東京2020 組織委員会は3月25日、東京2020パラリンピック聖火リレーの概要を発表した。発表会の場では、聖火リレーに用いられるトーチやエンブレムのお披露目なども実施。先日スポーツ庁の参与にも就任し、パラリンピックの普及啓発に広く活躍されている射撃パラリンピアンの田口亜希氏や、バドミントンオリンピアンの池田信太郎らがスペシャルゲストとして登壇した。

  • 発表会の場には(左から)デザイナーの吉岡徳仁氏、射撃パラリンピアンの田口亜希氏、バドミントンオリンピアンの池田信太郎らが登壇

    発表会の場には(左から)デザイナーの吉岡徳仁氏、射撃パラリンピアンの田口亜希氏、バドミントンオリンピアンの池田信太郎らが登壇

パラリンピック聖火リレーは3人1組で

東京2020公式アンバサダーの田口氏は、「聖火リレーは障害のある・なしに関わらず、また、老若男女に関わらず、いろいろな方々に参加していただけます。走ることができなくても沿道やテレビの前で応援いただくなど、さまざまな形で関わっていただければ。私たちアンバサダーも一緒になって盛り上げていきたいと思います」と、挨拶。

  • 森喜朗会長の挨拶から発表会がスタート

    森喜朗会長の挨拶から発表会がスタート

この日お披露目された3本のトーチは、今月20日に発表されたオリンピック聖火リレーの「桜ゴールド」のトーチとは色違いで、よりピンクが強い「桜ピンク」となっている。

「日本では“三本の矢”、“三人寄れば文殊の知恵”などのことわざのように、3という数字は力を合わせる例えによく使われるとても馴染み深い数字。東京2020パラリンピック聖火リレーでは、聖火ランナーは原則として初めて出会う3人が1組」(田口氏)とのことで、3人ともパラリンピック聖火ランナーのユニフォームを着用して1人1本ずつトーチを掲げて走ることになるという。

  • オリンピック聖火リレーで用いられるトーチの「桜ゴールド」よりもピンクの色合いを増した「桜ピンク」を採用

    オリンピック聖火リレーで用いられるトーチの「桜ゴールド」よりもピンクの色合いを増した「桜ピンク」を採用

トーチの企画・デザインを担当したデザイナーの吉岡徳仁氏は、東日本大震災の被災地の子どもたちが描いた桜からインスピレーションを受けたとのことで、この日は実際に子どもたちに描いてもらった絵を持参。「最初は子どもたちが少しでも元気になればと思いお伺いしたんですけど、最終的には私のほうが元気をいただいた」とコメントした。

  • 実際に子供たちが描いた絵を持参し、トーチのデザインに関するエピソードを話す吉岡氏

    実際に子供たちが描いた絵を持参し、トーチのデザインに関するエピソードを話す吉岡氏

トーチは、小さい子どもの手でも持ちやすいように設計されており、目の不自由な方でも桜の造形がわかるような意匠が施されているという。

アスリート委員の池田氏はトーチのアンベールに参加し、「リレーが実施されるのが8月ということで、桜が散った後にもう一度桜のデザインのトーチが日本全国を駆け抜けるというのが素敵だなと思いますね」と述べ、「初めて出会った3人が一緒に走る、この多様な価値観を受け入れながら一緒にゴールを目指すということが本当に素晴らしい。まさにオリンピック・パラリンピックのビジョンである“多様性と調和”を体現していると感じるので、本当に多くの人に参加してもらいたい。それを見た人も多くの気付きを感じてもらいたいなと思うので、非常に楽しみですね」と続けた。

  • パラリンピック聖火リレーのエンブレムは、「黄金色」と「黄土色」を組み合わせ、多様な個性の輝きを表現した

    パラリンピック聖火リレーのエンブレムは、「黄金色」と「黄土色」を組み合わせ、多様な個性の輝きを表現した

東京2020パラリンピック聖火リレーで用いられる聖火は、イギリスのストーク・マンデビルや日本各地で採火式が行われ、各地を出立。さまざまな催しを経ながら、東京へ向けて送り出される。