東京2020組織委員会は3月20日、東京2020オリンピック聖火リレーエンブレム、東京2020オリンピック聖火リレートーチ、東京2020聖火リレー公式アンバサダーを発表した。

  • 東京2020オリンピック聖火リレートーチがお披露目 (C)Tokyo 2020

今回の発表は、ギリシャのアテネから宮城県の航空自衛隊松島基地に聖火が到着する日の1年前を記念して行われた。

東京2020オリンピック聖火リレーエンブレムは、東京2020オリンピック聖火リレーのシンボルデザイン。大会エンブレムを構成する3つの四角形を聖火の炎と見たてており、炎のダイナミックな動きを表現しているという。

  • 東京2020オリンピック聖火リレーエンブレム (C)Tokyo 2020

また、日本らしさを表現するデザインモチーフとして、「拭きぼかし」という浮世絵の技法を用いている。色彩は、エネルギッシュ、情熱的、愛情深い、行動力があるといったイメージのある「朱(しゅ)」、大地を連想させる「黄土(おうど)」を組み合わせ、日本の伝統色を使用した。

東京2020オリンピック聖火リレートーチは、デザインから製造まで共同企業体を形成する仕組みで公募を実施した。今回採用されたリレートーチは、建築や現代美術の領域で活動する吉岡徳仁氏がデザインしたもの。デザイン性や聖火を点す燃焼機構の性能、持続可能性への配慮など、さまざまな観点で実施した2回の審査会を経て選出された。

  • 桜をモチーフにデザインされた東京2020オリンピック聖火リレートーチ(C)Tokyo 2020

聖火リレートーチのデザインは、日本人に最もなじみ深い花である桜をモチーフとしている。新幹線の製造にも使われている製造技術(アルミ押出成形)を用いたもので、継ぎ目のない、ひとつなぎのトーチであるという。

  • 聖火リレートーチは、日本の伝統と高い技術力がひとつになり生み出されている (C)Tokyo 2020

素材の一部には、東日本大震災の復興仮設住宅のアルミ建築廃材を再利用している。これまで人々の生活を見守ってきた仮設住宅が、平和のシンボルとしてリレートーチに姿を変え、一歩ずつ復興に向けて進む被災地の姿を世界に伝えていく。

トーチのみならず、聖火の形もデザイン。花びらから生まれる5つの炎は、聖火リレートーチの中央でひとつとなり、より大きな輝きになるという。また、年齢や性別を問わず、誰にでも扱いやすいよう、重さや握りの形状にも配慮した。

  • 聖火を灯す燃焼部には、火力の強い青い炎と、火のない燃焼(触媒燃焼)の2つの燃焼が聖火の赤い炎を支える仕組みを採用 (C)Tokyo 2020

東京2020聖火リレー公式アンバサダーには、オリンピアンの野村忠宏氏(柔道)、パラリンピアンの田口亜希氏(射撃)、女優の石原さとみ氏、お笑いコンビ・サンドウィッチマンの2人が就任。

公式アンバサダーは、「東京2020オリンピック聖火リレー」「東京2020パラリンピック聖火リレー」それぞれの魅力を世界中の人々に発信していくとのこと。

  • 「復興の火」展示場所 (C)Tokyo 2020