第1期ヒューリック杯清麗戦予選4回戦の里見香奈女流四冠―甲斐智美女流五段戦が4月12日、関西将棋会館で行われ、甲斐女流五段が勝って予選戦績を4勝0敗としました。
難敵下し4戦無敗! 本戦へ向け視界良好
清麗戦は今年度から始まった新棋戦で、全女流棋士が参加し6勝通過2敗失格の予選を行い、4人の勝ち残り者により本戦を行います。今期は本戦決勝に勝ち上がった2人により五番勝負が行われ、勝者に「清麗」のタイトル称号が与えられます。
予選は基本的に同じ成績同士の女流棋士で組み合わせが決定され、この里見―甲斐戦は3勝0敗同士の戦いでした。里見女流四冠は敗れはしましたがまだ1敗、予選は2敗失格ですから、まだ通過の可能性を残しています。
甲斐女流五段は女流タイトル戦登場12回、通算獲得は女王1期、女流王位4期、倉敷藤花2期の計7期を誇る強豪女流棋士。里見女流四冠とのこれまでの対戦成績は7勝21敗と大きく負け越していますが、タイトル戦番勝負に関しては通算して2勝3敗と善戦しています。2015年度を最後にタイトル戦線から遠ざかっていますが、この清麗戦で難敵を下し、本戦出場、そして久しぶりのタイトル戦登場が見えてきました。
里見女流四冠がタイトル戦番勝負以外の女流公式戦で敗れたのは2018年2月、第11期マイナビ女子オープン本戦準決勝の対西山朋佳奨励会三段(※現・奨励会三段であり女王)戦以来約1年2カ月ぶり。はじめての清麗戦において、もうひとつも負けられない「後のない」状態となりました。
しかし、近年の戦績を考えればここで終わるとも思えません。清麗戦を含め7つある女流タイトルのうち、女流王座、女流名人、女流王将、倉敷藤花を保持する里見女流四冠。女王の称号を懸けて争う第12期マイナビ女子オープンは五番勝負が進行中、そして4月25日から始まる第30期女流王位戦でも渡部愛女流王位に挑戦することが決まっていて、史上初の女流六冠が現実味を帯びてきています。清麗戦予選も勝ち抜いて、六冠と言わずファンに七冠の夢を見せてくれるか。
予選、本戦は今年7月で終了し、8月にはタイトル戦として五番勝負が行われる予定です。初代「清麗」の称号を獲得するのは誰になるのでしょうか。