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【この記事のエキスパート】
日本ソムリエ協会認定ワインエキスパート:石関 華子

日本ソムリエ協会認定ワインエキスパート:石関 華子

埼玉県出身、高知県在住。一児の母。慶應義塾大学文学部仏文科卒。三越日本橋本店の洋酒担当を経てワインやビール、ウィスキーなどの洋酒全般の知識を培い、2016年、J.S.Aワインエキスパートの資格を取得。
現在はOffice Le Lionの代表として、高知県内のワイナリーのアドバイザーやワイン検定の講師を務める一方、ワインに関連する記事やコラム等の執筆も多数手がけています。2019年、日本ソムリエ協会高知支部副支部長に就任。


本記事ではイタリア産の美味しい白ワインのおすすめをご紹介。おいしくて安いデイリーワインから、最高峰級の白ワインまで多種多様です。産地によって味わいも異なるので、いろいろなワインを飲み比べるのもおすすめ!白ワインに合うイタリア料理も紹介しています。

美味しいイタリアワインを堪能しよう!
イタリア産白ワインの選び方

ワインエキスパートの石関華子さんへの取材をもとに、イタリア産白ワインを選ぶときのポイントをご紹介していきます。

産地から選ぶ

出典:Amazon

【エキスパートのコメント】

イタリアでは、国内の20の州すべてにおいてワインづくりが行なわれています。北はアルプス山脈の麓から、南は地中海に浮かぶシチリア島まで、多様な気候や土壌を活かしながら、産地ごとにさまざまな個性を持つ白ワインが生産されています。

このような産地ごとの個性(これをワイン用語で「テロワール」といいます)が楽しめるのも、イタリアのワインの大きな魅力のひとつです。そのため、ある程度ワインを飲み慣れている方は、ぜひ産地にも注目してみてください。

産地ごとの特色がつかめてきたら、いっそうワインが楽しくなりますよ!

アルプス山脈のふもと、ピエモンテ州

州都トリノのあるピエモンテ州は、イタリア半島から北ヨーロッパへ抜ける街道として発達しました。そのためピエモンテは文化的にもワインづくりにおいても、フランスの影響を受けています。

トスカーナと並んで、ピエモンテはプレミアムな価格帯の赤ワインの産地。コルテーゼからつくられたミネラル分たっぷりな「ガヴィ」や、非常に珍しい品種「エルバルーチェ」を使用した白ワインも逸品です。

ティレニア海に面したラツィオ州 

イタリア中部、ティレニア海に面した州都ローマのあるラツィオ州。東にはアペニン山脈が連なっており、ワインの産地として知られるトスカーナ州やカンパーニア州にはさまれています。

ラツィオ州の白ワインに使われるおもな栽培品種は、マルヴァジーア・デル・ラツィオやトレビアーノ・ジャッロなど。ローマの郷土料理「サルティンボッカ」とよく合います。

「ソアーヴェ」を生むヴェネト州

イタリア北東部、水の都で知られる州都ヴェネツィアのあるヴェネト州。温暖な気候に加え、肥沃な大地に恵まれており、ワインの生産量はイタリア内でもきわだっています。

白ワインの「ソアーヴェ」でおもに使用されているのは、ヴェネト州地域固有の白ブドウ品種であるガルガーネガです。辛口でさわやかな味わいをリーズナブルな価格で楽しめます。

エトナ火山の恵みを受けるシチリア州

イタリア南部、エトナ火山をシンボルとするシチリア島は、標高の高い地域で地ぶどう栽培が盛んです。豊富な魚介類と一緒に味わえる白ワインの生産量が多いことでも知られています。

シチリア島独自の地形から生まれる白ワインは、ほかにはないクオリティを味わいたい人にぴったりです。しかも価格は控えめなのがポイント。食前・食後酒のマルサラでも知られています。

白ワイン用のブドウ品種といえばトレッビアーノ

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【エキスパートのコメント】

ワインの香りや味わいは、原料となるブドウの品種にも大きく左右されます。

イタリアでもっとも栽培面積の広いブドウ品種はトレッビアーノという品種。軽くて飲みやすい白ワインを生み出す品種で、ワイン初心者にもおすすめです。

ほかにも数多くの品種のブドウが栽培されているので、普段からワインを飲み慣れている方は、お気に入りのブドウ品種のものを選んだり、あえて未開拓のものを試すなど、ブドウ品種から選ぶというのもよいでしょう。

合わせる料理から選ぶ

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【エキスパートのコメント】

ワインと食事の相性がよいことを、フランス語で「結婚」を意味する「マリアージュ」と呼ぶように、ワインは料理との相性も重視されるお酒です。

というのも、料理とワインの相性がよければ、お互いにその持ち味を引き立て合ってくれるので、どちらもよりいっそうおいしく味わえるからなのです。

ここで紹介するおすすめのワインには、それぞれの相性のよい料理も紹介しているので、ぜひ料理と合わせることもイメージしながら選んでくださいね。

ワイン法における格づけや表示から選ぶ

イタリアでは、ワイン法の規定により、ワインの品質に応じて格づけが定められています。この格づけも、ワイン選びをする際のひとつの目安になるでしょう。

【参考】イタリアワインの格づけ

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V.d.T.(Vino da Tavola)
テーブルワインを指し、等級としては一番下。

I.G.T.(Indicazione Geografica Tipica)
地理特性表示ワインのこと。生産地の名前を利用する際にその地域のブドウを少なくとも85%以上は使用することが義務づけられる。

D.O.C.(Denominazione di Origine Controllata)
統制原産地呼称ワイン。生産地、栽培方法、ブドウ品種、最大収穫量、最低アルコール度数、熟成方法などを、規定どおりに生産過程をふまなければならない。瓶詰めの前に、必要条件を満たしているかの審査、化学・物理検査が商工会議所によって行なわれる。

D.O.C.G.(Denominazione di Origine Controllata e Garantita)
保証付き統制原産地呼称ワイン。イタリアワインの格づけのなかでも最上位の等級。申請の前に少なくとも5年間、D.O.C.のカテゴリに属していなければならず、農林省、商工会議所の化学・物理検査を受け、ひとつひとつのボトルには政府が認可(ガランティータ)したことを証明するシールが貼られる。

ワインへ理解を深めたいなら作りてもチェック

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【エキスパートのコメント】

イタリアは世界でもっともワインの生産量が多い国で、全国でワインの生産が行なわれていることもあり、それだけ多くのワインのつくり手が存在します。

つくり手ごとにブドウの栽培方法や醸造方法などが異なるため、たとえ同じ地区の同じ品種のブドウからつくったワインであっても、つくり手が異なればそのワインの個性もがらりと変化するのです。

ある程度ワインに習熟されている方は、つくり手の歴史や取り組みなどにも目を向けながらワインを選ぶと、よりワインへの理解を深めることができるでしょう。

選び方のポイントはここまで! では実際にエキスパートが選んだ商品は……(続きはこちら)