Appleは米国時間の3月25日に開催されたスペシャルイベントにおいて、米国およびカナダで300以上の新聞や雑誌を利用できるサブスクリプション制のニュースアグリゲーションサービス「Apple News+」を即日提供することを発表した。
AppleはiOS 9から(MacではmacOS 14から)、米国など英語圏でニュースサイトのアグリゲーションサービス「Apple News」および「News」アプリを提供している。「Apple News+」はこのApple Newsの上位にあたる有料サービスで、1つのアプリ上から、300以上におよぶ主要新聞や雑誌、ニュースサイトなどを購読できる。月額価格は9.99ドル(約1,100円、カナダでは12.99ドル)。
無料の「Apple News」では提供元が選択したコンテンツの中から興味などに基づいてニュースが収集されていたが、Apple News+では基本的に過去の記事を含めた全記事にアクセスできる(バックナンバーがどこまで利用できるかは不明)。キュレーションは人力で行われており、自動で行うサービスよりも信用性や精度の高い記事選択が行われる。
従来のApple Newsと同様に、各プラットフォームに最適化されたレイアウトやタイポグラフィー、美しい写真が利用できるほか、Apple News+では雑誌や記事のカバー写真に動画も組み込めるなど、リッチな読書体験を実現している。
また、Appleらしくセキュリティやプライバシーも重視されており、Appleや出版社、広告主は閲覧者がどんな情報を読んだかといった情報をトラッキングできないようになっているという。
ティム・クックCEOによれば、Apple Newsはニュースアグリゲーションアプリとしてトップシェアを誇っており、Apple News+はこれをさらに強化するサービスとなる。SNSなどでフェイクニュースが問題になる中、人力で有効性が確認されているコンテンツを自在に利用できるというのは大きな魅力になるだろう。
日本ではApple News自体が提供されていないのが残念だが、キュレーションサービス自体は人気も高く、また雑誌類の読み放題サービスとしてはNTTドコモの「dマガジン」などがすでに多くのユーザーを集めていることもあり、「Apple News+」の早期日本導入を期待したいところだ。