名古屋鉄道は2019年度設備投資計画をまとめ、25日に発表した。この中で、鉄道事業におけるサービス改善工事などの一環で、新型通勤車両9500系を16両新造することを明らかにしている。あわせて同社は、名鉄名古屋駅を4線化する計画についても発表した。

  • 名古屋鉄道が2019年度に新造する新型通勤車両9500系の外観イメージ

2019年度設備投資計画において、鉄道事業は旅客安全・運転保安工事およびサービス改善工事などに172億円、開発事業は同社沿線地域における不動産開発や既存の保有施設の改修などに201億円、その他、IT機器・システムの更新等に20億円、総額393億円の設備投資を行う。鉄道事業の旅客安全・運転保安工事に関して、金山駅のホームドア設置に向けた検討を行うほか、知立駅付近・喜多山駅付近・布袋駅付近の3カ所で引き続き高架化工事を実施。災害対策の推進、土木施設・電気施設の改良も進めるとしている。

サービス改善工事等に関して、新型通勤車両9500系を計16両(4両組成×4編成)新造。同社初という車内防犯カメラ、多言語に対応した車内案内表示器、無料Wi-Fiサービス「MEITETSU FREE Wi-Fi」を搭載した車両となる。

  • 新型通勤車両9500系の内観イメージ

「MEITETSU FREE Wi-Fi」は一部特別車特急車両2200系・1200系の一般車でも提供。一部特別車特急車両2200系などの各車両において、車内案内表示器の多言語化・駅ナンバリング表示も行い、インバウンド受入環境を整備する。特別車の利便性・快適性向上をめざし、特別車両券(ミューチケット)のインターネット予約も開始する。

名鉄名古屋駅・名鉄岐阜駅などで駅トイレの洋式化と温水洗浄便座の設置も進められる。新安城駅の橋上駅化、豊川稲荷駅の駅舎建替え、味美駅・水野駅の駅舎新設・改良、西枇杷島駅のホーム改良・駅舎建替えなどに着手するほか、神宮前駅の曲線改良・ホーム改良工事、新那加駅・小牧口駅のバリアフリー化も継続して実施する。

開発事業では、名鉄犬山ホテルの営業を2019年8月末で終了し、2021年度下期開業予定の「ホテルインディゴ 犬山 有楽苑」の建設に着手。神宮前東街区では2020年度下期の竣工を目標に、商業施設「μPLAT 神宮前」と賃貸住宅「meLiV」シリーズの複合施設の建設に着手する。その他、名駅再開発の具体化に向けた計画の推進も図る。

  • 名鉄名古屋駅地区再開発における同駅4線化の計画図

名鉄名古屋駅については、2017年3月にまとめられた再開発の全体計画の中で、「面的にも機能的にも拡張し、利便性の向上を図ります」との説明があり、工事着手は2022年度とされていた。現在の名鉄名古屋駅のホームは3面2線の構造だが、今回発表された計画では、駅範囲を拡張するとともに、ホームを2線から4線に増やした図が示されている。この計画図については現時点での検討段階のイメージを示したものであり、今後の周辺地権者・行政等との協議により変更となる場合があるとのこと。