範囲を表す日本語はいろいろですが、この数字はどっちだっけと悩んでしまうことがあると思います。今回は、こうした言葉の意味について解説していきます。

  • 以下や以上、未満と以降での「含む」「含まない」を理解していますか?(写真:マイナビニュース)

    以下や以上、未満と以降での「含む」「含まない」を理解していますか?

以という漢字の意味

Amazonで2,000円以上の買い物をすれば送料が無料になります。では、合計金額が2,000円ピッタリだとどうなるのでしょうか。無料になる? それとも送料がかかる?

こうした数字の範囲を迷ってしまわないためには、まず、「以」という漢字の意味を知っておきましょう。

以は「ある時・所を起点として」という意味です。

「本日を以て(もって)卒業します」と言えば、今日という時点で卒業するよという意味になります。「時速60kmを以て速度超過とする」という条文は、時速59kmまではセーフだけど時速60kmは違反だよ、ということを示しています。

その数字や地点を含むのが以なのです。

ですから、「以上」も「以下」もその前の数字を含みます。「18歳以上」は、18歳を含んだそれより上の年齢ぜんぶを指します。「2時間以下」は、2時間を含んでそれより下の時間が範囲です。このように、以の意味が分かれば「以降」もすぐに理解できるでしょう。

以降は、「その時を含んで、それより後」という意味です。たとえば、「5月1日以降」ならば、「5月1日も含んでその先ずっと」ということになります。

未満が表す範囲

では次に、「未満」の範囲を確認していきましょう。これも、漢字の意味が大事です。未満とは「いまだ満たず」という言葉です。それに届いてない、ってことです。恋人になってたら「友達以上恋人未満」とはいいませんよね。

まだ達していないわけですから、「18歳未満」というのは、18歳は含みません。17歳以下が範囲になります。その数を含めず、それより小さい数について「未満」という表現を使うわけです。

ちなみに、その数を含めず、それより大きい数については「超」という表現を用います。「5メートル超の物体」とは、5メートルを含まずそれより大きいモノです。「気温が35度を超える見込みです」とは、35度を含まず、それよりもっと暑くなるよってことです。

まとめ

以上、以下は基準となる部分を「含む」と説明しましたが例外も存在しています。たとえば「予想以上に売上が上がった」といった場合には予想していた売上よりも高い売上が出たことを意味するため、予想していた範囲は含まれません。

また、相手をばかにする際に「あなたの発言は幼稚園児以下だ」といった言い方をすることもありますが、この場合も一般的な幼稚園児よりも発言内容が幼いといった意味で使われるため幼稚園児は含まれません。

ただし法律でも、以上、以下、未満といった表現がされることからも、数値を示す場合には、解説した「違い」に関する覚え方をしておけば問題ないでしょう。