プレゼンの資料を作成していたら、課長から「進捗どう?」って聞かれたんだけど、どう? って何が?
というわけで、今回は「進捗」という言葉の意味と使い方について解説します。
進捗とは
進捗は、「しんちょく」と読みます。「捗」はあまり見慣れない漢字ですが、「捗る(はかどる)」という意味を持っており、「進む」+「捗る」から成る進捗の意味は、「物事が前に進むこと」「物事がはかどること」になります。
ビジネスでは、「仕事の進み具合」を確認する際に用いられる言葉として定着しており、「進捗どうですか?」「進捗状況を教えてください」などと問うのが一般的な使い方になります。
進捗の使い方と例文
ビジネスにおいて仕事の進み具合を確認し合うことは、仕事をスムーズかつ確実にこなすための重要なやりとりになります。では具体的にどのように使うのか、例文とともに見ていきましょう。
仕事の進み具合を尋ねる場合に、「例の件、どうなってる?」「明日の資料、できた?」という聞き方をする人もいますが、この場合、「今やっています」「まだできていません」などと返されてしまう可能性があります。
どこまで進んでいるのか、あとどれくらいかかるのかを知りたい場合には、「進捗」という言葉を使うのが適切です。
(例文)
・「プロジェクトの進捗を報告致します」
・「天候不良のため、工事の進捗が遅れています」
・「例の件、進捗どうですか?」
また、「進捗どうですか?」と質問された場合には、「7割近く終わっていますので、明日までには」「2日かかって○○までしか進んでいませんので、あと3日はかかると思います」などと、現状を具体的に報告するようにしましょう。
(例文)
・「進捗が遅いようだが、原因は?」
・「Bグループの進捗が遅いので、増員して進捗させます」
仕事が予定通りに進んでいないことを「進捗が遅い」、仕事を前に進めることを「進捗させる」という言い方をします。あわせて覚えておきましょう。
関連用語「進捗○○」の意味と例文
ビジネスでは、進捗に関連して「進捗○○」という用語がいくつかあります。それぞれの意味について、例文とともにご紹介しましょう。
「進捗状況」「進捗具合」
「進捗状況」「進捗具合」とは、いずれも仕事の進み具合を意味する言葉です。
(例文)
・「それぞれ現在の進捗状況を報告してください」
・「進捗状況を確認したいので、現場の写真を送ってもらえますか?」
・「思ったよりも進捗具合が悪いようだ」
「進捗率」
「進捗率」は、仕事が全体の何パーセントまで進んでいるのかを表す言葉で、「進捗率○○パーセント」という形で使用するのが一般的です。
(例文)
・「進捗率はどのくらいですか?」
・「現時点での進捗率は60パーセントです。このペースでいけば、今週中には完成すると思います」
「進捗報告」
「進捗報告」は、文字通り、進捗を報告することを意味します。ビジネスにおいて、仕事の進み具合を報告したり受けたりする事は、よくあることです。先にも述べましたが、進捗を報告する場合には、どこまで進んでいるのかが明確に伝わるようにしましょう。
(例文)
・「進捗報告がされていないようだが、どういうことだ?」
・「毎週木曜日の朝に、各自進捗報告をするように」
「進捗管理」
「進捗管理」とは、進捗状況を把握し管理することをいいます。プロジェクトや業務全体を管理する立場にある人が、チームメンバー個々の進捗状況を定期的に確認し、計画通りに進んでいるのか、進んでいない原因は何なのかを洗い出しながら、業務全体が計画通りに進むよう調整する重要な作業です。
(例文)
・「定期的にプロジェクトの進捗管理を行う」
・「まずは、進捗管理に必要な工程表を作成しましょう」
進捗の類語
進捗とは物事が前に進むことを意味する進捗ですが、他にも同じようなニュアンスの言葉があります。
マイルストーン
物事の進捗を管理するために途中で設ける節目のこと。ビジネスでは、長期的なプロジェクトなどにおける「中間目標」として用いられることが多いでしょう。
一里塚(いちりづか)
江戸時代に、街道の一里ごとに樹木を埋めることで距離を示す目印としていた塚のことで、転じて、ビジネスでは、大きな事業を達成してゆく過程における1つの段階、通過点を意味します。
進行
「進行」も、「物事が前へ進むこと」「物事がはかどること」という意味を持っています。非常に「進捗」に類似した言葉といえますが、あえて違いを述べるならば、「進捗」は基本的に物事が順調なことを前提に用いる言葉であるのに対し、「進行」は順調ではないことに対しても用いられ、「病気が進行する」などと使われます。
進捗状況を確認することは上司の大事な業務ですが、聞くタイミングには注意が必要です。進捗状況を聞かれると、多少なりともプレッシャーを感じるものです。特に、順調に進んでいない場合には、焦ることでしょう。
焦りやプレッシャーは思わぬミスを招きます。進捗を確認する場合には、前もって確認するタイミングを伝えておくようにすると良いでしょう。