人気漫画『思い、思われ、ふり、ふられ』(通称:ふりふら)が実写&アニメーションでW映画化することが23日、わかった。
同作は『ストロボ・エッジ』『アオハライド』で知られる咲坂伊緒の最新作で、第63回小学館漫画賞少女向けマンガ部門を受賞し450万部を突破している。偶然出会ったタイプの全く違う朱里と由奈、朱里の義理の弟の理央と由奈の幼馴染の和臣が、同じ高校に通いながら、すれ違う恋模様を繰り広げる。
大人気原作を映像化するにあたり、実写にするか、アニメーションにするか2つの選択肢がある中で、同時に両方の映像化をするべきだということから企画が展開。原作の咲坂も一緒に脚本づくりを行い、実写映画は2020年8月、アニメ映画は2020年5月に公開される。実写版の監督は三木孝浩が務め、撮影は3月20日~4月20日にオール神戸ロケで行われた。
実写版では、浜辺美波が『ふりふら』1人目のヒロイン・山本朱里を演じる。恋愛に対して現実的で積極的、かつ社交能力が高いが、実は自分の本当の気持ちを出すのが苦手で、すぐに先回りして空気を読む役に徹してしまう不器用な性格。親の離婚や再婚など複雑な家庭環境の中で無理をして顔をあげて生きていく。
夢見がちで恋愛に対して消極的な2人目のヒロイン・市原由奈を演じるのは、第8回東宝シンデレラオーディションでグランプリを受賞した福本莉子。正反対な性格の朱里と、彼女の義理の姉弟である理央に出逢い、理央に片想いをするが、朱里と理央の間に隠された秘密を知ってしまい、悩み、傷つきながらも成長していく。
また浜辺とは『君の膵臓をたべたい』以来の実写映画共演となる北村匠海が、朱里の血のつながらない弟・山本理央を演じる。イケメンで女子からもてる所謂“王子様”タイプだが、実は朱里のことをずっと好きで告白しようとしていた。親の再婚により血のつながらない姉弟になってしまい、その想いを告げられないままずっと胸のうちに抱えている。
最後に、由奈の幼馴染で、やがて理央や朱里のよき理解者となっていく乾和臣を演じるのは、『仮面ライダービルド』にてクローズ役を演じ注目を集める新星・赤楚衛二。真っ直ぐな好青年で、思ったことをそのまま口に出してしまうような天然キャラだが、厳格な両親に育てられ、自分の将来の夢に関しては、本当の気持ちを言い出せずに悩んでいる。朱里に共感し惹かれていくが、理央の朱里に対する気持ちに気づいてしまい、踏み出せなくなってしまう。4人の切ない恋が描かれていく。
浜辺美波コメント
以前から原作が大好きで実写化されるとしたら誰が演じるんだろうと思って読んでいました。
咲坂伊緒さん×三木孝浩監督の青春実写という、私の憧れのコンビネーションの映画に出演出来ることにとてもご縁を感じ、嬉しかったです。
朱里は人との距離のとりかたは器用ではありますが、傷つく怖さをちゃんと知っている女の子です。
朱里として、1度しかない青春を必死に、駆け抜けたいと思います。
共演の北村さんは何度かご一緒させて頂いていますが、最初にご一緒した時から雰囲気が変わらず安心感があります。福本さんは2回目の共演でも、同い年なので、撮影当初から話しやすく楽しかったです!
