JR北海道は9日に発表した長期経営ビジョン(2019~2031年度)の中で、東北・北海道新幹線東京~札幌間を最速4時間半にするとの目標を示した。「札幌~函館1時間圏」も創出し、道央・道南・東北の移動における「圧倒的な新幹線シェア」の確立をめざす。
東京~札幌間「最速4時間半」の実現には、青函トンネルなど貨物列車との共用走行区間での速度制限を解決する必要がある。JR北海道は長期経営ビジョンにて、これを「関係者との調整により(略)抜本的に解決」すると記述。さらに、360km/hをめざす新型車両を開発するJR東日本や鉄道・運輸機構と連携し、320km/hの実現に挑戦するとした。
その他、東京~札幌間「最速4時間半」実現に必要な課題として、「防音壁などの設置」「雪害対策の実施」の2点を挙げ、これらの解決にも取り組むとしている。
長期経営ビジョンと同時に発表した中期経営計画(2019~2023年度)では、経営基盤強化策の一環として、北海道新幹線の利用者拡大とコスト削減にも取り組む方針を明記した。JR東日本をはじめとするJR各社や旅行会社と連携して需要創出を図るほか、修学旅行での新幹線利用を増やすべく、引き続き学校などへのセールスに力を入れる。
コスト削減の具体策としては、共用走行区間へのロングレール運搬車の導入(2020年度)や検査業務の機械化をはじめ、効率化・省力化を実現する施策を打ち出した。現在は人力に頼る部分が大きい車両床下の着雪除去についても、省力化に向けた検討を進めるとしている。