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【この記事のエキスパート】
文房具ユーザー:他故壁氏(たこかべうじ)

文房具ユーザー:他故壁氏(たこかべうじ)

文房具トークユニット「ブング・ジャム」のメンバー。
文房具ユーザーとして数多くの文房具に触れ、その便利さを世に伝えたいと切望する。
筆記具と紙、その周辺の文房具を中心としたパーソナル文具全般に興味がある。
コレクターではないので所有点数は多くないが、文房具は買ったら必ず試す。


好きな色合いが楽しめるのが、万年筆インクのいいところ。この記事ではプロに話しをうかがい、万年筆インクの選び方とユーザーイチオシの商品、編集部のおすすめ商品をボトルインク・カートリッジとタイプ別にご紹介。にじみにくモノから、色の変化を楽しめるものまで厳選しています。

カラーが豊富でいろんな表現を楽しめる
万年筆インクの魅力とは?

ボールペンとは違い、筆圧の強弱によって表現豊かな文字を楽しめる万年筆。インクを補充すれば長く愛用することができ、万年筆の虜になっている方も多いですよね。インクの種類も豊富で、メーカーによって色みも微妙に異なりさまざまな表現を楽しむことができます。

文房具ユーザーに聞いた!
万年筆インクの選び方

万年筆インクはメーカーや種類によって、色合いや書きごこちが異なるもの。選び方のポイントをおさえて、お気に入りの万年筆インクを見つけましょう。

【1】種類
【2】形状
【3】色
【4】速乾性
【5】使っている万年筆のメーカーと同じが吉!

これらを確認して、好みに合った万年筆インクを選びましょう!

【1】万年筆インクの種類で選ぶ

万年筆のインクは、大きく分けると「染料インク」「顔料インク」「没食子インク(古典インク)」と3つの種類があります。

それぞれ特徴や向いている使い方も異なるので、違いを比較して使用シーンに合うものを選びましょう。

日記や手紙、メモなどに便利な「染料インク」

出典:Amazon

染料インクは、各メーカーで用意されているもっとも一般的なインクです。水に溶けやすく、手軽に使えるものが多いのが特徴。インクが詰まってしまったときも取り除きやすく、メンテナンスが簡単です。

ただ、水に溶けやすいという性質上、書いたものがにじみやすいので耐水性では劣ります。長期間保存が必要な書類よりも、手紙やノートなどを書くのにおすすめです。

耐水性があり書類の長期保存に便利な「顔料インク」

出典:Amazon

顔料インクは、耐水性をうたったインクです。染料インクに比べ、カラーバリエーションは少なくなりますが、耐水性や耐光性が必要な場面に重宝します。書いた文字がにじまないので、長い間保存や記録が必要な書類などに使うのがおすすめ。

ただ、万年筆の内部でインクが乾燥した場合などは、個人でのメンテナンスがむずかしくなります。

色の変化を楽しめる「没食子(もっしょくし)インク」

出典:Amazon

没食子インク(古典インク)は、時間経過による色調変化を起こし、酸化によって耐水性や耐光性を発するインクです。色の変化を楽しみたい方におすすめ。

こちらも万年筆内で乾燥すると、個人でのメンテナンスは容易ではありません。

【2】ボトルかカートリッジか、インクの形状で選ぶ

万年筆インクには、ボトルタイプとカートリッジタイプがあり、それぞれ特徴や使い方が異なります。

カラーの種類が豊富な「ボトルタイプ」

出典:Amazon

ボトルタイプは瓶にインクが入っており、万年筆にコンバーターを装着してインクを吸い上げて使うものです。カートリッジタイプに比べるとカラーバリエーションが豊富なので、いろんなインクの色を使いたいという方はボトルタイプがおすすめ。

商品にもよりますが、調合可能なインクもあるので、自分好みの色を作ることができるのも特徴です。

簡単に使える「カートリッジタイプ」

出典:Amazon

カートリッジタイプは、各メーカー専用のインクカートリッジを万年筆に直接差し込んで使うものです。インクがなくなったら、カートリッジを交換することですぐに使うことができます。

ただ、メーカー専用カートリッジは瓶インクに比べ、カラーバリエーションが少ない場合があります。さらに互換性が低いので、基本的には万年筆と同じメーカーの商品を選ぶ必要があるのも注意が必要です。

