LGエレクトロニクスのWindows 10搭載軽量ノートPC「LG Gram」シリーズに、モバイルの常識を覆す17インチの大画面モデル「LG Gram 17Z990-VA76J」(以下、LG Gram 17)が加わりました。今回、LG Gram 17を持って海外出張する機会があったので、レポートしたいと思います。
筆者が初めて17インチのLG Gram 17に出会ったのは、2019年1月にラスベガスで開催された「CES 2019」に出展したLGエレクトロニクスのブースでした。それはノートPCというにはあまりにも大きすぎて、まさにデスクトップPCのたたずまい。その大きなノートPCを見て思いました。「コイツを飛行機の機内に持ち込んで映画を観てみたい」と。
というのも、筆者は海外出張で飛行機に乗るときは、まあ大抵がエコノミー席です。機内エンターテインメントの画面が小さかったり、予算の関係で海外の航空会社を選ぶことが多いから観たい作品がなかったり……。そこでスマホやPCに、映画、海外ドラマ、アニメをダウンロードして機内に持ち込んでいます。画面がデカくて、しかもヘッドホンで11.1ch相当のバーチャルサラウンド再生が楽しめるDTS headphone:Xの技術に対応という、17インチのLG Gram 17がとても魅力的に感じられたのです。
今回、好運にもアメリカへ出張にでかけるタイミングに合わせて、17インチのLG Gram 17を借りることができました。自宅に届いた製品をまず試運転してみようと思い、箱を開けて取り出したところ、まずその軽さに驚きました。スペック値は約1,340g。片手でも軽々と持ち上げられます。小脇に抱えると、もはや17インチのノートPCを持っている感覚はほとんどありません。
LG Gram 17、まずはバッグに入れて持ち運べるか?
筆者がふだん仕事で持ち歩いているビジネスバッグは、中の一番幅広な仕切りポケットにぴったり収まりました。ただ、今回の出張には身軽に動けるデイパックを持参するつもりだったので、そちらの一番大きなノートPC専用ポケットに収納できるかハラハラしました。結果は見事にぴたりと入って一件落着。女性の方は、旅行のときには少し大きめのバッグを用意したほうがいいと思います。
さて、DTS headphone:Xは、一般的なステレオヘッドホンやイヤホンを、PCにケーブルでつないで楽しめる立体音響技術です。専用ヘッドホンがいらないので、大きな騒音に囲まれる機内の悪条件を考慮して、今回はボーズのアクティブノイズキャンセリングヘッドホン「QuietComfort 35」を選びました。専用ケースが比較的コンパクトで、航空機用の変換プラグも付属、空の旅にはもってこいのヘッドホンです。
空港の出国ゲートで手荷物チェックをするとき、バッグからLG Gram 17を取り出すと周囲の人にも注目されました。17インチのLG Gram 17は、2018年にLGエレクトロニクスが海外で発売した15.6インチのノートPCとほとんど変わらないボディサイズを実現しているので、大きさに驚かれたというわけではなく、軽々と持ち上げたりしていた筆者の姿が気になったのではないでしょうか。
飛行機が離陸して安定飛行に入ってから、まずはエコノミー席のサイズ感に17インチのLG Gram 17が収まってくれるのか……。写真をご覧ください。なんとかフィットしました。機内エンターテインメントの画面サイズに比べると、やはり圧倒的な迫力があります。参考までに、飛行機の機体はボーイング787-8ドリームライナーでした。
さっそく、オフライン視聴ができるようにダウンロードしておいたNetflixの海外ドラマ「パニッシャー/シーズン2」を、機内の食事を挟んで一気に3話ほど視聴しました。画面が大きくて見やすいので疲れません。
LG Gram 17は2,560×1,600ドット(WQXGA)の高精細なIPS液晶を搭載しているので、視野角が広いところも特徴です。大きいだけではなく、隅々まで映像のディティールを描く繊細さを兼ね備えています。画面と目の視聴距離はおよそ30~40cm前後でしたが、近すぎると感じることもなく最適な没入感が得られました。
DTS headphone:Xのサウンドを楽しむには、Windows 10「スタート」メニューから「DTS Audio」を起動します。DTS Audioの設定画面にある「コンテンツモード」では、エンターテインメント、ゲーム、スポーツのいずれかを選択します。映画やドラマ、音楽ライブなどを視聴するなら、やはり人の声にピタリとフォーカスが定めて立体的なサラウンドが楽しめる「エンターテインメント」が最適です。
その隣にある「ステレオ効果」はサラウンドの聴こえかたを調整するメニューで、アクション系の映画は「ワイド」を選んでもハマりましたが、ストーリー性の強いドラマは「通常」または「前面」のほうが馴染みました。
ボーズのQC35は、飛行機の低いエンジン音などのノイズをクリーンに消音してくれるノイズキャンセリングヘッドホン。コンテンツのボリュームを適度なレベルに上げるだけで、迫力のあるサウンドを楽しむことができます。飛行機での旅にLG Gram 17で動画や音楽を楽しむなら、やはりノイズキャンセリングヘッドホンとの組み合わせがぴったりです。
ヘッドホンで楽しめるサラウンド技術については、LG Gram 17はDolby Atmosにも対応しています。本機能は30日間無料トライアル付きの有償提供となりますが、NetflixなどのVODサービスに少しずつ増えているDolby Atmos対応コンテンツを視聴してみると、高さ方向にも広がりのあるリアルなサラウンド音声が楽しめます。取りあえず試す価値はあると思います。Windows 10の「スタート」メニューから「Dolby Access」を起動し、トライアル後の購入価格は1,650円です。
さて今回の試用、リアルなサラウンドと一緒に楽しめる大画面エンターテインメントがいつも側にあったので、体力的にもツライ海外出張の旅をとても楽しく過ごせました。
もちろん仕事にもLG Gram 17は大活躍。キーボードのピッチ、ストロークがともに筆者の好みにフィットしてくれたことが何よりありがたく、レポートの執筆作業がはかどりました。デスクトップPCなみに画面が広いので、テキストエディタで原稿を書きながら、撮影した写真やPDFの資料を開くスペースにも余裕があります。指紋認証による起動も非常に速く正確でした。
長旅では、ノートPCのバッテリーがどれぐらい持つのか気になるものです。LG Gram 17は一度のフル充電から約22時間(スペック値)も連続して使えるバッテリー性能を実現しています。
飛行機内でバッテリーが尽きてしまうことが不安であればACアダプターを一緒に持ち込むことをおすすめしますが、それなりにサイズがあるので預け荷物のスーツケースに入れてしまってもよいかもしれません。よほど長い空の旅でない限り、片道の間は十分に活躍してくれるスタミナのあるノートPCです。大迫力のパーソナルシアターを気軽に持ち運べるところも、ほかのノートPCにないLG Gram 17の魅力ではないでしょうか。