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【この記事のエキスパート】
酒匠(さかしょう):山口 奈緒子

酒匠(さかしょう):山口 奈緒子

23歳のとき、当時世界に250人ほどしかいない「酒匠(さかしょう)」というテイスティングの資格を取得。

日本酒専門webメディア立ち上げに参画した後、DeNAに入社。その後、創業メンバーとしてスタートアップにジョイン。

現在は、カナダにて酒造りとセールスを行っている。日本酒のプロとして、これまでの経験を生かして日本酒の魅力を世界に伝えている。


大吟醸とは米と米麹と水以外に「醸造アルコール」が使われている日本酒です。大吟醸は米の甘みを感じるよりはキリっとした味わいが美味しい日本酒です。今回は大吟醸を初めて選ぶ人にもわかりやすい選び方とおすすめ商品を紹介します。さらに通販サイトの大吟醸日本酒ランキングのリンクもあるので、売れ筋や口コミとあわせてチェックしてみてください。

純米大吟醸と違うの?
日本酒の大吟醸とは?

出典:Amazon

まずは、「日本酒大吟醸」の特徴を知っておきましょう。

「純米大吟醸」と「大吟醸」の違い

「純米大吟醸」と「大吟醸」には、醸造アルコールが加えられているかどうかという違いがあります。

【エキスパートのコメント】

ラベルに記載されている原料をチェック

日本酒の大吟醸には大きく分けて「純米大吟醸」と「大吟醸」の2種類があります。ふたつの違いは、ラベルの原料の部分を見ると一目瞭然。純米大吟醸が「米・米こうじ・水」の3つの原料に対して、大吟醸は「醸造アルコール」も記載されています。

日本酒は、製造過程で醸造アルコールと呼ばれる焼酎のような蒸留酒を添加することが許されています。製造過程で得られるアルコールしか入っていない場合「純米」となり、それ以外は「純米」を名乗れません。価値の高低を左右するものではありませんが、味わいを左右します。

一般的に、よりスッキリを飲みたい場合「大吟醸」を、しっかりを飲みたい場合は「純米大吟醸」を選ぶといいです。

精米歩合の低さも大吟醸の特徴

大吟醸酒は精米歩合が50%以下と定められています。

【エキスパートのコメント】

精米歩合が低いほど味わいがクリアに

純米か否かが一番味を左右しますが、それ以外にも味を左右するものがあります。たとえば、米の削り具合、日本酒の世界だと「精米歩合」と言われるものです。日本酒のラベルのどこかに「23%」や「50%」の表示を見たことはありませんか。これらが精米歩合を意味しています。

精米歩合は、玄米の状態から外側を削り、何%残ったかがわかる指標です。ふだん食べているご飯は、精米歩合約90%。玄米の状態から10%削った状態ということになります。

大吟醸と呼ばれる酒はすべて、精米歩合が50%以下です。50%から小さい数になればなるほど味わいは、よりスッキリとクリアになっていくと大まかに把握しておくといいです。精米歩合は記載が義務化されていないためラベルに表記されていないこともありますが、多くの場合は記載されているのでチェックしてみてください。

美味しい酒を選ぼう!
大吟醸の日本酒の選び方

酒匠の山口奈緒子さんに、日本酒大吟醸を選ぶときのポイントを教えてもらいました。おいしい酒・好みに合う日本酒大吟醸を選びたいという方はぜひ参考にしてください!

好みの味で選ぶ

日本酒大吟醸は、「甘口」と「辛口」を好みで選んでみましょう。

初心者でも飲みやすい「甘口」

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純米大吟醸は醸造アルコールを添加していないので、甘口を選べば米の甘みや旨みを感じることができます。甘さのある飲み口なので、初心者でも飲みやすいでしょう。なお、一般的に、日本酒度が「-」になっていると甘口と判断できます。

日本酒度はお酒に含まれる糖分の比重を数値化したものです。糖度が多いと比重が重くなるため、マイナスで表示されます。

スッキリとキレのある「辛口」

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辛口の日本酒大吟醸は、日本酒度の表示が「+5」よりも大きいかどうかで判断できます。なお、大吟醸酒は醸造アルコールを加えて作られるので、米の甘みや旨みは甘口のお酒ほど感じられず、辛口のお酒がメインになるという特徴があります。

同じ辛口でも味わいは異なるので、お気に入りのお酒が見つかったら銘柄名を控えるなどしておくといいでしょう。

原料に使われている米で選ぶ

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お酒の原料に使われるのは「酒米」という米ですが、なかでも日本酒造りを目的として作られたお米を「酒造好適米」と呼びます。

100種類以上の品種が生産されていますが、良質な麹を造る「山田錦」や、加工性能にすぐれた「五百万石」などがとくに知られています。

原料米によってお酒の味わいも変わるので、好みの味わいを見つけるのに役立ててみてください。

度数にもこだわってみる

出典:Amazon

日本酒は、アルコール度数15%前後のタイプが多いという特徴があります。ワインの度数は10度~15度、ビールは5度前後なので、お酒が弱い方は度数の低い日本酒大吟醸から選んでみてください。

お酒が強い方は、15度以上の日本酒大吟醸を探してみるといいでしょう。なお、日本酒の度数は最高で「22度未満」と決められています。

原酒が書かれているか確認

出典:Amazon

強いお酒を探している方は、ラベルに記載されている「原酒」の文字にも注目です。

【エキスパートのコメント】

ガツンとくる強さを求めている方におすすめ

日本酒はつくる過程で「水」を加えてアルコール度数を下げ、味を調整しています。それをしていないのが「原酒」です。そのお酒本来の味に近づき、はっきりとガツンとくるインパクトが感じられるのが特徴。ただ、アルコール度数が2〜3%くらい高いものが多いため、アルコールに弱い人や日本酒に飲み慣れていない人は注意が必要です。

ラベルから読み取れるそのほかの情報もチェック

出典:Amazon

ラベルからは、日本酒大吟醸のさまざまな情報が読み取れます。

【エキスパートのコメント】

ラベルでチェックしたいポイント

「こんな言葉がラベルにあったら要チェック」というものは、以下のとおりです。 ひとつの傾向としてとらえて日本酒選びの参考にしてみてください。

・生:フレッシュな味わいであることが多く、生原酒だとさらにガツンとくるインパクトがプラスされます。
・無濾過:ジューシーな米のうま味が残っていることが多く、無濾過生原酒だとさらにフレッシュな味わいとガツンとくるインパクトが加わります。
・鑑評会受賞酒:香り高いお酒であることが多いです。
・山廃/生酛(生もと):どっしりした味わいであることが多いです。
・古酒:熟成させたお酒なので、とてもどっしりしていて飲み慣れていないとびっくりしてしまうことも。

ほかにもありますが、まずは初心者の方はこれらだけでも指標として選ぶとよいでしょう。

日本酒専門家(酒匠)のアドバイス
大吟醸は入門編としておすすめ

【エキスパートのコメント】

大吟醸はそのほかの日本酒に比べると「華やかな香り」と「スムーズな口当たり」がポイントのお酒です。比較的日本酒を飲み慣れていない人におすすめできる入門酒でもあります。

一方で、日本酒のラベルにはたくさんの言葉が書いてあって、それぞれを理解することは難しいかもしれません。しかし、それらのすべてを理解しておく必要はありません。今回説明した内容を参考にぜひ大吟醸酒に挑戦してみましょう。

選び方のポイントはここまで! では実際にエキスパートが選んだ商品は……(続きはこちら)