東京2020パラリンピックの開催まで500日となった4月13日、東京2020組織委員会は大会で使用される全22競技23種類のスポーツピクトグラム(絵文字)を発表した。
パラリンピックの魅力をひと目でわかりやすく
発表会には、パラトライアスロンの谷真美氏と、射撃でアテネ・北京・ロンドンの3大会に連続出場を果たし、東京2020聖火リレーのアンバサダーに就任した田口亜紀氏が登壇。
アテネ・北京・ロンドン3大会に走り幅跳び選手として出場し、出産を経て2016年よりトライアスロンへ転向、そして東京2020大会出場を目指す谷氏。パラトライアスロンのピクトグラムが描かれたパネルを持った同氏は、「スイム・バイク・ランの3種目が、義足で走っている様子やハンドサイクルを漕ぐ様子で描かれていて、車椅子や義足・義手などの道具と身体の融合という、パラリンピックの魅力がひと目でわかりやすく表現されているなと感じますね」とコメントした。
パラリンピックは2020年で16回目の開催を迎え、東京はパラリンピックを2度開催する初めての都市となる。そのピクトグラムのデザインには、1カ月前に発表されたオリンピックのピクトグラム同様、1964年の東京大会のものを出発点に、さらなる情報伝達性と躍動感が込められている。
発表会ではパラリンピック競技を多くの人に知ってもらうため、光線銃を持参した田口氏から射撃競技の解説が実施される場面も。
「エアライフル」という種目では、射手から10メートル離れたところに的が設置される。的の真ん中には直径わずか0.5ミリの点があり、田口氏の伏射競技の場合、50分間に60発撃つが、今の世界のレベルでは60発全て0.5ミリの点に当てないとベスト8に残れないという。
「よく皆さんに『0.5ミリの点なんて見えないよ』と言われるんですが、選手も見えていないです。銃には、覗く丸い輪が2つ付いていますが、スコープではなく裸眼で見ていて、照準を合わせるための十字の線も付いていない。的は4点のところまで黒く塗られているんですけど、離れると黒い点に見えます。2つの輪と黒い点の3つが綺麗な同心円になるように合わせて、真ん中の10点を狙うのが射撃競技の撃ち方です」と田口氏。技術はもちろん、精神力・集中力も大切な競技のようだ。
この日は、ピクトグラム発表を記念して製作されたパラリンピック競技かるたも公表された。
パラトライアスロンのかるたを読んだ谷氏は、「(競技の特徴が)子供でも絵でわかりやすいですね。日本語も覚えやすくて子供たちなら暗記しそう」と述べ、「パラトライアスロンでは、今年6月下旬から出場に向けた大会がスタートします。この緊張感のある舞台に戻って来られたことを嬉しく思います。まずは出場を目指して力を尽くしたい」と、意気込みを語っていた。
かるたは特設サイト『TOKYO 2020 for KIDS』にて公開し、自由にダウンロードして活用できるように検討しているという。