とさでん交通は伊野線朝倉~朝倉駅前間において、3月25日に発生した単線区間進入手続きの失念による重大インシデントに対してお詫びするとともに、重大インシデントの概要について説明した。
同社の説明によれば、3月25日の11時47分頃、伊野線の朝倉~朝倉駅前間で、文珠通発伊野行の下り第333車両(1両編成ワンマン・乗客8名)が行き違いを行う朝倉停留場において、単線区間に進入する際に必要となる通票を対向車両から受け取ることを失念したまま車両を出発させたという。同車両の運転士は、前方の朝倉交差点に対向車である上り第332車両に気づき、停車した。
対向車両(乗客4名)も朝倉交差点に差しかかる手前から第333車両に気づいたが、安全確保のため、交差点内で停車することを回避。運行管理者の指示により、安全確保しながら対象車両に接近し、停車した。停車時の車両間距離は約37mだった。これによる負傷者はなかった。
その後は対象車両となる第333車両を所定手続きにて桟橋車庫に回送し、運転を再開。四国運輸局へ当該事案を直ちに報告した。国土交通省運輸安全委員会の調査官、四国運輸局の係官の派遣を受け、現地調査を実施した。
とさでん交通は2016年11月17日にも同様の重大インシデントを発生させており、今回の重大インシデント発生に対して謝罪するとともに、短期間に2度にわたり発生させたことについても謝罪している。また、前回策定した再発防止策が十分に機能せず、再発に至った今回の事案を重く受け止め、原因究明を徹底的に行うとともに、実効性のある再発防止策に全社を挙げて取り組み、乗客に安心して利用もらえるように全力で信頼回復に努めるとしている。
今後の対策については、監督官庁である国土交通省運輸安全委員会等関係機関の指示・指導にもとづき、詳細なとが決定し次第、改めて公表するとのこと。なお、毎年5月3日に開催している「電車の日のイベント」については、再発防止策に全力で取り組んでいるところから、今年は開催を取り止めることを決定した。