ASUS Japanは、3月29日にゲーミングノートPC「ROG」シリーズとモバイルノートPC「ZENBOOK」シリーズの新製品を発表しました。同じ日に赤坂にある同社サポート拠点兼直販リアル店舗「ASUS AKASAKA」にて新製品説明会を開きました。

午前と午後の2部構成で実施したこの説明会では、午前の部でゲーミングノートPCに実装した技術を、午後の部ではZENBOOKとVivoBookの新モデルの概要と、デザインコンセプトをそれぞれ解説しました。この記事では、ZENBOOK新モデルを中心にレポートします。

ASUS JAPANが発表したノートPCの新製品は「ZenBook 13 UX333FA」「ZenBook 14 433FN」「ZenBook S13 UX392FN」「VivoBook 15 X512FA」の4モデルです。それぞれのスペックや価格については、別記事を参照していただくこととして、ここでは、ASUS Japanシステム事業部プロダクトマネージャーの杉田雄士氏が解説した新製品の特徴を紹介します。

  • ASUS Japanシステム事業部プロダクトマネージャーの杉田雄士氏

モバイルPCでもテンキーありのZenBook 13 / ZenBook 14

杉田氏がZenBook 13 UX333FAの特徴として冒頭に取り上げたのが「NumberPad」です。NumberPadは必要に応じて、タッチバッドにテンキーを表示して利用できる機能です。

  • ZenBook 13 UX333FA

通常はテンキーを表示させずに、普通のタッチバッドとして機能しますが、タッチバッド右上隅に設けたボタンをちょっと長押しするとテンキーが表示され、数字が入力できます。

  • テンキーを有効にした状態のNumberPad

テンキーを表示した状態でも、指の動きや触れている状況からユーザーの使用状況をシステム側で判断し、テンキーとしての入力とタッチバットとして使用しているのかを認識して誤動作を防ぐようにしていると説明します。

NumberPadのモジュールは5層構造で、下から「数字刻印ブラックレイヤー」「半透明グレーインクレイヤー」「銀粒子レイヤー」「イングスイッチレイヤー」「ガラストップレイヤー」で構成しています。銀粒子レイヤーはテンキー表示を有効にしていないときに、下層にある数字刻印などを隠す役割をはたします。

  • 5層構造でテンキーを使わないときに、印字が目立ちにくい設計

また、ユーザーの指に触れるガラストップレイヤーは、表面に微細な凹凸を設けることで表面をなぞる指の動きをスムーズにし、操作を快適にするといいます。

なお、杉田氏はタッチパッドにテンキー表示機能を組み込んだ理由として、モバイル利用重視のノートPCの多くはテンキーを搭載しておらず、数字入力の効率を高めるためにテンキーの実装を望むユーザーが多いと考えたからと述べました。

  • NumberPadの目的はモバイルノートPCにおける生産性の向上

ディスプレイは、上辺8㎜/下辺6㎜、左右それぞれ4.5㎜という狭額ベゼルの採用で画面占有率が89%に達し、これに伴って従来モデルであるZenBook UX330と比べて、フットプリントは約21%小型化。重量も約1.16kgと軽量です。バッテリー駆動時間は、約14.5時間におよびモバイルノートPCに求められる要素を満たしています。

  • ベゼル幅は8mm、6mm、4.5mm

  • フットプリントも2016年登場モデルと比べて約21%小型化した

Webカメラでは4枚のレンズを組み込んでよりシャープでノイズの少ない映像を実現したことも訴求しました。このほか、従来のZenBookでも採用してきたエルゴリフトも継承しています。快適なタイピングができるようにボディに角度を設け、冷却用の外気を効率よく本体内部に供給できます。

  • 4枚のレンズを組み合わせたWebカメラ

  • ディスプレイは最大で145度開く。エルゴリフトヒンジによってボディが3度浮き上がってタイピングがしやすいという

  • 14型のZenBook 14 433FN

  • 右側面

  • 左側面

画面占有率95%! 没入感がスゴイZenBook S13

ZenBook S13 UX392FNは、製品名に「13」とありますが搭載するディスプレイのサイズは13.9型と大型化(解像度は1920×1080ドット)しています。つまり13型サイズの筐体に13.9型ディスプレイを搭載したというわけですが、これを可能としたのが、左右3.5㎜の超極狭額ベゼルです。これによって画面占有率は従来モデルの78%から95%まで大幅に向上しています。

  • ZenBook S13 UX392FNのボディは、ずいぶんと横長のイメージ

また、フットプリントも従来モデルのZenBook 3 DeluxeのW329×D214mmと比べて、ZenBook S13 UX392FNはW316×D195㎜と約12.5㎜小型化しています。

  • ZenBook S13 UX392FNの右側面

  • そして左側面

  • ベゼル幅が4mm、1mm、3.5mmと細くなり、画面占有率は実に95%に達した

  • フットプリントも従来モデルと比べて約12.5%小型化している

加えて杉田氏は、ボディパネルを高精度のCNCフライス加工とすることで堅牢性を持たせたと述べ、米国防省調達基準のMIL STD 810Gで定める高度テスト、落下テスト、湿度テスト、衝撃テスト、振動テストを実施し、衝撃テストでは高さ100mm、落下面木製、前面、背面、右面、左面方向からの落下衝撃に耐えたことを紹介しました。

  • ボディパネルはCNCフライス加工を導入して高精度で堅牢なボディを実現した

  • ASUSが実施したMIL STD 810G準拠のテスト項目

鮮やかなボディカラーのVivoBook 15

VivoBook 15では、鮮やかなボディカラーを訴求しています。カラーバリエーションでは「トランスペアレントシルバー」「ピーコックブルー」「コーラルクラッシュ」をそろえましたが、ピーコックブルーでは見る角度によって色が紫に変わって、天板が青と紫が入り混じった深い色合いになります。

  • VivoBook 15はカラフルで鮮やかなボディカラーを訴求

  • ピーコックブルーでは見る角度によって紫に見える部分もある

  • 会場に展示していたピーコックブルーの実機

VivoBook 15では、フットプリントで従来モデルから約13.7%小型になったことやエルゴリフトヒンジの採用による快適なキータイプの実現しています。さらに、第8世代CoreプロセッサにPCI Express接続SSD搭載による処理能力の高さ、そして、USB 3.1 Type-CにUSB 3.0 Type A、HDMIと多様な規格のインタフェースを搭載した点などもアピールします。

説明会には、ASUSTeK Computer Inc. Strategic Design ManagerのDenny Tsai氏からも、ZenBookのデザインコンセプトとその作業内容について説明がありました。

  • ASUSTek Computer Strategic Design ManagerのDenny Tsai氏

Tsai氏はASUSのデザインコンセプトにある「4D」(Discover、Define、Develop)に触れ、ZenBookのデザイン開発の過程で制作したアイデアスケッチなど示しながら、「朝もやの中に地平線に浮かび上がる太陽のような」というZenBook新モデルのデザインコンセプトを解説。

  • ZenBookのデザインスケッチ

デザインに配慮しつつ、高精度かつ堅牢性を維持するボディパネルの加工作業は73工程にも及び、作業時間として8.45時間かかるといいます。

  • ボディパネルの加工は73工程、作業時間8.45時間に及ぶ

  • 展示していた加工工程にあるボディパネル

  • 天板の表面はスピンドル加工でパームレストの表面はパラレルパターンのヘアライン加工

最後にASUS JAPAN執行役員事業部長の溝上武朗氏が、新製品の価格設定や予約開始時期の説明、発売に合わせたキャンペーンや、ASUS Storeでの施策について説明しました。