2019年3月31日より映像配信サービス「ビデオパス」にて第1話を配信する『仮面ライダージオウ スピンオフ RIDER TIME 仮面ライダー龍騎』は、現在テレビ朝日系で放送中の特撮テレビドラマ『仮面ライダージオウ』のスピンオフ作品(全3話)である。2002年に放送された『仮面ライダー龍騎』のメインキャストが再結集して、新たなるストーリーが語られることが明らかとされており、多くの仮面ライダーファンから熱い視線がそそがれている。

高野八誠(たかの・はっせい)。1978年生まれ、千葉県出身。1989年に子役として芸能界デビュー。1999年『ウルトラマンガイア』でウルトラマンアグル/藤宮博也を演じて子どもたちのみならず、幅広い年齢層から高い支持を集める。2002年『仮面ライダー龍騎』で仮面ライダーライア/手塚海之を演じた後、映画『新 影の軍団』シリーズ(2003~2005年)や『仮面ライダーTHE FIRST』(2005年/一文字隼人役)をはじめ、多くの映画作品、テレビドラマに出演する。2017年には特撮ヒーロー作品『HE-LOW』の監督を務めている。撮影:大塚素久(SYASYA)

かつてのテレビシリーズと同じく、今回のスピンオフドラマも"戦わなければ生き残れない"を合言葉に、複数の仮面ライダーが互いの技を駆使して激しい争いを繰り広げ、たった1人だけ勝ち残った者が"願い"を叶えることができるという設定を用いている。井上敏樹氏による今回のシナリオはさらに、放送当時から17年もの歳月が過ぎ、それぞれ人生を重ねたキャラクターたちの人間的"深み"をも考慮し、仮面ライダー同士の複雑な人間模様により刺激的な雰囲気を盛り込んでいるという。

マイナビニュースでは、『RIDER TIME 仮面ライダー龍騎』に登場する、『仮面ライダー龍騎』オリジナルキャストそれぞれに単独インタビューを敢行し、17年ぶりに映像作品として"復活"を遂げた『龍騎』ワールドにふたたび出演するにあたっての心境や、新作にかける意気込みを訊いた。

今回は、自分の"願い"を叶えるために戦おうとする意志の強い仮面ライダーたちの中では珍しく、仮面ライダー龍騎/城戸真司(演:須賀貴匡)と同じく"戦いを止める"ために奔走していた"絶対に当たる占い師"の手塚海之役・高野八誠にご登場いただき、今回のスピンオフドラマにおける手塚の"変化"、そのキャラクターを演じるにあたっての心がまえ、そして『仮面ライダー龍騎』という作品が持つ大きな魅力について話してもらった。

――高野さんが今回のスピンオフドラマ『RIDER TIME 仮面ライダー龍騎』出演のお話を受けたとき、率直にどんな思いを抱きましたか?

それはもう、また『龍騎』がやれることになってうれしいという気持ちしかないですね。今から2年くらい前、須賀(貴匡)くんや弓削(智久/由良吾郎役)くんたちと集まって「『龍騎』も15周年だし、記念にまた俺たちが出演する新作を作ってほしいよね」なんて話をしていたんですよ。ですが、今は白倉(伸一郎/プロデューサー)さんや武部(直美/プロデューサー)さんも『仮面ライダージオウ』で忙しいから、難しいだろうなあなんて。でもこうやって実現してくれて、驚くと同時に「やれるようになって、よかったね」とみんなで喜びました。

――テレビシリーズの仮面ライダーライア/手塚海之という人物は、他の仮面ライダーが互いに潰し合う"戦い"を積極的に行っているのに対し、戦いを止めるために努力していた異色のライダーでしたね。未来を見通す"占い師"というミステリアスさもあって、高い人気を誇っていました。

そうですね。互いに争いあっている仮面ライダーたちの中では正統派で、仮面ライダーナイト/秋山蓮(演:松田悟志)とは異なる形で真司に寄り添っている。立ち位置が特殊なので、みなさんの印象に残る役になったのかもしれません。

――今回井上敏樹さんの書かれた脚本を、最初に読まれたときの感想をお尋ねしてもいいでしょうか。

途中、すごいシーンがありましたよね。ダイレクトな描写はありませんでしたが、途中途中、何かがあっただろうな、と思わせる様子が描かれています。以前、井上さんが書かれていた小説版の『仮面ライダー龍騎』(講談社)を読んでいましたので、井上さんならああいう方向性で攻めてくるんだろうな、となんとなく思っていたんです。しかし、まさか自分が演じるキャラクターで、しかもあんな方向から来るとは思ってもみなかったですね。

――昔と今とでは、手塚の性格設定などに変化があったりしますか?

占い師であることを除いては、以前とはかなり違うキャラクターになっているんじゃないかと思います。ミラーワールドに集められたキャラクターたちは、過去にお互いが戦っていたことも記憶していない、誰も昔のことを知らない設定でしたので、最初はどこに時間軸を置いていいものか、考えるのが大変でした。何も知らない状態で「戦え」と言われても、仮面ライダーに変身できる力を覚えているのかどうか。そうしたことも、わずか3話のストーリーに凝縮しなければならないというのもありましたから。

――やはり17年前に演じた役では、ふたたび役をつかむのに時間がかかるというものでしょうか。

撮影期間によっては感覚をつかむ前に撮影が終わってしまいかねませんから、ちゃんと考えながら演じないといけないなと思いました。そもそも手塚とはどういう人物設定だったのか、などキャラクターの特性を思い出すまでにけっこう時間がかかりました。ただし、全体の性格としては以前の手塚とかなり違いましたので、『龍騎』テレビシリーズの手塚をなぞらなくていいという意味では、演じやすかったですよ。