頭髪に悩みを抱えている20~30代の男性は意外と多い。読者の中にも、自分に合ったシャンプーを探し続けている人がいるのではないだろうか。そんな働き盛りのビジネスマンに向けてつくられた、とあるシャンプー製品が先月、海外で権威ある賞に輝いた。メンズスキンケア ブランド「BULK HOMME」が開催したグランプリ受賞記念パーティをのぞいてきた。

  • 働き盛りの男性必見!? コスモプロフグランプリのシャンプーとは

    海外のアワードでグランプリに輝いたBULK HOMMEの「THE SHAMPOO」

BULK HOMMEの「THE SHAMPOO」(200g、税抜3,000円)は、国内では昨年12月3日より販売されている製品。こちらのシャンプーが、イタリア・ボローニャで3月15日に開催された「コスモプロフ アワード2019」のHair Product部門で日本初となるグランプリに輝いた。

  • グランプリ受賞記念パーティにて

バルクオム代表取締役CEOの野口卓也氏は「2013年に会社を立ち上げてから今日に至るまで、画期的なシャンプー、トリートメントを開発して世界に売っていきたい、という思いで会社を続けてきた。グランプリ受賞の知らせを受けたときは感無量でした」と胸にこみ上げる思いを語る。

  • バルクオム 代表取締役CEOの野口卓也氏

同社はスキンケア、フェイスケアの分野でブランドを確立した後、ヘアケアの分野に進出した。その製品開発に貢献したのが、化粧品メーカーのサティス製薬。同社 代表取締役の山﨑智士氏は「受賞の知らせに、椅子から転げ落ちるほど驚きました」と明かす。

  • サティス製薬 代表取締役の山﨑智士氏

現地でトロフィーを受け取ったのは、バルクオム取締役COOの貫紘一朗氏。「表彰式には世界各国の出展者、バイヤー、ディストリビューターの姿があり、200名くらいの関係者で埋まっていました。立ち見が出るほどの熱気でした」と当日の模様を振り返る。

  • バルクオム取締役COOの貫紘一朗氏

コスモプロフは化粧品業界における世界3大アワードのひとつ。今年はグローバルの608ブランドがエントリーし、「革新性」「市場性」「ブランディング」「SNS上でのインパクト」「オンライン上での存在感」といった審査基準のもと、Hair Product、Make-up Product、Nail Product、Natural & Organic、Personal Care Productの5部門でグランプリが選出された。

  • THE SHAMPOOと、コスモプロフHair Product部門のグランプリトロフィー

製品のどのあたりが評価されたのだろうか。受賞理由は毎年、明らかにされないということだが、THE SHAMPOOの持つ「ジェルが一瞬で重く粘りのある泡になる」「毛穴に詰まった頑固な油汚れを浮かせて落とす」といった特徴が審査員たちにアピールしたものと思われる。

海外のアワードで受賞することの難しさについて山﨑氏が解説した。「日本人は黒くて強い髪の毛を持っていますよね。でも欧米人のブロンズヘアーは非常にデリケートなので、ヨーロッパ市場ではヘアケア製品の要求も高い。また日本国内では何処にいても質の良い軟水が出ますが、ヨーロッパの水質は不安定。そこでしっかり洗わなければならないため、必然的に欧米のヘアケア製品は開発が進みます。シャンプー分野において、日本の製品は劣っているのが現状です。だから今回、極東アジアの日本のブランドが賞を獲るのは極めて快挙と言えます」。

THE SHAMPOOでは特に泡にこだわった。「野口さんから、使ったときに驚きと感動を与えられる極上の泡をつくって欲しいと言われた。弾力であったり、キューティクルの上を滑るときの摩擦であったり。突き詰めていくと、それは人間が本能的に脳で感じる快楽、快感につながることでした」(山崎氏)。これに野口氏も「その方向性を決めるのに、3年くらいかかりましたよね」と苦笑いし、開発当時をともに振り返った。


山崎氏によれば、これまでのシャンプーは髪の毛の仕上がり(手触り)で評価されてきたので、毛穴のケアが疎かになっている製品が多いという。THE SHAMPOOは、そんな国内のマーケットに一石を投じる存在になりそうだ。

野口氏は「この製品をいかに世界中に届けていくか。これから海外の市場と戦っていきます」と気を引き締める。また、貫氏は「最近では男性の美容にも関心が集まっていますが、一過性のトレンドに過ぎないのでは、と言われることもあります。文化として根ざしていけるか。今後ともしっかりやっていきます」とまとめた。