俳優の渡辺謙が、テレビ朝日系2夜連続ドラマスペシャル『逃亡者』(19年度放送)の主演を務めることが24日、明らかになった。
このドラマは、1963~67年にかけてテレビシリーズがアメリカで放送され、93年にはハリソン・フォード主演で映画化された『逃亡者』をリメイクするもの。テレビ朝日とワーナー・ブラザース・インターナショナル・テレビ・プロダクション(WBITVP)が手を組み、日本版を制作する。
渡辺はが演じるのは、エリート外科医・加倉井一樹。ある夜、彼の妻が惨殺される事件が起き、現場に居合わせた加倉井に容疑がかけられる。加倉井は義手の男が犯人だと訴えるが、逮捕起訴され裁判で死刑判決が下される。しかし、護送車が事故に遭遇。加倉井は自らの手で真犯人を探し出し、無実を証明するために逃亡する、というストーリーだ。
渡辺は「このお話をいただいたときは、『こう来たか!』と胸躍るものを感じました。まだ仮台本の段階ですが、いただいてすぐ、前後編を一気に読み上げてしまいました。こんなにも一気に読める台本をいただいたのは、久しぶりでしたね」と語る。
「実は、医師を演じるのは初めてなんです」とのことで、「今回の作品では、医師として“生命の重さ”を知る主人公が、自らの命をどう生き抜いていくか…そこに執着していきます。ある意味、“生きる力”みたいなものを試される役柄ですね。そして役はもちろんのこと、僕自身の“生命力”も試されていくドラマになる気がしてなりません」と話した。
そして「実際の人生では、追う側も追われる側もイヤですね。こんな追跡劇には、絶対に関わりたくありません」と笑顔を見せた。
また、「和泉聖治監督のもと、ものすごいアクションが盛り込まれた大活劇になると思うので、“生命力”を描いた人間ドラマとアクションの両輪をお楽しみいただけるドラマになるのではないかと思います。撮影はこれからですが、監督からどんなことを要求されても耐えられるような身体作りはしておかなければと覚悟しています」とコメントしている。
テレビ朝日の藤本一彦プロデューサーは「ロンドンで、ミュージカル『王様と私』公演中だった、日本が世界に誇る名優・渡辺謙さんに出演交渉したところ、快く主人公役を引き受けていただくことになりました」と経緯を説明。「『逃亡者』を日本で初めて完全リメイクする今回の試みは、多くの視聴者にエンタテインメント作品として満足いただけるものになる、と思います」と自信を見せた。
さらに、「アメリカのテレビ史、映画史に残る名シーンの数々を現代日本に置き換えて“逃亡”と“追跡”を克明かつ大規模に映像化してゆきます。また、逃亡者を執拗に追う刑事、医師である主人公の周りの医学界の人々、そして殺される妻などなど、豪華で実力派の俳優の方々を迎えて制作する予定です」と明かし、「ワーナー・ブラザースの全面的協力を得て贈る、かつてないスケールのスペシャルドラマの決定版・『逃亡者』。どうぞご期待ください」と呼びかけた。