インドのホスピタリティ会社OYO(オヨ)とヤフーの合弁会社として、賃貸住宅事業を展開するOYO TECHNOLOGY&HOSPITALITY JAPANは3月28日、スマホひとつで物件探しから入居ができるサービス「OYO LIFE(オヨ ライフ)」を開始した。

  • ヤフー代表取締役社長CEOの川邊健太郎氏(左)とOYO CEOのリテシュ・アガルワル氏

"旅するように暮らす"「OYO LIFE」

スマホひとつで物件探し、契約や支払いのインフラ整備まで一気通貫のサービスを提供。自分のライフスタイルに合ったエリアで「旅するように暮らす」を手軽に楽しめるという。

  • スマホひとつで賃貸物件の物件探し、契約から支払いまでできる「OYO LIFE」

OYO TECHNOLOGY&HOSPITALITY JAPAN CEOの勝瀬博則氏は、「みなさまに新しい人生を提供することができるサービス」と紹介。「現在の賃貸住宅の仕組みは、手間のかかる入居手続き、高い初期費用と不明瞭な賃料体系が『自由に引っ越して住みたいところに住む』という気持ちを阻害しています。それを解決します」と話した。

  • 「OYO LIFE」と一般的な賃貸住宅の比較

同サービスでは、サイト上で住みたい物件を探し、予約・契約・支払いをオンライン上で完結することができる(91日以上のロングステイの際は、書面による契約書のやりとりが発生する)。最短翌日より入居が可能。契約は1カ月からで、それ以降はいつでも解約できる。

  • 「OYO LIFE」物件の一例

  • 「OYO LIFE」物件の一例

敷金・礼金・仲介手数料なし(退去時の清掃費のみ発生する)。家賃(共益費・清掃費は別途、入居・月額費用の目安)は、マンションタイプ10万円~100万円、一軒家タイプ 30万円~100万円、シェアハウスタイプ5万円~8万円。

部屋ごとに家具家電・Wi-Fiも完備されている。設備は、洗濯機、冷蔵庫、掃除機、テーブル、電気ケトル、ハンガー、ゴミ箱、TV、電子レンジ、エアコン、ベッド、デスク、チェア、居室照明器具、ラグ、バスマット、遮光・レースカーテン、タオル、シーツ、キッチン用具、食器、Wi-Fi。

  • キッチン(一例)

  • 洗面所(一例)

2018年11月に運営開始し、今年1月からわずか100日でつくったという同サービス。2月20日にサービス発表を行い、1万3,000名を超えるユーザーが事前登録、サービス開始に合わせて1,000室以上の物件を獲得している。「多くの東京のお客様が私たちのサービスに期待をしてくれているのをひしひしと感じている」と勝瀬氏。

さらに3月28日、「OYO PASSPORT」と「OYO Partner不動産」の提供も開始した。

家事代行やカーシェアが1カ月無料の「OYO PASSPORT」

  • (左から)一般社団法人シェアリングエコノミー協会事務局長の石山アンジュ氏、Keeylsの大貫功二氏、OYO TECHNOLOGY&HOSPITALITY JAPAN CEOの勝瀬博則氏、クラス代表取締役社長の久保裕丈氏、ディー・エヌ・エー オートモーティブ事業本部Anyca事業責任者の馬場光氏、ベアーズ取締役の片切真人氏

OYO PASSPORTは、OYO LIFE入居者に対して、提携パートナーの家事代行サービスやカーシェアリング等のサブスクリプションサービスを入居後1カ月間無料で利用できるサービス(1カ月間の利用可能回数などは各パートナー企業が設定)。

現在提携が決定している企業とサービスは、一般社団法人シェアリングエコノミー協会、車中泊スポットのシェアリングサービス「Carstay」(Carstay)、「KEY STATION」を利用したシェアオフィス(Keeyls)、家具・インテリア・家電サブスクリプションサービス「CLAS」(クラス)、個人間カーシェアリングサービス「Anyca」(ディー・エヌ・エー)、家電・日用グッズのレンタルサービス「Alice.style」(ピーステックラボ)、家事代行サービス「ベアーズ」。そのほかパートナー希望の企業も順次受け付けている。

実店舗で物件を紹介する「OYO Partner不動産」

OYO Partner不動産は、実店舗でOYO LIFEの物件の紹介を行うサービス。不動産パートナーと提携を進め、オンラインだけでなく街の不動産店舗でも物件を紹介する。

すでに六本木や麻布十番など都内を中心に30店舗展開し、今後も順次拡大していく予定。不動産店舗には加盟手数料なしでOYO LIFEの物件の取り扱いができる。

「OYO」とは

OYOとは、10カ国500以上の都市で1万8,000軒以上のホテル、住居、スペースなどを運営、リースおよびフランチャイズするインド発の会社。世界で7番目の部屋数を誇るホテル会社だ。

「クオリティーの保たれた生活空間をつくる」ことをミッションとし、不動産、ホスピタリティ、テクノロジーのコンビネーションを強みとする。CEOのリテシュ・アガルワル氏は25歳。19歳のときに会社を設立したという。

リテシュ氏はOYO LIFEのサービス開始に際して、「東京では、よりよいライフスタイルを送る空間がすべての世代、特に若い世代にない。そこに変革がもたらされようとしている」と挨拶した。

ヤフー代表取締役社長CEOの川邊健太郎氏は「オフラインをオンラインの技術で便利に変えていくこと、ソフトバンク・ビジョン・ファンドが出資する世界中のユニコーン企業との連携および日本へ進出する際の水先案内人になることを新規事業の方針として掲げている。その第1弾が『PayPay』、第2弾が今回のOYO LIFE。今後はOYO LIFEで部屋を選んでPayPayで支払うという、PayPayとの連携にも期待している」と話した。