4月12日、第69期大阪王将杯王将戦一次予選で森内俊之九段を破り、2019年度も好スタートを決めた藤井聡太七段。昨年度2018年度の勝率は45勝8敗[0.849]で2017年度に続き全棋士中第1位でした。これだけ勝ち星が集まれば各棋戦で予選通過、または本戦を抜けて挑戦権獲得に近いところまで進出していても良いように思えますが、いったいどの棋戦でどのくらいまで勝ち上がっているのでしょうか。タイトル棋戦に限ってまとめてみましたので、ここでおさらいしましょう。
勝ち残っている棋戦は竜王戦、王座戦、棋王戦、大阪王将杯王将戦の4棋戦。叡王戦、王位戦、ヒューリック杯棋聖戦は残念ながら来期まで待機となり、また名人へとつながる戦いである順位戦C級1組はまだ始まっていません。
勝ち残り各棋戦の状況は以下の通りです。
- 竜王戦(第32期)
優勝者のみが決勝トーナメントに進出できるランキング戦4組で3勝を挙げ、準決勝に進出しています。次の相手は高見泰地叡王。決勝トーナメントに進めば、6組で優勝した前々期、5組で優勝した前期より1勝分、挑戦権獲得に有利な位置からのスタートになります。昨年の決勝トーナメントは6月下旬、七番勝負は10月中旬にスタートしました。
- 王座戦(第67期)
こちらは勝ち上がっているわけではなく、前期ベスト4の実績により予選免除。16人による挑戦者決定トーナメントからの登場となります。二次予選は6つのトーナメントで争われていて、うち5つの山で挑戦者決定トーナメント進出者が決まっています。昨年の挑戦者決定トーナメントは4月下旬、五番勝負は9月上旬にスタートしました。
- 棋王戦(第45期)
予選で2勝を挙げ、準決勝に進出しています。次の相手は牧野光則五段。挑戦者決定トーナメントは30人+α程度(43期は33人、44期は34人)の棋士が参加し、準決勝以上は2敗失格システムが採用されます。昨年の挑戦者決定トーナメントは6月上旬、五番勝負は翌年2月にスタートしました。
- 大阪王将杯王将戦(第69期)
1次予選で2勝を挙げ、準決勝に進出しています。次の相手は北浜健介八段。一次予選を抜けると6人によるトーナメントで行われる二次予選に参加でき、それも抜ければ7人の総当たりで行われる挑戦者決定リーグに参戦となります。昨年、二次予選は7月上旬、挑戦者決定リーグは9月下旬、七番勝負は翌年1月中旬にスタートしました。
各所で勝ち進んでいるとは言え、いずれも挑戦権獲得までは長い道のりとなっています。最短、かつ挑戦権獲得までにこれから挙げるべき勝ち星の数的に最も有利なのが第67期王座戦のようです。
「タイトル戦に出たい」ではなく、(タイトル戦に出るための)「力をつけたい」。藤井七段がインタビューで幾度となく発している言葉です。しかし、ファンはつい1日でも早くその日が来ることを夢見てしまうもの。今期、この夢が現実となるシーンは見ることができるでしょうか。