デロンギ・ジャパン(以下デロンギ)は3月25日、「デロンギ 空気清浄機能付きファン Clean & Cool(CFX85WC)」(以下、Clean & Cool)を発売しました。ヨドバシ.comでの価格は43,070円(税込)となっています。

デロンギは昨年(2018年)6月に空気清浄機にヒーター、ファン(扇風機)の3役をこなす「デロンギ 空気清浄機能付きファン(HFX85W14C)」を発売しましたが、新製品のClean & Coolは従来のHFX85W14Cからヒーター機能を外すことで軽量化しました。

Clean & Coolの発売にあわせて、デロンギは「長時間でも、疲れにくい風」についてプレス向けセミナーを開催。一般的に、扇風機の風を直接身体に当て続けると「疲れやすい」「身体が冷える」といわれていますが、デロンギは独自の送風技術を使って、これらの問題を解消していると話します。

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    デロンギ 空気清浄機能付きファン Clean & Cool(CFX85WC)と、セミナーに登壇した吉田沙保里氏

コアンダ現象を応用したデロンギの風

デロンギの空気清浄機付きファンといえば、スタイリッシュな円柱の形が特徴。もうひとつの特徴が、この円柱を活かした「3Dコンフォート・エア テクノロジー」による心地よい風の実現です。

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    Clean & Coolは、従来のHFX85W14Cとほぼ同じデザインですが、重さは7.2kgから5.8kgになりました。動かすのも少し楽になっています

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    本体天面にリモコンをセットできるなど、ヒーター以外の仕様はほぼ従来のHFX85W14Cと同じ。左右の首振り機能やタイマー機能も搭載します

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    ファンとして送風するだけではなく、取り込んだ空気をフィルターを通してキレイにし、花粉やPM2.5などの有害物質を99%除去します。フィルターは本体上部から交換可能。フィルターの交換目安は約9カ月

3Dコンフォート・エア テクノロジーとは、湾曲した物体に沿って、空気が流れを変える「コアンダ現象」を利用した技術です。空気清浄機能付きファンから送風された風はまず、本体内部の背面に向かって吹き出します。風は背面にあるパネルにぶつかり、左右のスリットから外へ出て前面へと方向転換します。

「扇風機の風が直接身体に当たると疲れる」という人は、扇風機を壁に向け、壁から跳ね返ってきた風で涼をとることがありますが、空気清浄機能付きファンは「風を壁に当てる」ことを本体内部で行うのです。

背面パネルにぶつけて方向転換させた風は、本体の曲面に沿って前面に送られ、前方でふたつの風がぶつかることで、モーターが生み出す独特の不快な渦(うず)やうねりのない「包み込むような」風を実現するのです。ファン機能としては「風を前方に送る」だけですが、心地よい風を作るため、かなり複雑な構造となっているのがわかります。

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    本体背面にある送風口。本体内部で背面に吹き出した風は、背面パネルにぶつかり、このスリットから前方に送り出されます

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    吹き出した風は本体の曲面に沿って前方向に流れ、本体前面で左右の風がぶつかり、人を包み込むような風が生まれます

科学的に「疲れにくい」ことを検証

デロンギは今までも3Dコンフォート・エア テクノロジーの「心地よさ」について提唱していましたが、今回のセミナーでは九州大学の芸術工学研究院 応用生理人類学研究センターの前田享史教授と共同で行った実験結果を発表。3Dコンフォート・エア テクノロジーを応用した空気清浄機能付きファンが、「心地よい」ことをデータで証明しました。

実験では、通常の扇風機の風と、空気清浄機能付きファンによる風を一定時間当て続けたときの変化を比較しました。セミナーで紹介されたのは「脳波」「血圧」「皮膚温度」の結果です。人は、脳波のアルファ波減衰係数(AAC)が高いほど覚醒状態であるといわれるそうですが、通常の扇風機を使った被験者はAACがアップ。一方、空気清浄機能付きファンの風を浴びた被験者はAACが下がってリラックスしたそうです。ストレス低減により、空気清浄機能付きファンの風を受けた被験者は血圧も下がったといいます。

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    ニューロスカイ監修による実験映像。空気清浄機能付きファンで風を当てながら脳波を計測しています

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    45分風を当て続けたところ、空気清浄機能付きファンの風を受けた被験者はAACが低下する結果に

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    50分風をあてて血圧を計測。通常の扇風機ではストレスを感じて血圧が上がったそう。空気清浄機能付きファンの風だと、リラックスして血圧が下がりました

風を長時間浴びたあとの皮膚温度の変化に関する実験も行われました。一般的な扇風機は風がストレートに身体へ当たるため、身体の一部分だけが冷えてしまうことがあります。しかし空気清浄機能付きファンの風は、身体全体を「包み込む」ように送風されるため、身体の部分的な冷えが起こりにくいそう。実験でも、通常の扇風機に比べると空気清浄機能付きファンの風は冷えすぎを31%緩和できたといいます。

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    50分風を当て続けたあとの皮膚温度の変化

今回のセミナーでは、レスリング女子のメダリストである吉田沙保里氏が登場しました。吉田氏がClean & Coolと一般的な扇風機の風を50分ずつ受けて血圧を測ったところ、「どちらの風も涼しかったけれど、Clean & Coolのほうが風圧を感じなく、さわやかで気持ちよかった」と語ります。また、会場で実際にClean & Coolの風を受けて横になったところ「40秒くらいなのに眠くなってしまった」と笑いました。

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    Clean & Coolの風を受けてくつろぐ吉田氏

Clean & Coolにヒーター機能はありませんが、デロンギによると、空気清浄機能はかなり優秀だそう。夏は扇風機として、冬は部屋の空気を循環させるファンとして、ヒーター機能がなくても1年中活躍してくれそうです。冬はエアコンや石油ファンヒーターなどを使うユーザーも多いでしょうから、そういったユーザーにとって、Clean & Coolは嬉しい製品といえそうです。