元SMAPで俳優の香取慎吾が23日、都内で行われた主演映画『凪待ち』(6月公開)の完成報告会見に、共演の恒松祐里、吉澤健、リリー・フランキー、白石和彌監督、赤城聡プロデューサーとともに登壇した。
2018年6月~7月に石巻市を中心に撮影された本作は、人生どん底まで墜ちきった男のバイオレンスと狂気、怒りと裏切り、不条理と悲劇、そして、切ない暴力を描いた衝撃のヒューマンサスペンス。あるきっかけをもとに墜ちる所まで堕ちきった男・郁男を香取が演じた。
香取は「白石監督とお仕事できて本当にうれしく思っています」と白石監督とのタッグに喜び。悲しみと狂気が交錯する演技で新境地に挑んだが、「あまり今まで見たことのない香取慎吾が見られるかもしれないですが、人は誰でも凶器な部分を心の中に、闇の部分を持っていると思う。そっちの方向の自分としては白石作品はすごく好きだったので、すごく好きな部分をやっとできたというほうが強い」と話した。
そして、「白石監督が監督している姿・・・白石監督に全スタッフ・キャストがついていこうと一つになれている白石組の現場にいるのがとても楽しかった」とうれしそうに回顧。役柄としては「つらかったです。ズタズタでした」と打ち明け、「人の優しさがこんなに痛いものなんだと思いました。自分以外の役の人間から優しい言葉をかけられるほどふがいなさを感じ・・・そんな時間でした」と振り返った。
殴り合いのアクションシーンにも挑戦した香取。「アクションでのダメージは、血だらけでした」と告白するも、「全然大丈夫です。仕方ないので」と言い、白石監督が「香取さんは頭の回転が速く、瞬時に危険なところを察知する。それでも、ケガしていたって・・・心がズキーッて」と申し訳なさそうな表情を見せると、「全然大丈夫です。アクションなんで」と強調した。