日本航空(JAL)は3月29日、同社のハワイ線「JAL HAWAII」の新商品・サービス発表会を開催した。時代を反映した『4つの新しい旅のStyle』を提案することで、ハワイ線サービスのさらなる充実を図る考え。

発表会場では、著名なシェフを起用した新たな機内食メニューが披露されたほか、JAL HAWAIIイメージキャラクターの長谷川潤さんがハワイの魅力を語った。

  • JALがハワイ線サービス拡充 - 就航65年、時代を反映した内容とは

    JAL HAWAII 新商品・サービス発表会が開催

新サービス提供の狙いは?

ハワイ線の初就航から65年を迎えたJAL。新サービス提供の狙いについて、登壇した日本航空の大貫哲也氏は、次のように語った。「弊社では、これまでハワイの皆さんと一緒にマーケットを育ててきたという強い思いがある。時代の流れとともに、様々なハワイ旅行の楽しみ方を提案してきた。ジャンボジェット機を1日に4～5便も飛ばした時代もある。その後、渡航のカタチは団体旅行から個人旅行へと変化し、人々がハワイ旅行に求めるものも変わった。2020年という節目を迎える上で、JALはどんな提案により、市場をリードしていくべきか考えた」。その答えとして、4つの新しい旅のStyleを提案する。

  • 日本航空 常務執行役員 国際路線事業本部長の大貫哲也氏

Style 1は、Nature Retreat ～大自然に包まれたい～。グランピングサービスにより、ワイルドで壮大な大自然のパワー、生命力を全身で感じ、心と身体をリセットする旅のスタイルを提案する。本サービスは、西武ホールディングスと共同開発した。

Style 2は、Living Traveler ～暮らすように旅したい～。オーナーが部屋を利用しない間、物件を第三者に貸し出すバケーションレンタルサービスを活用したもので、1週間前後、あるいはそれ以上の長期滞在を可能にした。こちらはヒルトン・グランド・バケーションズなどが協力している。

  • JALの提案する、4つの『新しい旅のStyle』

Style 3は、Travel Wellness ～旅で美しく、健康になりたい～。海岸線でジョギング、浜辺でヨガ、といったアクティビティを通じて心身を解き放ち、美しく健康になる旅のスタイルを提案する。なお、ホノルルマラソンなどJALがハワイで協賛するスポーツイベントとの連携も考えられている。

Style 4は、Flexible Worker ～働き方も自由にする旅～。休暇先のハワイで仕事をすることで、家族や友人とより長くゆっくりした休暇を過ごすことができる。電話やWi-Fi、プロジェクタ環境を整えたコワーキングスペースを用意することで、新しいアイデアやイノベーションの創出もサポートする。

ゲスト登壇した、ヒルトン・グランド・バケーションズのジェフ・バーニアー氏は「誰もがバケーションを愛し、ハワイを愛している。ヒルトンとJALという、2つの世界的なブランドが協業することで、これまで以上に洗練された旅行を用意できた。生涯の思い出つくりに貢献できると期待している」と抱負を述べた。

  • ヒルトン・グランド・バケーションズのジェフ・バーニアー氏

西麻布のシェフが機内食を一新

機内食も一新される。手がけたのは、西麻布のフレンチレストラン「L'Effervescence」の生江史伸シェフと、料理プロデューサーの狐野扶実子氏。生江シェフは「レストランで出している料理と同じレシピを使用している。旅の第一歩がポジティブなものになるよう、世界一美味しいフライトミールと言っていただけるよう努力したい」、狐野氏は「女性がワインを楽しみながら食べられるようなメニューを提案しました。健康的な食事を提供できるよう、これからも頑張っていきます」と挨拶した。

  • JALハワイ線 機内食監修シェフ「L'Effervescence」の生江史伸氏(左)と、同 料理プロデューサーの狐野扶実子氏(右)

  • 写真は、成田発ハワイ線(ホノルル、コナ)のプレミアムエコノミークラス・エコノミークラスで既にふるまわれている、春の筍ハンバーグ 山椒香るデミグラスの機内食

ハワイの魅力は？

3月29日より公開されるテレビCMは、山下達郎の書き下ろしソング「LEHUA, MY LOVE」をBGMに、モデルの長谷川潤さんがオアフ島の海岸線を散歩するもの。オアフ島に在住している長谷川さんは、ハワイの魅力について聞かれると「空気感、ゆっくりした時間の流れ、人の優しさではないでしょうか」と笑顔で話していた。

  • JAL HAWAIIのイメージキャラクターで、新テレビCMにも出演している長谷川潤さん

デジタルで旅を事前体験!?

このほかJALでは、デジタル技術の活用により旅行を事前体験できる「JAL xR Traveler」および「JAL 体験自販機」を用意した。3月末から12月末まで、国内の各イベントに出展する予定としている。

JAL xR Travelerは、SOOTH社のxR技術を利用したもの。視覚、聴覚、嗅覚、触覚を刺激することで、より没入感の高いバーチャル体験を実現する。体験者の脳波を分析することで、体験者に相性の良い旅行先や旅行スタイルの提案につなげる工夫がユニークだ。

  • 視覚、聴覚、嗅覚、触覚を刺激するJAL xR Traveler

JAL 体験自販機は、日経イノベーション・ラボの協力を得て開発したもの。一見すると清涼飲料水の自動販売機のようだが、パネルに表示されているのは「神秘的な森と滝を歩く旅」「美しい夜の海でSUPヨガを」といった旅行プラン。好みの現地体験を選んで、表示されたQRコードをスマホで読み取ると、その場でインターネットを通じて体験を購入できる。JALでは現地のオプショナルツアーを、こうした手法で販売することを考えている。

  • 現地のオプショナルツアーを購入できる、JAL 体験自販機