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【この記事のエキスパート】
空間デザイン・DIYクリエイター:網田 真希
「インテリア空間デザイン」「スタイリング」「写真」「テレビ撮影」「監修」「執筆」などフリースタイルにて幅広く活動中。
予算100万円で自身が住む自宅をフルリノベーション、古材、流木などを使った家具作りが話題となり、様々なメディアにて取り上げられている。
幼少期から物作りが好きで、何でもまず作ってみる、やってみる精神、そんな好きが高じて、趣味から現在のお仕事に発展。
本体にヒーターが内蔵され、熱風を送風することができる工具、ヒートガン。本記事では、ヒートガンの選び方とおすすめ商品を紹介。プロ用のモデルやDIYで手軽に使える初心者モデル、小型タイプや充電式、はんだ付けに使える高温タイプの商品など厳選しました。
ヒートガンとは
ヒートガンとは、本体にヒーターが内蔵され、熱風を送風することができる工具のこと。メーカーによっては「ホットガン」「熱風機」といった呼び名でも呼ばれます。
原理はドライヤーと同じですが、大きな違いは熱風の温度。一般的なドライヤーの吹き出し口温度が100℃程度なのに対し、ヒートガンは吹き出し口温度が500℃近くになります。
完全な工具であるため、取り扱いには十分な注意が必要ですが、ドライヤーでは対応できない「塗装やシールの剥がし作業」や「パテの乾燥」「チューブの収縮」などに活躍します。
ヒートガンの選び方
それでは、ヒートガンの基本的な選び方を見ていきましょう。ポイントは下記の5つ。
【1】温度調節できるか
【2】風量調整できるか
【3】交換ノズルの種類
【4】冷却機能があるか
【5】形状
上記の5つのポイントをおさえることで、より具体的に欲しい機能を知ることができます。一つひとつ解説していきます。
【1】温度調節できるかチェック
使用用途によって最適温度はさまざまです。価格によっては温度調節のできないものもあるので、値段と機能のバランスを考えて使用用途に合った製品を選びましょう。
▼塩ビを曲げるときは「60度~80度」の温度になるタイプを
ヒートガンは製品によって加工できる温度が異なりますが、塩ビ素材を加工するには、60~80度ぐらいが適温です。この温度に調整できる製品を選んでください。
ヒートガンのなかには定温状態で熱を放出する製品もありますが、塩ビ素材には向いていません。塩ビ素材を加工するなら、少なくとも80度の熱量を出せるヒートガンを選びましょう。
▼熱収縮チューブは「100度」まで出るタイプを
ヒートガンがあればチューブ素材の加工もかんたんですが、熱収縮チューブを加工するときは100度前後の熱量を放出できるヒートガンが適しています。
より高い熱量のヒートガンを使うときは加工物から距離を離せば調節できます。ただし効率よく熱収縮チューブの加工作業をおこなうためには、100度前後に温度調節できるものを選んでください。
▼シュリンクフィルムは「150度」の温度になるタイプを
おもに包装用に使用されるシュリンクフィルム素材を加工するのに適した温度は150度前後です。これ以上の高い温度で加工すると、溶けてしまうので要注意。
シュリンクフィルムで包装・収縮作業をするときは、150度前後の温度が出せるヒートガンが必要です。温度調節できる製品を選ぶ場合、150度前後の温度がキープできるかどうかチェックしましょう。
▼塩ビ溶接は「270度前後」の温度なるタイプを
塩ビ素材を溶接する場合に気をつけるのは高温になりすぎないことです。塩ビ素材の加工なら60~80度で作業できますが、溶接の場合は270度前後の熱量が出せるヒートガンを選んでください。それより高温だと反応温度を超えてしまうので、うまく溶接できません。
塩ビ素材の加工から溶接までおこなうのなら、60~300度ぐらいまで温度調節できるヒートガンを選んでおけば間違いありません。
▼ハンダ付けは「350度」の温度になるタイプを
ハンダ付けするときはハンダごてがよく使用されますが、ヒートガンでもハンダを溶かして加工できます。ハンダの反応温度は350度ぐらいなので、この程度の温度調節が可能なヒートガンを選びましょう。
ハンダ付けができると電化製品の補修などができるので、350度前後の熱量が出せるヒートガンがあれば便利に使えます。
【2】風量調整できるかチェック
ヒートガンを使っているうちに必要になるのが風量調節機能です。一定の温度で作業していると素材によっては溶けたり燃えたりします。また弱すぎると加工がうまくいきません。ヒートガンを素材に近づけたり離したりして温度調節をするのですが、風量調節ができれば作業がもっとかんたんになります。
とくに熱収縮チューブの加工などは温度の加減がデリケートなので、風量調節ができるヒートガンが必要です。
【3】交換ノズルの種類をチェック
ヒートガンを当てる部分は目的によって大小範囲があるので、交換ノズルが付属していると便利。ピンポイントで熱を与えるためストロー型になったノズル、コードやチューブを囲むように熱が与えられるノズル、ドライヤーのように広範囲に熱を与えられるノズルなど種類もさまざまです。
これらのノズルがそろっていると、多様な作業に使用できるようになります。追加でノズルが取りつけられるヒートガンを購入しておくのも手です。
【4】冷却機能があるかチェック
ヒートガンを使う場合、使用してすぐにノズルに触るのは危険です。高温の温風によってヒートガンの金属製ノズルはかなりの高温になるので、使用後は熱が冷めるまで待つ必要があります。
このような場合にほしいのが冷却機能。冷風によってノズルを冷ますので、短時間で片づけることが可能です。また加工して熱を持っている素材に冷風を当てて冷やすこともできます。
【5】形状をチェック
ヒートガンを選ぶときは自分にとって使いやすい形状のものを選びましょう。
▼自立できると両手での作業が可能に
ヒートガンは、手で持ちながら熱風を対象物に与えるため、どうしてもヒートガンを持つ片方の手がふさがります。しかし作業の内容によっては、ヒートガンで熱を与えながら両手で作業をしたい、という場合もあります。
商品によっては本体にスタンドがついているものもあります。スタンドで自立することにより、両手で作業することが可能になります。手芸などこまかい作業が必要な場合、自立するヒートガンを選択しておくのがよいでしょう。
▼ミニサイズなら軽量で持ちやすい
ヒートガンの一般的な重さは700~1,000g程度ですが、より使いやすいように軽量化した製品もあります。とくに作業範囲が広い場合や持ち運びを重視するなら、軽量でコンパクトなタイプを選びましょう。
小型のものなら家庭用ドライヤーと同じぐらいの600g前後が適しています。ハンドクラフト用なら、200g程度のミニサイズやペン型のものが使いやすいです。
▼充電式でコードレスなら使いやすい
カーフィルムを貼るときなどは屋外での作業になりがちです。屋外の場合は電源が取れないことが多いので、充電式のコードレスが向いています。また屋内よりも屋外のほうがやりやすい作業の場合も、コードレスがあると便利です。
屋内で作業するときも、コードレスなら自由に動けるので取り回しがしやすいです。ただし、バッテリー切れにならないように気をつける必要があります。
エキスパートのアドバイス
【エキスパートのコメント】
熱処理作業直後の熱くなったヒートガンに注意
使い終わった直後に素材やヒートガンはとても熱くなっているので、じかに素手で触らないこと。火傷の危険があります。使用後のヒートガンの収納にも注意が必要で、そのまま床などに置いてしまうと床材などが溶けてしまうことが。
そのため、使用後に冷却できる冷却送風(50度送風)が出るヒートガンをおすすめします。使用後に冷却用送風をしばらく出し、本体やノズルを冷却して収納しましょう。