジーチップはパイロット社の独自構造。コーンチップとパイプチップを組み合わせたような構造で、強度と滑らかな書き心地を両立しています。
パイロット社のジュースアップなどのペン先に使われていますが、あまり種類が無いのが難点です。
【3】ペン先の出し方で選ぶ
ペン先の出し方は「ノック式」「キャップ式」「ツイスト式」の3種類があります。ノック式は片手で使えるので、仕事や電話でサッとメモを取りたいときに便利です。
キャップ式は、ペン先を収納してかっちりとカバーすることができます。ポケットにいれてもインクが衣服に付く心配がなく、高級感があるのも魅力です。
ひねってペン先を出すツイスト式は、ペン先をしっかり収納できるので持ち歩きにも向いています。また、ツイスト式のものはカラーやシャーペンを搭載した多機能タイプも多くあります。
【4】インクの種類もチェック
ゲルインクボールペンには、おもに染料インクを使ったものと顔料インクを使ったものがあります。ほかにも、『フリクション』のように書いたものが消えるボールペンも。インクの特徴をみていきましょう。
発色がいい「染料インク」
染料インクは、紙に染み込むように筆記されます。そのため裏うつりがしやすい傾向にありますが、発色がよくいろいろなカラーバリエーションで作ることができるのが特徴。
しかし、耐水性や耐光性が低いので、長期保管に向かず公文書などの筆記にはおすすめされません。
にじみにくい「顔料インク」
紙の表面に定着するかたちで筆記されるのが「顔料インク」です。裏うつりしにくく、耐水性や耐光性にもすぐれているので書類の長期保管にも向いています。
デメリットとしては、顔料がペン先で詰まってインクが出ないおそれがあることです。
『フリクション』に代表される「こすると消えるインク」
ゲルインクボールペンのなかには、メモ書きや予定表の作成、手帳用などに便利な消せるタイプのボールペンもあります。
パイロットの「フリクション」、三菱鉛筆の「ユニボール」シリーズが主流で、書き間違いだけでなく急な変更にも修正テープなどを使わずキレイに書き直すことができます。ただし、履歴書などの大事な書類には使用できません。
【エキスパートのコメント】
フリクションのように消せるタイプのゲルインクや、油性の消せないタイプのゲルインクがあります。大事な書類は消えてはいけませんので消せないタイプを選ぶ必要がありますし、逆に繰り返し書き込みたいときには消せるほうが便利なことも。用途に応じて使いわけて選ぶようにしましょう。
メモ書きや自分用の用途なら消せるタイプが、正式に出すようなレポートや書類は消えないタイプが適します。
【5】書きたいものに合ったボール径のものを選ぶ
ボールペンの芯の太さは、用途に合わせて使い分けるのがおすすめです。たとえば、ボール径0.3mm程度なら手帳や付箋といった記入欄が狭いものに、宛名書きや色紙など大きめの文字を書く際には0.7mm以上の太さがおすすめ。
0.5mm程度のものは汎用性があるので、幅広い用途で使えます。
【6】リフィル(替え芯)が購入しやすいものを選ぶ
【エキスパートのコメント】
ゲルインクボールペンは、インクがなくなりやすいという欠点があります。そのため、リフィル(替え芯)が買いやすい(プリンターのトナーみたいなイメージです)ということも商品選びの大きなポイント。
勉強などでガンガン使う場合には常にリフィルがストックしやすい、手に入りやすいシリーズを選びましょう。
【7】機能性やデザインなどもチェック!
さまざまなデザインがあるゲルインクボールペン。複数の色が1本にまとまった多機能ボールペンや、自分でインクのカラーをカスタマイズできるものなどさまざまなので、自分の好みのデザインや使いやすいものを選ぶのがおすすめです。
また、ノック式やキャップ式、ツイスト式などペン先の収納方法も商品によってさまざま。こちらは使い勝手に関わってくる部分なので、自分にとって手間のないものを選びましょう。
▼エキスパートからのアドバイス
【エキスパートのコメント】
書き心地や発色のよさもチェック
ゲルのおかげでインク戻りがなく、かすまない、にじまない、こすれないのがゲルインクのいいところ。メーカー独自のリフィルを開発している場合が多いので、それぞれの書き心地やインクのきれいさを見極めて選ぶようにしましょう。
発色のよさも決め手になりますので、ラインの太さや細さを比較して選んでみてください。なめらかさのちがいを試しましょう。
三菱鉛筆、ぺんてる、パイロット
ゲルインクボールペンの人気メーカー・ブランド
ゲルインクボールペン選びに迷ったら、人気のメーカーやブランドのシリーズから探すのもひとつの手です。人気メーカーやブランドの特徴をご説明します。
三菱鉛筆|発色が良く濃い文字を書ける
スタイルフィットやユニボールなどの人気シリーズを展開する三菱鉛筆は、発色がよくはっきりとした濃い文字を書けるのが特徴です。
にじみにくくかすれにくい文字を書きたいシーンで活躍します。
ぺんてる|デザインや機能の種類が豊富
エナージェルやハイブリットシリーズを展開するぺんてるのボールペンは、機能やデザインのラインナップが豊富なのが特徴です。シンプルなノック式や赤・青・黒の3色ペンや就活向けのペン先の安定感があるタイプがあります。
かわいいクラシカルなデザインや高級感のあるデザインなどもあり、ビジネスから普段使いまでシーンに合わせて使えます。
パイロット|細字でも優れた書き心地
パイロットのゲルインクボールペンもデザインや種類が豊富です。「ハイテックC」シリーズなど極細でもにじまずしっかりと文字を書けるタイプが人気です。
また、フリクションシリーズのラインナップも充実していて、スリムでスタイリッシュなものや女性向けのおしゃれなデザインなども揃っています。
選び方のポイントはここまで! では実際にエキスパートが選んだ商品は……(続きはこちら)