朝日学生新聞社はこのほど、2019年度の中学受験を経験した小学6年生の保護者を対象に中学受験に関するアンケートを実施した。その結果、中学受験の理由、志望校選びでは、子ども自身の希望が多いということがわかった。
この調査は、朝日小学生新聞や合格発表の会場で呼びかけ、ウェブサイトやアンケート用紙への記入により回収したもの。小学6年生の保護者593名から有効な回答を得られ、子どもの性別は男子47%、女子53%だった。
中学受験をする理由について質問したところ、「子ども自身が希望した」が59.5%で最も多く、「教育内容が地元の中学校より良い」が48.6%、「高校受験をしなくてすむ」が43.0%と続いた。「大学進学に有利」も39.8%で多くの回答を得ている。
また自由回答では、「子どもの特性を伸ばすにふさわしい友人・環境を選ぶため」、「6年間というスパンのなかで、受験に追われることなく本当に大切な学習や人生勉強をして欲しかったため」というように、子どもの未来を重視していることがわかる。
志望校を選ぶうえで重視したことについて質問したところ、「子ども自身の希望」が55.0%、「雰囲気」40.0%、「大学進学実績」33.9%と続くが、「通いやすい」も32.0%で重視されていた。
自由回答では「学校が礼儀をきちんと生徒に身につけさせている学校が良かった。また、子どもが馴染みやすそうな雰囲気、いじめ対策をしているかも大事なポイントでした」というような、校風や教育内容、方針を重視している声も聞かれた。
続いて、中学受験を意識してから子育てで工夫したことについては、「新聞を読ませる」が67.6%、「計算など算数の反復練習」51.3%、「本を読ませる」42.2%などが上位で、「スケジュール管理」も48.2%と回答が多かった。
自由回答では「つきっきりで勉強を教えたりはしなかったが、子どもの様子を観察してメンタル面や健康面、スケジュール管理などのフォローにつとめた」、「毎朝5時に起きて1時間半勉強する習慣を早めにつけました。放課後だと疲れてしまっている日もあるので、朝の元気なうちに勉強させました」とあるように、保護者は子どもの健康管理やスケジュール管理に配慮し、睡眠時間の確保にも気を付けている。
受験のための進学塾以外にも習いごとをしていた子どもも多く、スポーツが53.8%、英語・英会話が29.5%、楽器教室が39.1%という結果だった。半数以上を占めたスポーツで具体的に種目を聞いたところ、水泳が66.5%と一番多く、サッカーが21.6%、テニスが13.5%と続いた。
習いごとを続けさせた保護者にその理由を聞くと、「体調管理。風邪をひかないように日頃から適度な運動や体を動かすことをした。受験をすると決める前からやっていたテニスやスイミングも気分転換になると思いずっと続けた」など、息抜きや健康管理のために続けている家庭も多い。
その他、「本当に受験をしたいのか、何のために受験するのかを何度も話し合ったりして子どもの意思を確認した」や、「受験する目的は何なのかを事あるごとに聞いた」というように、子どもと積極的に話し合う保護者が多いこともわかった。