東京2020組織委員会は3月20日、東京2020聖火リレーのエンブレムお披露目ならびに、聖火リレーのトーチ、公式アンバサダーの発表を行った。
3月20日は、ギリシャのアテネから宮城県にある航空自衛隊松島基地にオリンピック聖火が到着する日の1年前となる記念すべきタイミング。発表会の場には、柔道男子でオリンピック3連覇を果たし、東京2020聖火リレー公式アンバサダーに就任した野村忠宏らが出席した。
エンブレム、トーチ、アンバサダーを一挙公開
冒頭、東京2020 組織委員会の森喜朗会長は「今日の発表会を通じまして、東京2020聖火リレーが皆様に愛される聖火リレーとなることを期待しております」と挨拶。その後、元女子アーティスティックスイミング日本代表選手で聖火リレー検討委員の武田美保氏から、東京2020オリンピック聖火リレーのエンブレム発表と、公式アンバサダーの紹介が行われた。
武田氏と野村氏は、1996年のアトランタオリンピックからシドニー、アテネと3度にわたり日本代表選手としてオリンピックに出場しているが、野村氏は「柔道競技の場合、開会式の翌日から(試合が)始まり、普通は軽量級からなので、なかなか私も開会式には参加できなかったんですけど、アトランタだけは重量級から始まったので幸運なことに開会式に参加できたんですよ。モハメド・アリさんが最終ランナーとして聖火台に点火したあの瞬間というのは、今でもはっきりと覚えています」と、オリンピックと聖火の思い出を語った。
公式アンバサダーには野村氏のほか、パラリンピアンの田口亜希氏、女優の石原さとみ氏、お笑いコンビ・サンドウィッチマンの伊達みきお氏と富澤たけし氏が就任。発表会の場では各アンバサダーからのビデオメッセージも紹介され、サンドウィッチマンの2人は「もう驚きです。これ我々で本当にいいんでしょうかというところでございます。好感度もここまでくると頂点ですね」(伊達氏)、「絶対にドッキリだと思ったんですけどね」(富澤氏)と笑顔を見せた。
東日本大震災からの“復興五輪”とも言われる東京2020オリンピックだが、聖火ランナーが聖火をつなぐトーチは、被災地の仮設住宅で使用されていたアルミニウムの素材を使用しているという。製造チーム全体の統括とトーチの企画・デザインを担当した吉岡徳仁氏は、「デザインを考えるにあたり、まず私が考えたのは被災地の方々への思い、心の復興と平和への願いです。被災地の方々の苦悩を乗り越えてきて立ち上がる姿を世界の人々にご覧いただきたいという思いでこのデザインをいたしました」と説明した。
桜のモチーフをデザインに取り入れたトーチは、極めてコンパクトな燃焼機構を搭載するなど最新の技術が用いられており、台風レベルの雨風でも炎が消えない耐風性・耐雨性を誇るとのこと。
聖火リレーは2020年3月26日に福島県を出発し、以降日本全国47都道府県を回ることになる。実際にトーチを手にした野村氏は、「体が震えるくらい感動しています。この素晴らしい美しいトーチにオリンピックのシンボルである聖火が灯されて、聖火リレーで皆さんが笑顔で日本中を走られる、その姿を考えただけでワクワクします」と、感想を述べた。
3月25日には、東京2020 パラリンピック聖火リレーのエンブレムおよびトーチについての発表も予定している。