高校の吹奏楽部を舞台に繰り広げられる人間ドラマを描いたアニメ『響け!ユーフォニアム』シリーズの最新作『劇場版 響け!ユーフォニアム~誓いのフィナーレ~』の公開を記念した舞台あいさつが4月20日、東京・新宿ピカデリーにて行われた。
登壇者は黄前久美子役(2年生・ユーフォニアム担当)の黒沢ともよ、加藤葉月役(2年生・チューバ担当)の朝井彩加、川島緑輝役(2年生・コントラバス担当)の豊田萌絵、高坂麗奈役(2年生・トランペット担当)の安済知佳、塚本秀一役(2年生・トロンボーン担当)の石谷春貴、久石奏役(1年生・ユーフォニアム担当)の雨宮天、中川夏紀役(3年生・ユーフォニアム担当)の藤村鼓乃美、吉川優子役(3年生・トランペット担当)の山岡ゆりと監督の石原立也。
舞台あいさつがスタートすると登壇者それぞれが自己紹介とひとことずつ挨拶。その後、黒沢は、「元々はワンクールで終わるという企画書。23歳になった今も作品に関われるのが嬉しい。2年生になった久美子が演じられて幸せでした」と万感の想いを言葉にした。
また、雨宮は、作品の舞台である北宇治高校吹奏楽部の一員になった感想について、「個性の強い部活だと思った」とコメント。このひとことからトークはさまざまな波乱を起こすことになる一年生たちの話題へと移行した。
監督は「今思い返せば麗奈は厄介な一年生だった。優子とも思い切りぶつかっていた」とコメント。また、葉月のような初心者、いわゆる初々しい担当が本作ではフィーチャーされていないことについては「北宇治が全国大会に出場したことで、経験者がたくさん入部した」と答え、会場からは納得する声がいくつも挙がった。
なお、北宇治高校吹奏楽部の次期部長が久美子、副部長が秀一であるという話から、登壇者たちが続編への期待を口にする一幕も。黒沢をはじめ、それぞれが「演じたい」という気持ちを露わにして、作品への愛を示した。
舞台挨拶の最後には、改めて登壇者が挨拶。それぞれのコメントを抜粋して以下に紹介する。
石原立也監督
平成に入るちょっと前からこの仕事をやってきて、『ユーフォニアム』が平成最後の作品になりました。……令和と麗奈って似ていますよね(笑)。なんだか幸先がいいなと思っています。この作品はとても思い出深いものとなりました。皆さんありがとうございました。
山岡ゆり
アニメーションだけどもひとり、ひとりが生きています。人間関係にも注目しながら、2回、3回と見返していただけると嬉しいです。
藤村鼓乃美
希美(3年生・フルート担当の傘木希美)とみぞれ(3年生・オーボエ担当の鎧塚みぞれ)の演奏シーンなどをはじめ、演奏が本当に素晴らしいんです。また、新しい風が入ってごちゃちゃしているので、人間関係にも注目してください。
石谷春貴
たくさんの人たちが愛と情熱を注いで作っています。音にも芝居にもこだわっていますので、たくさんの方々に観ていただけたら嬉しいです。
雨宮天
アフレコのときから自分のシーン以外でもウルっときて、胸を掴まれるシーンがいくつもありました。こんなにも心を動かされるのはすごい。色々なキャラクターにフォーカスを当てて、何度でも観ていただきたいです。
安済知佳
(監督の挨拶で)令和になった麗奈が見たいと強く思いました。先ほどともよちゃんも言っていましたが、ワンクールで終わると思っていたものが、こんなにも長く、また、彼女たちも年を重ねられたということを幸せに思っています。(劇場版での)1年生が2年生になった姿、2年生が3年生になってどうやって前進していくのかが見られたら幸せだなと思います。
豊田萌絵
(川島緑輝たちの)先輩としての立ち振る舞いを観られたのが個人的には嬉しかったです。葉月ちゃんは本当にいい先輩。葉月ちゃんがコンクールに出場しているところを見たいです! 個人的にはスマートフォンの動画撮影の演出が好き。皆さんもSNSで拡散をお願いします!
朝井彩加
朝早くからご来場いただきありがとうございます。朝イチから『誓いのフィナーレ~』が観られるのって幸せだなと思いました。この作品は部活での成長はもちろんだけども、観ていて自分が勇気づけられることが多いんです。背中を押してもらえる作品。誰かを励ましたいときに一緒に映画を観にいくのもいいんじゃないかなと思っています。葉月的には3度目の正直を見てみたいので、よろしくお願いします!
黒沢ともよ
何だか分からないけれど、幸せな気持ちでいっぱいです。朝早くからこんなに多くの人に来ていただけて……本当にありがとうございます。アニメーションってすごくたくさんの人に支えられて出来ていて、愛がないとこんなに綺麗なフィルムってできない。アニメって変わらないこともひとつのいいところだと思うけれど、この作品では変わっていく素敵さもあると思えました。もっともっと(彼女たちが)変わっていく姿が見られると嬉しいなと思っています。本日はありがとうございました。
(C)武田綾乃・宝島社/『響け!』製作委員会