最近のエアコンは多機能化し、さまざまな方面から「快適性」を追求しています。そんななか、東芝ライフスタイルは同社の人気エアコン「大清快」の新製品「F-DX」シリーズを発表しました。F-DXシリーズでこだわったのは、風が直接身体に当たっても負担にならない「無風感」です。
風同士をぶつけて「疲れない風」を作り出す
この数年、日本の夏は「猛暑」を越えるような暑さになることも多く、熱中症で亡くなる事故も毎年発生しています。夏は一日中エアコンをつけっぱなしの家庭も多いことでしょう。エアコンの運転時間が伸びると、気になるのは「風」。冷房の風は体の一部を冷やしてしまうこともあり、冷房により体調を崩す、手足がむくむ、冷えすぎるなどの問題が出てきます。
昔のエアコンは、室内の温度が設定温度に達すると自動で停止するものが多くありました。ですが、夏は温度が適正でも蒸し暑く感じることがあります。壁からの輻射熱(ふくしゃねつ)などによる影響のためで、室温が低くても風を送り続けたほうがよいシチュエーションがあるのです。
このため最近のエアコンは、「設定温度まで室温が下がったら弱(送風)運転」「人がいる場所を見分けて、人に風を当てないように送風する」などの機能を搭載しています。ところがこれらの機能でも、「弱運転、送風運転でも、風がずっと身体に当たると不快」「風が当たらないと暑く感じる」という弱点がありました。
東芝の新製品F-DXシリーズは、直接風が当たっても不快になりにくい「無風感冷房」機能を用意しました。冷房を設定すると、強めの冷房風で一気に部屋を涼しくし、快適な温度になったタイミングで「無風感冷房」状態に切り替えます。
無風感冷房時は、上下に分かれた風の吹き出し口の上部を「風カットルーバー」が塞ぐように遮断します。風カットルーバーには細かな無数の穴が空いているため、吹き出し口上部の気流は、細かなジェット気流がたくさん発生したような状態になります。無数のジェット気流と、吹き出し口下部の通常冷風がぶつかることで、不快に感じにくいやさしい風が生まれるといいます。
ちなみに無風感冷房時は、風速が0.2m/秒ほど(エアコンから2.5m離れ、床上から60cm付近の場合)。ほとんど肌に風を感じず、蒸し暑く感じない絶妙な風速だそうです。実際にエアコンから2.5m離れ、床上から60cm付近だというソファで風を受けてみました。かすかな風が肌表面をなでるものの、肌に風の「圧」を感じさせないふわっとした風でした。これなら冷えすぎることはなさそうです。
エアコンのトレンド「無線LAN機能」も
F-DXシリーズでこのほか大きな新機能が、無線LANの標準内蔵です。最近は多くのメーカーがエアコンの高機能モデルに無線LANを搭載していますが、F-DXシリーズも標準で無線LANに対応。リモコンがなくても、スマートフォンからエアコン操作が可能です。外出先からもエアコン操作できるので、「家に帰宅したタイミングで部屋が適正温度になっている」という使い方もアリ。スマートフォンアプリでは、リモコンに表示されない室内の湿度など、細かい情報もチェックできます。
東芝ならではの機能も健在
東芝のエアコン「大清快」といえば、「プラズマ空清」「楽ダストボックス」などの独自機能も人気。とくに、「プラズマ空清」による空気清浄能力の高さには定評があります。
今回のF-DXシリーズでも、これらの機能は健在です。プラズマ空清は、空気中の汚れを帯電させ、汚れを熱交換器に付着させる方法(電気集じん方式)で空気の汚れを取り除きます。PM2.5を99%除去するほか、一般的な空気清浄機では難しいPM0.1レベルの超微粒子にも対応します。
細かな汚れを清浄化できるほか、メンテナンス性のよさもプラズマ空清の魅力。熱交換器に付着した汚れは、冷房や除湿運転で発生する結露水に交じって屋外に自動排出されます。フィルターについたホコリは、ブラシとブレードで取り除き、ダストボックスに集めます。フィルター式の空気清浄機と違ってフィルターの掃除や交換が不要で、長時間使っても性能が低下しにくいのも嬉しいポイントです。