読売テレビ・日本テレビ系にて、2019年4月6日(土)夕方5時30分から放送開始となるTVアニメ『MIX (ミックス)』に、芸人・いとうあさこが何らかのキャラクターで毎話登場することが決定した。アニメ映画のアフレコ経験はあるが、TVアニメにレギュラー出演するのは今回が初めてとなる。

いとうがブレークしたきっかけは『タッチ』のヒロイン・浅倉南のネタ。そんな縁もあって、いとうは『タッチ』の世界とリンクした『MIX』に登場する形でバックアップすることになった。主人公の横を自転車で横切る女子高生、たい焼き屋のおばちゃん(?)、主人公に恋する乙女(?)など、いとうは様々なキャラクターになって毎回ほんの一瞬だけ作品に登場。「♯いとうあさこを探せ!」という視聴者が楽しめる企画も実施される。

4月1日、都内スタジオで行われたアフレコ収録において、いとうは「よろしくお願いします」とスタッフに笑顔であいさつをしてスタジオ入り。監督たちと簡単な打ち合わせをした後、体を伸ばしたり屈伸したりと柔軟体操をして体をリラックスさせてからアフレコ収録に臨んだ。アニメ映画のアフレコ経験があるいとうは終始リラックスモード。何テイクか録音した時はセリフをアドリブで少し変えたり、大きな声を出すシーンでは体を大きく動かしたりと見事な演技を披露した。スタッフはコツをすぐに掴んだいとうを絶賛。スタッフがいとうの派手な芝居に大爆笑する一幕もあり、録音は和やかムードのまま順調に終了した。アフレコ後はいとうがあだち充作品に出演した喜び、アフレコの感想などを語った。

●いとうあさこのコメント

――あだち充作品に思い入れはありますか?

メチャメチャありますね。やっぱり『タッチ』は“うっかり同居”って設定がすごく好きで…。一緒に住んではいないですけど、真ん中に部屋がある…。若い男女がそこでキャッキャして、いつの間にか恋をしているという設定が好きなんです。

――出演することが決まっていかがでしたか?

未だに信じられません。『MIX』の連載が始まった時、マンガの中にファンレターみたいなのが出てきたんですよ。その名前があさこって書いてあったんです。勝手に思っている事ですよ、私の事だって(笑)。でも、『MIX』が始まる時、あだち先生がメッセージを寄せられていて、その時に私の名前とザ・たっちの名前を出して下さっていて、じゃあ怒ってはないのかなって…(笑)。浅倉南ちゃんのネタをやっていた時、あだち先生と接触することはもちろんないですけど、お断りを入れたわけでもなく、日本中の南ちゃんファンから苦情が来ました(笑)。あと新体操を目指す小学生から「やめてくれ、リボンを回すと笑われる」って…。小学生にはお返事を書いて「大丈夫だよ、こんなのは一時のものだから。自分を信じてリボンを振り回していたら開花するからやめないでね。私もやめないけどね(笑)」って手紙を送りました。それくらい南ちゃんの反響は大きかったですね。このネタはやる勇気ですよね(笑)。世に出ると思っていなかったです。毎月作るネタの1つだったので、実際あのネタはネタ見せで落ちていたんです。全然受からなくて…。「イライラするって言葉はな…」って言われていたんですけど、ある日、イベントでやったらバカ受けしてディレクターさんが「ごめん、ウケるんだね。テレビ出るか?」って…。それから出だした頃に日髙のり子さんとお仕事して「南、イライラする」って言って頂けたんですよ。すごくないですか?でも「浅倉南40歳だけは言えない」って(笑)。やっぱり南ちゃんという素敵な偶像があるから。「でも、南ちゃんだってイライラするさ」ってことで言って頂けて…。もう、一生忘れられないです。

――アフレコを終えていかがですか?

自由にやらせて頂いたのでありがたいです。みなさん、やさしくニコニコしてくださって…。でも、アフレコが全部終わってから赤いランプの2度目がストップだということを知りました(笑)。ピカピカするから「もっと笑え、もっと笑え」って言っていると思ってずっと「あはは、あはは」って笑っていました。私の体感だと2分は笑っていました(笑)。そもそも後ろを通りすぎるって聞いただけで、狂喜乱舞ってこのことだってくらい喜んだのに。言っちゃっていいかな?キャラクターたちと共演ですよね?そこにまさか声も入れて頂けるとは知らなかったので…。あの頃の自分に教えてあげたいって言いますけど、まさにそれですよね。「あんた、あだち先生の作品に出るよ」って…。あの当時は明青学園の30年後のマンガが出るとも思っていないから、それも含めて伝えたいですね。

――原作の漫画はお読みになっていますか?作品の魅力はどこにあると思いますか?

読みました。『タッチ』の頃からさらにあだち先生の遊び心が強くなっている気がしました。楽しそうですよね。読んでいる方も楽しいし、あだち先生のマンガの好きなところは時間の流れがゆっくり見えるところ。1つのことをたっぷり見せてくれるじゃないですか?不思議なんですよ、ゆっくりなんだけど時が流れていて、静かなエネルギー、静かなスピード感かな。ページをめくっているとワクワクします。いわゆるコメディーの「……」のコマが世界一うまい先生じゃないかなと思います。それがタッチでも楽しかったのにMIXではより強くなっているから。それがアニメになるとどうなっているんだろうってすごく楽しみですね。

――ご自身のキャラクターはいかがですか?似ていますか?

笑っちゃった。これ、見つけたら相当嬉しいぞ。ウォーリーより難しいかもしれないですよね。サッて行くから。すごくニヤニヤした。確かに制服着ている割にはほうれい線あるよねって(笑)。私の顔って平らなので、上野で40年絵描きをやっていた人から「お金返すから帰ってくれ、描けない」って言われました(笑)。「いいから描いてくれ」って言って描いたら化け物みたいな絵ができあがりました(笑)。それくらい描きにくいので、よく描いて下さいました。ニヤニヤします。もっとほうれい線強くてもいいですよね。違和感で見つけてもらわないと(笑)。

――最後に放送を楽しみにしているファンにメッセージをお願いします

お話がそもそも楽しいので、懐かしき人たちも大人になって出てくるし、あの学校が30年経ってこんなに変わっていたんだというもの楽しめますし、若い方は若い方で青春真っ只中のお話ですから。ずるいですよね、殿方が2人出るって。どっちもタイプの違うイケメンだとずるいよ。タッチのたっちゃん、かっちゃんだって、どっちを選んだってどうなるわけでもないのに皆でどっち派って話し合いましたもんね(笑)。それに付随してあさこを探せも楽しんで下さい。

TVアニメ『MIX『』は、読売テレビ・日本テレビ系にて2019年4月6日(土)夕方5時30分から放送開始予定。各詳細はアニメ公式サイトにて。

(C)あだち充・小学館/読売テレビ・ShoPro