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【この記事のエキスパート】
フリーエディター&SUV生活研究家:山崎 友貴
自動車雑誌編集長を経て、フリーの編集者に。登山やクライミングが趣味で、アウトドア雑誌「フィールダー(笠倉出版社刊)」にて連載中。悩みは増え続けるアウトドア用品などの遊び道具の収納場所で、愛車のJeepラングラーもすっかり倉庫代わりに。昨今は車中泊にもハマり、住居をキャンピングカーに変えるか真剣に悩み中。
高度計や気圧計、コンパスなどの機能があり登山やトレッキングをサポートしてくれる登山用時計。カシオのプロトレックやガーミンのスマートウォッチなど人気モデルがメンズ・レディース問わず多数展開されています。そこで本記事では、登山用時計の選び方とおすすめ商品を紹介します。
登山用腕時計の必要性
登山用腕時計とは、その名の通り、登山の際に便利な機能がそろった腕時計のこと。ペース配分を考えた時に、腕時計で時間を測ることは大切になりますが、それ以外にもたくさんの機能が付随されています。
例えば、山の高度や気圧を表示する機能。この機能により高山病などへの対策をいち早く準備することができます。また、方角を示すコンパス機能。その他、雨天時にも耐久性のある防水機能や耐衝撃性など、登山であると嬉しい機能があります。なにが起こるかわからない登山だからこそ、しっかり選んでおきたいところです。
登山用時計の選び方
それでは、登山用時計の基本的な選び方を見ていきましょう。ポイントは下記。
【1】防水性能
【2】駆動時間
【3】その他の便利機能
上記のポイントをおさえることで、より具体的に欲しい機能を知ることができます。一つひとつ解説していきます。
【1】防水性能をチェック
【エキスパートのコメント】
近年販売されている登山用時計は、ほとんどが「10気圧」もしくは「100m」以上の防水性を有するものがベーシックとなっています。これ以下の防水性能を一般的に「生活防水」と呼ぶのですが、生活防水は汗や雨滴に耐える程度のものであり、時計を水中に浸けると故障する場合があります。
安価なアウトドア用時計の中には、生活防水機能しか有していないモデルもあるので、こういった商品は避けた方が無難です。
「山では水中に入ることなどない」と考える人もいますが、川を渡る途中に転んで、不意に時計を水中に浸けてしまうこともあります。また冬は雪の中で使うこともあるので、防水性能は重視したいポイントです。
【2】駆動時間をチェック
【エキスパートのコメント】
昨今、登山用時計で熱いのが、カシオやスントから次世代時計として続々発売されている、「スマートウォッチ」です。PCなどと連動させることで、簡単なルートナビゲーションをさせることができ、ユーザーから注目されています。
一方で、登山エキスパートからはある性能面で実用に耐えうるか疑問視されています。それは、電池切れです。カシオの最新モデルでも、電池駆動時間は3日。つまり、ロングの山行となれば、途中の山小屋で充電が必要となります。当然ながら、充電器の携行で荷物が重くなるというデメリットも発生します。
おすすめは、ソーラー充電を備えたモデル。約10年間は電池交換も不要ですし、山行中に電池切れという事態も避けられるでしょう。
【3】その他の便利機能をチェック
登山用時計は、ほかにもさまざまな機能が備えられています。あると便利な機能である、温度計・高度計・気圧計・電子コンパス・GPS機能・ソーラー充電機能とは何か、特徴などを知っておきましょう。
温度計
温度計は、外気温を正確に知ることができる便利な機能です。とくに標高1,000mを超える高山や雪山では、感覚だけで外気温を判断するのはとても危険。
山は気温も変わりやすく、また高度が上がるにつれて気温は低くなるので、体調管理に役立てるためにも持っておくべきだといえます。温度計は単体でも売られていますが、登山用時計に搭載されていれば忘れずに済むので安心です。
高度計
高度計は、大気の圧力を計って気圧を表示するものです。定点で気圧計の数値を知ることで、大まかな天気の流れがわかります。
また、地図とコンパスを併用すれば現在地を知ることができるので、どれだけ登ったのかも一目見てわかるのが特徴的。山登りが順調かどうかのペース配分の参考にもなるため、登山用時計に欠かせない機能のひとつです。
