スタッフサービス・ホールディングスはこのほど、「仕事に対する価値観と職場内のミスマッチに関する意識調査」の結果を明らかにした。同調査は2月8日~11日、平成元年と平成30年に社会人になった512人(各256人)を対象にインターネットで実施したもの。
平成元年と平成30年に社会人になった各世代に対し、新卒入社時の理想の上司のタイプについて聞いたところ、いずれも「部下の面倒見がよい」が最も多かった。しかし、「部下を厳しく育てる」は、元年組は42.3%であったのに対し、30年組は20.6%で、30年間で半減したことがわかった。
各世代に対して、新卒1社目の会社に入社した決め手を聞くと、元年組の1位は「やりがい」(29.8%)、30年組は「給料」(23.6%)だった。また、元年組では「企業の知名度・企業規模」(計18.2%)の数値が高いが、30年組では「社員との相性」(10.9%)が多く、最近は人間関係を重視していることが明らかとなった。
新卒入社時に、何年間その企業・団体で働こうと考えていたかを尋ねると、最も多い回答は元年組は「定年まで」(38.0%)、30年組は「3年以内」(27.9%)だった。「~5年以内」と回答した人の割合は、元年組の「15.5%」から30年組の「47.3%」と約3倍に増加している。
平成で終えたいと思う悪しき慣習について聞くと、共通して多かったのは「朝早くに職場に行き夜遅くまでいる人が頑張っているという価値観」「ことあるごとに行われる飲み会」「昔の方が厳しかったから今の程度のパワハラは我慢しなければいけないという慣習」だった。
世代別に見ると、元年組は「以前から続く年功序列な体制や肩書主義」「形だけの会議」「文句を言ったものが得をする」が多く、30年組は、「時代に合わせて柔軟に働き方が変わらないこと」「ゆとり世代という見下し」「無駄な業務フロー」が挙げられた。
職場でのコミュニケーションでミスマッチを感じたことがあるか尋ねたところ、元年組の75.2%、30年組の67.8%が「ある」と答えた。
具体的には、元年組は部下・後輩に対し「自分の意見はハッキリ言うが打たれ弱い・執着心がなくあっさりしている」という印象を抱いている人が多かった。30年組は上司に対し「もっと効率的な進め方があるのにもかかわらず、以前のやり方を踏襲しようとする」という印象を持っていることがわかった。
元年組に対し、現在自分が理想の上司になれているかを聞いたところ、79.8%が「なれていない」と回答した。「なれている」と回答した20.2%からは、「いまの世代に合わせて自分も変化するよう努力している」「過去の嫌な経験を繰り返さない」といったコメントが寄せられた。
元年組に、平成30年間で職場環境が変わったか聞くと、86.0%が「変わった」と答えた。その理由として、「働き方の選択肢が広がった」「残業削減や生産性向上、ハラスメントやコンプライアンスの規制などにより以前のおおらかな雰囲気がなくなり、人間関係までもドライになった」などが挙げられた。