4月12日からWOWOWプライムで新ドラマ『東京二十三区女』(毎週金曜 24:00~ 全6話※第1話は無料放送)がスタートする。小説家でもある長江俊和の原作『東京二十三区女』を長江自らが監督・脚本を務めてドラマ化した本作は、大都会・東京23区に伝承される恐ろしくも哀しい物語を、全6話で構成するWOWOW初のホラーミステリー。倉科カナ、安達祐実、桜庭ななみ、壇蜜、中山美穂、島崎遥香ら豪華女優陣が、「渋谷川の暗渠(あんきょ)」「夢の島」「東池袋中央公園」「お台場」「縁切榎」「鈴ヶ森刑場跡」にまつわる各物語の主人公を演じている。

全話に登場し、ドラマのナビゲーター的な役割として、東京に実在する恐怖スポットへと足を踏み入れていくフリーライターの原田璃々子に扮した島崎遥香と、彼女の先輩で元民俗学講師の島野仁を演じた岡山天音に、本作の見どころと気になる街などについて話を聞いた。

島崎遥香(右)と岡山天音
衣装協力(島崎遥香):CHERIE、MALAMUTE、kengo/ERNIE.、YELLO

――台本を読んでどのような感想を持たれましたか?

岡山:僕は元民俗学講師の役柄なんですが、単純に「何この役、面白い!」って感じましたね。これほど説明ゼリフが多いキャラクターも珍しいですし、僕ら世代にとってもなじみのある「渋谷」からこのドラマが始まるのもすごく面白いなぁと思いました。当たり前に過ごしている日常にも、こんなに知らない世界があるんだなぁって。

島崎:私は「暗渠」の存在をこのドラマで初めて知ったのですが、「ひょっとしたら、この街の下にも何かがあるかもしれない」って、思いを巡らせたりするようになりました。

――島崎さんは映画『翔んで埼玉』の大ヒットもあって、出身地である「埼玉」のイメージが強いですが、今回どのエリアが一番気になりました?

島崎:やっぱり「池袋」は気になりますね。埼玉県民は絶対に「池袋」に集まるから(笑)。

岡山:なるほど。僕も豊島区の江戸時代の話は、もっと知りたいと思いました。

――岡山さんは、中央線沿いの出身ですよね?

岡山:はい。となると、やっぱり僕は「新宿」ですかね。

島崎:あ~! 確かに新宿は面白そう! 特に歌舞伎町とか。

岡山:でも、このドラマを新宿で撮影するのは大変そう(笑)。絶対怖いですよー、歌舞伎町で撮影することを考えたら……。

島崎:私たちが「うわぁー」って歌舞伎町で思いっきり叫んだりとかしたら、そっちの方がよっぽど怖いかも(笑)。

――因縁がある場所で撮影しているからこそのリアリティも、このドラマならではの特長ですよね。今回のロケ地で特に撮影が大変だったのは?

岡山:それぞれ違った大変さがありましたね。江東区の「夢の島」でロケをした時は、僕らの真横をトラックがビュンビュン走っていて、風の音がすごすぎて録音が上手くいかなかったり、板橋では実際に「縁切り榎」に願掛けをしに来る人たちがたくさんいたりして。その都度撮影を中断して、参拝者が絵馬を掛けるのを待ってから再開したりもしたんです。

島崎:しかも「縁切り」のお参りをしていた方から、「握手してください」って声を掛けられて……。「(縁切りに来た方たちに)いったいどういう反応をすればいいんだろう?」って複雑な気持ちになりました(笑)。

――地方に行くことも多いと思いますが、その土地の雰囲気を何から一番感じ取りますか?

島崎:私はおそらく47都道府県すべて網羅したんじゃないかなっていうくらい、あちこちツアーで回ったんですが、ライブに来て下さるファンの方々の盛り上がり方にも「県民性の違い」のようなものがあって面白かったですね。東京と大阪では全く反応が違うんですよ!

岡山:僕はロケで地方に行くと、ホテルの周りを結構散策しますね。田舎だと夜は本当にあっというまに真っ暗になっちゃうから、あんまり一人で出歩けないんですけどね。

  • 上段左から、倉科カナ(1話)、安達祐実(2話)、桜庭ななみ(3話)、下段左から、壇蜜(4話)、中山美穂(5話)、島崎遥香(6話)

――お二人はNHKの連続テレビ小説『ひよっこ』などでも共演されていますが、今回改めて一緒にお仕事されてみていかがでした?

岡山:島崎さんはテンションが独特なので、話していて楽しかったですね。普段から割とフラットな感じだけど、「こんなに面白い方だったんだ!」って。

島崎:えー。そうなのかなぁー。

岡山:僕の知らないことを島崎さんはたくさん経験されているので。「“ぱるる”って誰がつけたの?」とか、アイドル時代の話もいろいろ教えてもらいました。

――島崎さんは?

島崎:いま隣で聞いていて思ったんですが、自分はまだ半分もさらけ出していないので。次回ポップな作品でご一緒する機会があれば、徐々に見せていけたらとは思いますね。

岡山:え!? 今回の現場では、まだ全然ってことですか?

島崎:うん、まだまだ。

岡山:50パーセントも行ってない?

島崎:うん。

岡山:うわぁ、それはスミマセンでした。すっかり島崎さんのことを知った気になっちゃって……。

島崎:いや、全然大丈夫です(笑)。

――『東京二十三区女』は、オムニバス形式のドラマではありますが、最後まで続けて見ないと気づけない面白さもありますよね。「なぜ璃々子は23区で起きた怪事件の謎を追い続けているのか」というのが、このドラマの重要な裏テーマになっていて。

島崎:私も最初は視聴者の方と同じ目線で台本を読んでいたので、物語の展開にすごく驚きました。演じる上でも、よくよく考えてみると実は難しいところがたくさんあって……。視線の動かし方には結構苦労しました。特に私が主演させていただいた第6話「品川区の女」は、物語的にも衝撃的な回だったりもするので、ぜひ全話見て欲しいですね。

岡山:ホラーミステリーと言っても、ただ単純に幽霊が出てきて怖いっていうだけじゃなくて、エッジの利いた新しいドラマになっていると思います。各話によっても作品のテイストがガラッと変わりますし、各話の出演者の方たちがそれぞれ切ない人間ドラマを演じていらっしゃるので、ぜひ最後まで楽しんでいただけたらうれしいです。