気圧計
気圧計は、気圧の変化を測定するもので、天候の急変予測などに役立てることができる便利な機能です。
ヘクトパスカル (hPa)を単位として数値を確認できること、グラフ化で目視できることなど、登山用時計によってさまざまな表示方法があるのが特徴的。山はとくに天気の急変が多いので、気圧計機能を持っていると、活躍するシーンが多いでしょう。
電子コンパス
電子コンパスは、現在自分がどの方角を向いているのかを計測して表示する、便利な機能のひとつです。たとえ舗装されている山道でも、長時間山のなかにいると、方角がわからなくなってしまうことがあります。
いま、自分がどの方角に立っているのかが確認できれば、目的地の方角もすぐに示すことができて遭難対策に役立ちます。
GPS機能
GPS(GlobalPositioningSystem)は、人工衛星(GPS衛星)から発せられた電波を受信して、現在位置を特定する機能です。登山用時計以外にも、スマホや自動車、飛行機などにも搭載されています。
GPS機能があれば、現在地を把握できる以外にも、遭難を未然に防ぐために役立てたり、辿ってきた道を記録したりとさまざまな使い方ができます。
ソーラー充電機能
太陽光を利用するソーラー充電機能。登山用時計を使うために別途電池を用意しなくてもよいので、バッテリー切れの心配がありません。ただし、蓄電池が劣化すると、充電ができなくなるおそれがあるため、定期的なメンテナンスが必要です。
ソーラー充電機能は、登山以外にもキャンプやアウトドアスポーツなどのときに役立つので、搭載されていると重宝します。
有名メーカー・ブランドの特徴
登山用時計を取り扱っているブランドを紹介します。こちらもぜひ参考にしてください。
CASIO(カシオ)
CASIO(カシオ)は、世界中で人気の時計メーカー。また、その知見を活かして開発されたプロトレックは、登山用腕時計として確固たる地位を築いています。
計測値をすぐに確認できるディスプレイや自然現象の変化をとらえるトリプルセンサーは、登山以外にもハイキングや釣りなどでも活躍します。
GARMIN(ガーミン)
GARMIN(ガーミン)は、アメリカで誕生し、その後スイスに本社を置き、世界で知名度を高めていったメーカーです。航空機に搭載されているGPSシステムを手掛けるほどの高い技術力は、登山用時計にも活かされています。
スタイリッシュなデザインが多く、手首で心拍数を測定できる機能など、GPG以外にも役立つ機能がたくさん搭載されています。
SUNTO(スント)
SUNTO(スント)は、1963年にフィンランドで創業した時計メーカーです。長時間のバッテリー駆動が可能な点や、GPS機能・気圧計など、登山にうれしい機能がたくさん搭載されています。
本格的なアウトドア・スポーツウォッチでありながらも、北欧ブランドらしいシンプルで洗練されたデザインが特徴的で、ふだん使いしやすいのがうれしいポイントです。
SEIKO(セイコー)
SEIKO(セイコー)は日本でも有数の国産老舗時計メーカー。特にプロスペックシリーズは、冒険家の三浦豪太氏が監修しているシリーズ。「安全に登山を楽しむ」をコンセプトにしており、その名前にふさわしい、登山用のソーラーデジタルウオッチです。
登山以外にも、ダイビングやトレッキングなど、さまざまなアウトドアシーンで身につけることができます。
CITIZEN(シチズン)
1918年創業の、国産時計メーカーであるCITIZEN(シチズン)は、「海・陸・空を制覇する」というコンセプトのもとにプロマスターシリーズを展開しています。過酷な環境下でも耐えることができる機能性を備えており、商品ラインナップも豊富です。
海・陸・空ごとに製品の特徴も異なるので、登山用時計を選ぶなら陸をチェックしてみてください。
LAD WEATHER(ラドウェザー)
ラドウェザーは、アメリカと日本で共同開発されたアウトドアブランド。2009年に誕生し、リーズナブルで高性能な時計を展開しています。アウトドア以外でもふだん使いしやすく、ピンクやグリーンなどのカラー展開が豊富なのが特徴的です。
天気予測機能やデジタルコンパスなど、登山用時計にあると重宝する機能もしっかりと搭載されています。
選び方のポイントはここまで! では実際にエキスパートが選んだ商品は……(続きはこちら)