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【この記事のエキスパート】
日本ソムリエ協会認定ワインエキスパート:石関 華子
埼玉県出身、高知県在住。一児の母。慶應義塾大学文学部仏文科卒。三越日本橋本店の洋酒担当を経てワインやビール、ウィスキーなどの洋酒全般の知識を培い、2016年、J.S.Aワインエキスパートの資格を取得。
現在はOffice Le Lionの代表として、高知県内のワイナリーのアドバイザーやワイン検定の講師を務める一方、ワインに関連する記事やコラム等の執筆も多数手がけています。2019年、日本ソムリエ協会高知支部副支部長に就任。
有機栽培されたオーガニックワインが気になっている方にとって、どのような基準でワインを選べばよいかわからないこともあるでしょう。ここでは、おおむね2,000円以下で手に入るお買い得なオーガニックワインからおすすめを紹介します。
ワイン専門家が解説!
オーガニックワインの選び方
日本ソムリエ協会認定ワインエキスパート石関華子さんに、オーガニックワインを選ぶときのポイントを5つ教えてもらいました。オーガニックワイン選びの基礎知識や、ビオワイン(自然派ワイン)との違いなどを理解しましょう。
オーガニックワインを見極める
【エキスパートのコメント】
オーガニックワインとは、化学肥料や農薬などを使用せず、自然に近い状態で有機栽培されたブドウから造られた、添加物の少ないワインのことをいいます。
2012年にはEUでオーガニックワインの基準が制定され、細かいルールが定められました。そして、その認証を受けたものだけが、オーガニックワインと名乗ることができ、黄緑色の有機食品ロゴや認証機関コードの記載が義務づけられました。
そのため、オーガニックワインをお探しのときは、まずはこれらの認証済ロゴや認証機関コードを指標にするといいでしょう。
国や地域などの産地から選ぶ
【エキスパートのコメント】
オーガニックワインもワインであることには変わりなく、その味わいの個性や特徴は産地によってさまざまです。それは、気候や天候、土壌など、それぞれの土地に個性があるからです。この土地の個性のことを、ワイン専門用語で「テロワール」と言います。
ワインには、このテロワールが反映されておりますので、ワインを選ぶ際は、ぜひ産地にも目を向けるようにしてください。産地ごとの特徴がつかめてくると、一層ワインが楽しくなりますよ。
ブドウの品種から選ぶ
【エキスパートのコメント】
ワインを飲み慣れてくると、ある程度ブドウ品種が頭に入ってくるのではないかと思います。そのような方には、すでにお気に入りのブドウ品種があるのではないでしょうか。
産地同様、ブドウ品種もワインの味わいを大きく左右する重要な要素の一つ。お気に入りのブドウ品種のものを選んだり、あるいは未開拓の品種を原料としたワインを試したり、ブドウ品種からワインの世界を広げていくのも面白いでしょう。
また、同じブドウ品種であっても、産地が異なればワインの味わいも変わってくるので、ぜひいろいろな産地のものを味わってみてくださいね。
生産者(メーカー)から選ぶ
【エキスパートのコメント】
オーガニックの認証を受けるには多大なコストがかかります。そのため、オーガニックワインを造っているものの、あえて認証を受けない生産者も数多く存在します。特に、中小規模の生産者に多いようです。
ワイン中・上級者の場合は、オーガニックのロゴや認証コードに頼り切らないことも大切です。生産者のワイン造りへの取り組み方を調べ、共感を覚えたり、信頼できると感じたオーガニックワインを選ぶというのもいいでしょう。
ビオワイン(自然派ワイン)との違いを把握しておく
【エキスパートのコメント】
オーガニックワインとよく混同されがちなのが、「ビオワイン(自然派ワイン)」と呼ばれるワインです。EUやアメリカなどでは、「ビオ」という言葉を使うには、オーガニックの認証を受ける必要があります。
一方、現行の日本の法律では、「オーガニック」「有機」という言葉を使うには、農林水産省が認める認証機関で認証を得る必要がありますが、「ビオ」や「自然派」を名乗るには、特に認証を得る必要はありません。つまり、日本では自由に「ビオ」や「自然派」という言葉を使える、ということになるのです。
そのため、「ビオ」や「自然派」という言葉がついているからといって、必ずしもオーガニックとは限りませんので、注意しましょう。