【3】インクの色で選ぶ

万年筆インクは、定番の黒やブルーブラックはもちろん、赤やピンク、オレンジなどさまざまなカラーを揃えているメーカーもあります。使用シーンや好みに合うものを選びましょう。

ブラック:ビジネスや普段使いでも便利

出典:Amazon

汎用性が高いのは「黒インク」です。ふだん使いはもちろん、ビジネスシーンでも使いやすいので、ひとつ持っておくと重宝するでしょう。とくに、はじめて万年筆を使うという方は、黒インクを持っておくと便利です。

黒色のトーンはメーカーによって異なるので、好みに合わせて選ぶのがおすすめです。

ブルーブラック:やわらかな印象になる

出典:Amazon

黒インクに続いて定番カラーなのが「ブルーブラック」。黒色よりもやわらかな印象で、乾くとやや濃い紺色になるので、公的書類に使うこともできます。

「黒色だと堅苦しい印象になるな」という方は、ブルーブラックのカラーを試してみてください。

赤や青などのカラーインク:かわいいイラストを描くのにぴったり

出典:Amazon

黒や青のほかにも、赤やピンク、オレンジやグリーンなどかわいい色の万年筆インクを揃えているメーカーもあります。黒インクと同じく、メーカーによって微妙に色のトーンが異なるので、いろいろ試して好みの色を見つけるのも楽しいでしょう。

カラーインクは、カラフルなイラストを描くときや、日記をおしゃれに書きたいときなどにおすすめです。

カラーを多くそろえたいなら「小瓶」という選択肢も

出典:Amazon

メーカーによっては、同じカラーでも通常サイズの瓶以外に小瓶を用意している場合があります。いろいろなカラーを楽しみたいという方は、小瓶を選ぶのがおすすめ。

また、インクは購入してから使い切るまで時間が掛かると次第に蒸発し、濃くなっていきます。色に変化を持たせたくない場合や、ひと瓶使い切るのに数年掛かるなど万年筆の使用頻度が低い場合も、小瓶がおすすめです。

【4】インクの速乾性にも注目!

出典:Amazon

何枚もの書類に万年筆で記載する際や、細かなイラストを描くときなど、乾きが早いものだとにじむこともなく、書類や手にインクがついてしまうこともないですよね。ビジネスシーンやイラストなどを描くときに万年筆を使うなら、乾きやすいかどうかも確認しましょう。

実際に書いて試すのが1番よいですが、できない場合は使った方の口コミなどを参考にするのがおすすめです。

【5】使っている万年筆のメーカーと同じインクがベスト

万年筆インクは、万年筆と同じメーカーのものを使うことが推奨されています。ほかのメーカーのインクを入れることで、インクが出にくくなるなど破損してしまうことがあるためです。別のメーカーのインクを入れて破損した場合、保証を受けられないこともあるので注意が必要です。

ここでは、万年筆の人気メーカーで作られるインクの特徴をいくつか紹介します。

パイロット:製図用やミニサイズなど種類が豊富

出典:Amazon

国内の3大万年筆メーカーのひとつである「パイロット」。万年筆に限らず、手帳やペンなどさまざまな文房具を取り扱っています。

万年筆の商品数は豊富で、万年筆インクもブラックやブルーブラック、レッドなどはもちろん、製図用や証券用、ミニサイズの商品などラインナップが幅広いのも魅力です。

セーラー万年筆:独自開発の「超微粒子顔料」が魅力

出典:Amazon

日本で最も歴史のある万年筆メーカーである「セーラー万年筆」。パイロットと並び、国内3大万年筆メーカーとして知られ、王道と呼べるオーソドックスな万年筆から、斬新でユニークなものまで多くの商品を販売しています。

もちろん、万年筆インクの種類も豊富。なかでも独自開発された「超微粒子顔料」を使ったインクは、「顔料インク」と「染料インク」のよさをどちらも併せ持ち、万年筆ユーザーから人気を集めています。

プラチナ万年筆:伝統的な製法で作られるインクも

出典:Amazon

「プラチナ万年筆」も、国内3大万年筆メーカーとして知られています。手にしやすい価格のものから、高級万年筆まで幅広い商品を販売しているのが特徴です。

万年筆インクの種類も幅広く、とくに色が変化する「クラシックインク」が特徴的。伝統的な製法で作られ、耐水性や長期保存が可能なのが魅力です。

選び方のポイントはここまで! では実際にエキスパートが選んだ商品は……(続きはこちら)