赤楚さんは今回初めまして。そして4人の中だと最年長でいらっしゃるのですが、同級生のように話しかけてくださり、緊張せずに撮影できました! とても居心地のよい雰囲気で撮影に臨むことが出来ました。
北村匠海 コメント
原作のイメージを壊さないように心がけるのはもちろん、映画内の4人のコントラストを大切にしたかったのでテンション感はたくさん考えました。
役作りに関しては、''言葉とは裏腹の気持ち''をとにかく大事にしました。前向きな言葉とは反対の表情をしてみたり、それがすごく理央らしさに繋がっていくのではないかと思いました。
共演者の浜辺さんも、福本さんも、赤楚くんも、とても真っ直ぐでひたむきな方々でした。
浜辺さんとは''キミスイ''以来でしたが、花が咲いたようなキラキラした雰囲気が溢れていて、同じ空間にいてとても楽しかったです。4人で楽しくやりながら、青春時代を謳歌できていたと思います。
また三木監督とは僕がまだ小さい頃から作品を一緒にやらせて頂いていて、映画は実に6年ぶりくらいだったのですが、変わらずあたたかい人柄でスタッフさん含むみなさんを包んでいました。芝居しやすかったですし、自由にやらせてもらえるなかにも監督の意図もしっかりあって、話し合いながら進めていくことが出来ました。
福本莉子 コメント
初めて原作を読んだ時に、この作品はきっと誰にとっても共感出来る青春の物語なんだと思いました。
待っているだけで降ってくる幸せより、4人が努力して掴んだ幸せだからこそ心から応援したくなるキラキラとした物語になっているんだと感じました。
私が演じた由奈ちゃんは人見知りで自分に自信が持てない女の子ですが、まっすぐな芯を心の中に秘めているので、その純粋さやまっすぐさを大切に演じました。そしてどんどん成長していく由奈ちゃんを表現する為に視線でのお芝居もかなり意識しました。
今回2度目の共演になる浜辺美波さんは事務所の先輩であり同い年でもあるので私にとって心強い存在で、初共演の北村さんや赤礎さんとは初日に敬語を使わずに話すことを決めて、4人全員が本当の同級生のように和気藹々とした現場でした。
撮影に入る前に三木監督から作品に関するお手紙を頂いて、それが役作りをする時の道標になり、撮影に入ってからも親身になって話を聞いて想いを共有してくださるのでとても助けられました。
赤楚衛二 コメント
『ふりふら』を初めて読んだ時、4人の関係性や、想いの複雑な絡み合いにドキドキしながらも前を向き一歩を踏み出す勇気を貰えました。和臣は明るく真っ直ぐで、可愛らしさもあるけど、自分と向き合う事を諦めて、本当の想いを奥底に蓋をしてる人間でもあるんだと感じました。
和臣を演じる事で心がけたのは素直でいる事、そして彼が感じてる、抱えてる想いを表にはなるべく出さずにいる事です。彼自身の心の微妙な変化に気を付けて演じました。
共演した美波ちゃんはお淑やかで、様々な場面で周囲に心配りができ、いるだけで華やかになる素敵な方でした。
匠海くんは自分をしっかり持っていて博学多才な見たままの好青年で、現場では引っ張っていく力を持っている凄く魅力的な方だなと思いました。
莉子ちゃんは居心地の良い空間を常に作ってくれて、自分の世界観を持っており、関西弁で親しみやすい方でした。
そして三木監督は柔らかい雰囲気の方で、作品に対する想いや情熱は凄く熱いです。どう見えるか、どう映ってるか等を丁寧に教えて下さって、繊細な心のひだを導き出して下さる素敵な監督さんでした。
三木孝浩監督 コメント
漫画ではできない色や音、動きの連続性のある映像の世界に落とし込んだ時、どんな表現になるのか想像するだけで今からとても楽しみです。実写、アニメとも、脚本の打ち合わせにはプロットから参加させていただきました。私が、キャラクターやひとつひとつのシーンに込めた思いやどうしてもいれてほしいポイントを双方の脚本家の方達、スタッフの皆さんと共有しながら脚本の成立に関わることができたのはとても貴重な機会でした。時には実写ならでは、アニメーションならではの見せ方の違いに感心することもありました。
実写では映画『アオハライド』でもお世話になった三木監督に再び撮っていただけると分かった時、「また三木監督とお仕事するのが私の夢です」と言って握手していただいたあの時の言葉が現実になった!と興奮したのを覚えてます。漫画原作ではありますが、それでも人の感情の生っぽさを大事にしていただきたいと常に思っているので、そこを安心してお任せできる三木監督に撮っていただけて本当に光栄です。そしてそれを十分に理解してくださるキャストさんばかりに集まっていただけたことも、本当にすごい事だと思っています。
そしてさらにアニメーション映画の制作がA-1Picturesさんに決まった時、その時点で絶対いいものを作ってくださると確信しておりましたが、制作過程を見せていただくたびにその気持ちは強くなる一方です。漫画では動くことのない絵が、2次元のまま滑らかに動くアニメーションというのは漫画家にとってロマンです。ふりふらのキャラクターたちがこの世界ではどんなふうに動くのか私も早く観たい気持ちでいっぱいです。
漫画でしかできない事、実写にしかできない事、アニメーションでしかできない事、この3つ全ての視点から楽しんでいただく事で、ふりふらという一つの作品を皆様の中で完結させていただければ幸せです。
(C)2020 映画「思い、思われ、ふり、ふられ」製作委員会 (C)咲坂伊緒/集英社