イベントプロデューサーとして活躍している小橋賢児が4日、都内で行われた「東京2020 NIPPON フェスティバル」組織委員会主催事業に関する記者会見に出席した。
世界の注目が日本・東京に集まる2020年4月から9月にかけて開催される東京2020大会の公式文化プログラム「東京2020 NIPPON フェスティバル」。この日の会見では、東京2020組織委員会主催の4事業が発表された。
小橋氏は、パラリンピック開幕直前期に実施される「共生社会の実現」をテーマにしたプログラムのクリエイティブディレクターに就任。同プログラムでは、障害のある人やLGBTを含めた多様な人々が参画し、街中でさまざまなアートやパフォーマンス活動などを開催し、個性を認め合う「ダイバーシティ&インクルージョン」の新しい文化創造事業を展開する。
会見では、「僕自身、日本に生まれ日本で育ったんですけど、27歳まで俳優をやっていて、俳優を休業してアメリカに行って世界中を回ったときに、多様な生き方や考え、いろんな文化に触れて、自分という枠を超えて世界の中から日本を見たときに、もっと世界は広いし、知れば知るほど自分の本当にアイデンティティを知るということを実体験で知りました」と自身の体験を紹介。
続けて、「日本に戻って来たときに、日本は良くも悪くも人を重んじて、人を気にするという同調圧力の中で生きてきた日本人の中で、多様性=ダイバーシティはなかな現実的に起きてないというのを目の当たりにした」と海外と日本の差に言及し、「オリンピックという、日本が世界とつながって、日本人も世界を意識し、世界が日本を見るという、このタイミングにダイバーシティに向けた肌感を作れるイベントの機会に恵まれたことは僕にとって意味があるのかなと思いました」と感慨深げに語った。
さらに、「僕自身、身内に障害を持っている人がいます。子供のときから芸能界もそうですけど、いろんな世界でいろんな人たちと出会って、何か息苦しさを感じていた」と打ち明け、「日本の和は調和の和だと思っている。本来日本は、いろんなものを取り入れられる調和の和の心を持っている民族だと思う」と熱弁。「このイベントを通じてさまざまな生き方の人と出会って、相手を知って自分を知る、そしてこの2020年をきっかけに 本当の意味でのダイバーシティ&インクルージョンという肌感が生まれるイベントにしたいと思います」と意気込みを語った。
そのほかの3事業は、2020年4月、オリンピック開幕直前期、2020年5月~7月にそれぞれ開催。2020年4月にはキックオフイベントとして、「大会に向けた祝祭感」をテーマに、歌舞伎俳優の市川海老蔵とオペラ歌手のプラシド・ドミンゴのコラボレーションステージを開催する。オリンピック開幕直前期は、「参加と交流」をテーマに、日本文化を通じてさまざまな人々が交流する場・イベントを創出。2020年5月~7月にかけては、「東北復興」をテーマに、東北各県や東北絆まつりと連携し、東北各地・東京を舞台とした文化プログラムを展開する。
会見には小橋のほか、東京2020組織委員会副事務総長の古宮正章氏、東京2020組織委員会文化・教育委員長の青柳正規氏、小橋と同じく「東京2020 NIPPON フェスティバル」組織委員会主催事業のクリエイティブディレクターに就任した箭内道彦氏、東京2020オリンピック・パラリンピックの大会エンブレムの制作者で「東京2020 NIPPON フェスティバル」のマークも手掛けた野老朝雄氏が登壇。そして、東京2020組織委員会文化・教育委員会委員であるSHELLYが司会を務めた。