財務省は9日、新しい日本銀行券および五百円硬貨の発行を発表した。新しい日本銀行券一万円、五千円、千円が、主に偽造防止を目的として、2024年度上期をめどに新しく発行される。
新一万円券は、表が渋沢栄一、裏が東京駅(丸の内駅舎)。新五千円券は表が津田梅子、裏がフジ(藤)。新千円券は表が北里柴三郎、裏が富嶽三十六景(神奈川沖浪裏)。新たな偽造防止対策として、高精細なすき入れ模様(透かし)を導入するほか、最新技術で作られるホログラムの採用などを予定。また、記番号を現行の9桁から10桁へ変更する。
五百円硬貨も2021年度上期をめどに改鋳する。五百円硬貨では、製造にバイカラー・クラッド(二色三層構造)技術を採用。また、縁の刻み(斜めギザ)の一部に、他のギザとは異なる形状にした「異形(いけい)斜めギザ」を導入したり、縁の内側に微細文字を加工するなどして、偽造防止を図る。
財務省や日本銀行では、現行の日本銀行券及び五百円硬貨は、新しいものが発行されたあとも引き続き使うことができると発表。「現行の日本銀行券が使えなくなる」などとうたう詐欺行為が発生する恐れがあるとして、注意を喚起している。新券切り替えに関する振り込め詐欺やフィッシングメール、スパムメールなどが出回る恐れがあるため、今後注意したいところだ。