福士蒼汰主演で2018年に公開された、映画『旅猫リポート』のBD・DVDが24日にリリースされる。初回限定盤となる豪華版には、本編DISCに加えてメイキングなどがたっぷりの特典DISCも収録。福士と猫のナナが旅をする同作では、ナナの演技も重要となっており、気になる撮影の裏側も見ることができる。
今回は、BD・DVD発売を記念して福士にインタビュー。久々の再会となった猫のナナ(トム)との様子を撮影し、自由にナナが動き回る中、作品についての話を聞いた。
猫のナナは「やるときはやる」
――撮影、宣伝を経て、また久しぶりのナナとの再会かと思いますが、会ってみての印象はどうですか?
変わらないです(笑)。ナナは、ずっと変わらないです。あっさり系です。
――あっさり系なんですね(笑)。発売される特典DISCにはメイキングもたっぷり入っていて、ナナちゃんとの撮影もほほえましくもありつつ、大変そうだなとも思いました。
大変ではありましたが、ナナは本当に「やるときはやる猫」という猫です。テストでちょっと動いちゃったけど、まあしょうがないかな……という時も、本番では決めてくれるんです。さっきも、写真撮影のときだけ抱っこを許してくれて、「もういいだろ」となったら離れて(笑)。わかってる気がします。
――撮影風景では、原作者である有川浩先生の姿もありましたけど、かなり来られていたんですか?
ほぼ毎日、いらっしゃってました。有川先生は「猫第一」で、猫の目線や機嫌を担当してくださって。、まるでスタッフさんのように撮影を手伝ってくださっていたんです。
――原作者の方とそんなに密になる作品ってなかなかないですよね。
自分にとっては初めてでした。でも、関わってくださる全ての方の気持ちがひとつににならないと、絶対にこの作品は完成できなかったと思います。
――猫ブームで、「猫映画」が一つのジャンルにもなりそうだなと思うんですが、『旅猫リポート』はどんなところが特徴だと思いますか?
『旅猫リポート』には、今までの動物映画とはまたちがう切なさがあるのかな、と思います。あとは、動物側の視点で描かれているところも大きいです。ナナの心の声がわかるので、「動物はこんなことを思ってるんじゃないかな」と思わせてくれるというか。
――実際に会話しているような気持ちにもなりますか?
でも、実際にふだんからそうなのかなと思います。猫側も、本当にわかっていて、伝えるすべがないだけなのかもしれないし。人間も勝手に「わかってる」と思っちゃう。通じ合ってる気はします。絶対に!
『旅猫リポート』は一番人間味があった
――福士さんご自身は、2018年は4作(『曇天に笑う』『ラプラスの魔女』『BLEACH』『旅猫リポート』)映画に出られてましたが、全部テイストの違う作品で、振り幅のあった1年だったのかなと思いました。その中で『旅猫リポート』はどういう位置付けだったんですか?
1番、人間らしい作品でした。『曇天に笑う』『BLEACH』は漫画原作で、『ラプラスの魔女』はキャラクターに悪魔的要素があったので、本作が1番、人間味を感じられる作品だったと思います。
――キャラクターを演じる作品と、より人間味を出していく作品だと、スイッチが切り替わったりするんですか?
ある程度は、あります。漫画原作だと、原作者さん、原作ファンの方、アニメファンの方など、いろいろな方の思いを背負っている感覚があって。小説はビジュアライズされていないので、想像の範囲が広く、自分の好きな部分を演技に持ってこられる点が違うなと思います。ビジュアルが固定されて、かつ漫画の魂も引き継ぐというのは、けっこう大変な作業でした。
――2019年は、もうすぐ元号も変わりますが、どんな年にしようと思っていますか?
進みつつ、ちゃんとしっかり準備をしていく時間かなと。自分の形を、ちゃんと明確にする時間かもしれません。まだまだ、自分を理解していないことが多いんです。自分の興味あること、好きなことがわからないというか、曖昧な気がするので。これから、好きなものを好きなようにやっていくために、自己分析が必要だなと思いました。2018年に、いろいろな人と出会った中で感じたことです。バランスを大事にしながら、自分を理解する時間を持ちたいと思います。
■福士蒼汰
1993年生まれ、東京都出身。11年に俳優デビュー。NHK連続テレビ小説『あまちゃん』(13)で主人公の初恋相手を演じ、14年エランドール賞新人賞を受賞。『好きっていいなよ。』『イン・ザ・ヒーロー』『神さまの言うとおり』(14)で第38回日本アカデミー賞新人俳優賞受賞。その他の映画出演作に『図書館戦争』シリーズ(13・15)、『ストロボ・エッジ』(15)、『ぼくは明日、昨日のきみとデートする』(16)、『無限の住人』(17)、『曇天に笑う』『ラプラスの魔女』『BLEACH』(18)など。公開待機作に『ザ・ファブル』(19)がある。