新年度の挨拶で、「新たにコンシューマー向けビジネスをはじめます」と社長から発表があったけど、コンシューマーっていったい何のこと?

というわけで、今回のテーマは「コンシューマー」です。ビジネスにおける「コンシューマー」の意味や関連用語について解説します。

  • コンシューマーの意味を理解していますか?(写真:マイナビニュース)

    コンシューマーの意味を理解していますか?

コンシューマーの意味

コンシューマーは、「消費者」や「購入者」という意味の英単語【consumer】からきたカタカナ用語です。ビジネスでは、主に製品やサービスを最終的に利用する個人を指して、「一般消費者」「最終使用者」といった意味で用いられます。

ビジネスには、企業向けの製品やサービスを販売している企業もありますが、それと区別して用いられることが多く、一般消費者をターゲットとした製品のことを「コンシューマー製品」、個人や家庭向けの製品やサービスを扱う市場を「コンシューマー市場」などと呼びます。

また、元々の意味には購入者とありますが、コンシューマーは、あくまでも最終的に製品やサービスを利用する人を指すため、必ずしも購入者自身がコンシューマーであるとは限りません。

例えば、自分のかばんを買って帰る男性は、購入者でありコンシューマーでもありますが、ランドセルの場合、購入者は親ですが、コンシューマーは子どもですね。このようなケースにおいては、購入者である親はコンシューマーとはいえませんので注意しましょう。

コンシューマーとカスタマーの違い

ビジネスには、コンシューマーに類似した意味を持つ「カスタマー」という言葉もありますね。両者の違いは、どこにあるのでしょうか。

それぞれの日本語の意味を確認すると、コンシューマーは消費者、カスタマーは「顧客」です。顧客の意味を調べてみると、「ひいきにしてくれる客」「おとくい客」と記載されています。

つまり、消費者であるコンシューマーは、購入者か否かにかかわらず「製品やサービスを最終的に利用する個人」であるのに対し、顧客であるカスタマーは、利用するか否かにかかわらず「代金を払って、製品やサービスを購入した人や企業」を指すのが一般的です。

また、「代金を払って」というのもポイントで、コンシューマーは、無料の製品やサービスを利用した人も含んでいますが、カスタマーは、代金を支払っていることが前提です。

デパートのトイレは不特定多数の人が無料で利用しますが、トイレメーカーからすれば、その全利用者がコンシューマーであり、デパートがカスタマーになるでしょう。

ちなみに、「クライアント」もお客様を指す言葉ですが、特に、弁護やデザインの依頼など、何かしらの「依頼」をしてくるお客様を指します。

コンシューマーの関連用語

ここで、コンシューマーに関連したビジネス用語を簡単に紹介しましょう。

コンシューマー・ビジネス

一般消費者をターゲットとしているビジネスのこと。

コンシューマー・ゲーム

「家庭用ゲーム機」のこと。単に「コンシューマー」と表現されることもあります。

コンシューマー・エレクトロニクス

「家庭用電気機械器具」のこと。アメリカでは年に一度、世界最大規模の家電見本市「コンシューマー・エレクトロニクス・ショー」が開催され、世界中の企業が集まり、最新技術を用いた製品が発表される場となっています。

コンシューマー・インサイト

「消費者の本音」を意味する言葉。通常の市場分析では、消費者の表面的な行動や欲求を知るにとどまり、それでは多様化するニーズの中で売れる製品を開発するのは難しい時代となったことから、消費者自身も意識していない潜在的な欲求や思考(コンシューマー・インサイト)を知ることが重要視されるようになりました。

近年ではSNS上で知ることができるため、多くの企業が活用しています。


コンシューマーが何を意味する言葉なのか、今回はじめて知った人もいるのではないでしょうか。日本社会がグローバル化する中、今後も多くのカタカナ用語が登場するでしょう。

全てを覚える必要はないかもしれませんが、最低限、自身のビジネスに関連する用語は覚えておきたいものですね。