相鉄グループは25日、今年度の鉄道・バス設備投資計画について発表した。鉄道事業(相模鉄道)においては、新型車両12000系を新たに5編成導入するなど、相鉄・JR直通線の開業に向けた準備を鋭意進めるとしている。
相鉄・JR直通線用の新型車両12000系は「デザインブランドアッププロジェクト」の概念にもとづき製造され、代表的な能面のひとつ「獅子口」をイメージした力強いデザインの先頭形状が特徴。内装は先に導入された相鉄・東急直通線用の車両20000系の仕様を踏襲しつつ、利用者の声を反映してユニバーサルデザインシートを一部改良。高齢者や子育て世代など、すべての人に優しい仕様となった。
12000系の第1編成は4月20日から相鉄線で営業運転を開始した。11月30日に予定される相鉄・JR直通線の開業に向け、今年度も引き続き12000系の導入が進められる。
相鉄・JR直通線および相鉄・東急直通線(2022年度下期開業予定)に向けた新型車両の導入を進める一方、「デザインブランドアッププロジェクト」の取組みとして既存車両のリニューアルも行っており、今年度は9000系など3編成をリニューアルする予定。また、車両の空調システムを改良し、車内の快適性向上も図る。
南万騎が原駅では今年度、改札のスルーラッチ化やトイレのリニューアルなどを実施。希望ヶ丘駅で待合室の新設、平沼橋駅・西谷駅で行先案内表示装置の設置も予定されている。相鉄線では2022年度末までに全駅でホームドアを設置する予定としており、今年度はホームの増強や列車定位置停止装置(TASC)といった準備工事を進める。他にも電気設備の更新をはじめ、さらなる安全性の向上を図るという。
バス事業(相鉄バス)においても、さらなるバリアフリー化のために大型ノンステップバス21台(うちハイブリッドバス10台)を導入するほか、安全性の高いASV型の高速バスを4台導入する。相鉄グループは2019年度、鉄道事業に202億円、バス事業に11億円、総額213億円の設備投資を実施する。