米Oculusは3月20日 (現地時間)、ゲーム開発者カンファレンス「GDC 2019」において、PC接続型のVR (仮想現実)ヘッドセット「Oculus Rift S」を発表した。Riftの後継機という位置付けで、Oculus Insightを搭載、高解像度化、オーディオシステム統合、装着感を向上させるデザイン改善などが行われている。価格は399USドル。2019年春に発売する。

  • Oculus Rift S

    Riftと同じ価格帯のまま、性能やデザインをブラッシュアップ

Oculusは今年春に「Oculus Quest」というスタンドアロン型の高性能VRヘッドセットを発売する予定だ。価格はRift Sと同じ399USドル。PCを必要とせず単体で使用できるQuestに対して、Rift SはPCの性能を活かしたVRを楽しめる。特にゲームにおいて性能が求められるため、OculusはLenovoとのパートナーシップでRift Sを開発した。Lenovo LegionのゲーマーコミュニティからのフィードバックをVR/AR体験の開発に活かし、ユーザーが快適に使用し続けられて、自由に動ける装着感と重量バランス、取り回しやすいシングルケーブルシステムなどを共同でデザインした。

ディスプレイ解像度は片目あたり1,280×1,440 (Riftは1,080×1,200)。ディスプレイと光学システムの向上によって、スクリーンドア効果を軽減し、明るく、より鮮やかでシャープな表示を実現する。

Oculus Insightは、インサイド・アウト方式によるポジショントラッキングを実現する技術だ。Riftのように外部センサーを使うことなく、高精度なルームスケールVRを可能にする。Questや「Oculus Go」と同様にスピーカーシステムが組み込まれており、Rift S単体で没入度の高いVR体験を楽しめる。ヘッドフォン端子も用意されているので、好きなヘッドフォンを組み合わせることも可能だ。

  • Oculus Insight

    外部センサー不要、インサイド・アウト方式のポジショントラッキング

Rift Sの推奨PC環境は以下の通り。

  • グラフィックカード: NVIDIA GTX 1060/ AMD Radeon RX 480以上
  • CPU: Intel i5-4590/ AMD Ryzen 5 1500X以上
  • メモリ: 8GB以上
  • ビデオ出力: HDMI 1.3互換ビデオ出力
  • USBポート: USB 3.0ポートx3、USB 2.0ポートx1

代替可能なグラフィックカード (NVIDIA GTX 970/ AMD Radeon R9 290以上)を含めて、必要PCスペックはRiftと同じであり、RiftユーザーがRift SのためにPCをアップグレードしたり、買い替える必要はない。Riftと同じRiftプラットフォームに基づいており、RiftからRift Sへのスムースな移行が可能。Rift向けに提供されているゲームやソフトウェアを継続的に利用できる。