東京では桜も散り、段々と気温の高まりを感じる今日この頃。ファミリーマートでは春から初夏にかけたこの時期に、新商品のフラッペ3種類を全国の店舗(約16,400店)で21日から一斉発売する。2019年度の注目商品は「チーズケーキフラッペ」だ。18日に同社が都内で開催した記者説明会では、その狙いが明かされた。
フラッペに注力の狙いとは?
ファミリーマートのフラッペは今年で5周年を迎える。同社がこの時期に新規投入するのは「チーズケーキフラッペ(アップルソース仕立て)」「ストロベリーフラッペ」「チョコレートフラッペ」。なお昨年のイチバン人気だった「バナナジェラートフラッペ」も5月5日より発売する。
チーズケーキフラッペは、3種のチーズ(チェダーチーズ、ゴーダチーズ、クリームチーズ)を使った、ニューヨークチーズケーキをイメージした新商品。アップルソースがチーズケーキの味わいを引き立てる。いずれの商品も、昨年10月から店舗に導入を開始した新型のコーヒーマシンで作ることができる。
同社の商品・物流・品質管理本部の木内智朗氏は、記者説明会の冒頭でやや意外とも思えることを口にした。
「カウンターコーヒーの販売杯数が鈍化してきました。2015年までは毎年、ふた桁成長を続けてきましたが、近年は伸びていません。2018年は対前年比の約103%の成長にとどまっています」。コンビニ各社のコーヒーは今、ペットボトルコーヒーの台頭に押され気味だというのだ。
ファミリーマートでも、新型コーヒーマシンの導入、「ふわふわミルクのカフェラテ」や「コールドミルクフォームで淹れる濃厚アイスカフェラテ」といった女性に人気のカフェラテ商品の投入など、引き続きコーヒーの販売にも注力するが、新たな顧客層へのリーチが喫緊の課題となっている。
そこで、同じコーヒーマシンで作れるフラッペに注目した。フラッペの客層は女性6:男性4で、コーヒーを購入する層と真逆。しかもその販売実績はここ数年来、着実に右肩成長を続けており、2019年度には4,000万個を販売する見込みだ。「フラッペは競合他社との差別化になり、ファミリーマートを選んでいただける理由になる。他社ができていないことをやっていく」と木内氏。
新商品の開発にも余念がない。ガリガリ君でおなじみの赤城乳業の技術により、氷の粒子を均一にすることで崩しやすく、飲みやすく、喉越しも良い製品を開発。また、ロッテ独自の微細氷を使用し、ねっとりとした食感を実現した。今後も、ファミリーマートらしさを追求していくとしている。
ちなみに、フラッペの目下の課題は「買い方」と「作り方」とのこと。そこで新商品の発売に合わせて、香取慎吾さんを起用したテレビCMを22日より全国で放映スタートさせる。この「ファミマのフラッペつくりかたダンス篇」は、フラッペの作り方をダンスで表現したもの。これと並行して、SNSを活用した”ダンス投稿キャンペーン”も実施していく。
昨年は、フラッペの販売により若年・女性層の取り込みに成功した。今年は20代以上の女性層も狙っていくと説明する。木内氏は「2019年度のフラッペは、定番も含めて商品を大刷新する。スターバックスのように、常に新商品を出すことで話題性も高めていきたい。認知向上することで、売り上げの最大化を図っていきます」と言葉に力を込めた。
実際、どんな味がするのだろうか? 試食の機会を得たので、最後に少しだけ食レポしたい。チーズケーキフラッペ(アップルソース仕立て)は、とても滑らかなクリーム状だった。説明によれば、チーズ味のビスケットが混ぜ込んであるとのこと。ストローで吸い込むと、ほのかにチーズケーキの香りが鼻に伝わった。ほどよく舌の上に残る微細な氷で涼を感じる。甘すぎず、後味も良い。これなら、食後に喉が渇くこともなさそうだ。