JR西日本は16日、和歌山線・桜井線(万葉まほろば線)の新型車両227系1000番台の出発式典を王寺駅で実施した。両路線とも久々の新車となった。

  • 和歌山線・桜井線(万葉まほろば線)の新型車両として導入される227系1000番台(写真:マイナビニュース)

    和歌山線・桜井線(万葉まほろば線)の新型車両として導入される227系1000番台。前面の種別・行先表示器にイラストやナンバリングも表示される。

和歌山線・桜井線(万葉まほろば線)では、旧国鉄時代に誕生した105系・117系が長らく使用されてきた。JR西日本は105系・117系の置換えとして、新たに227系を導入することを決定。ただし、同じ227系であっても広島地区の車両とは異なる点が多く、近畿エリアに導入される車両は「227系1000番台」を名乗る。

外観は227系や225系(2次車)、323系などJR西日本が導入してきた車両デザインをベースに、沿線の文化・歴史・自然の奥深さを表現した緑帯が入る。車内はオールロングシートの仕様となり、ドア付近に「ICOCA」などのICカード乗車券をタッチできる車載型IC改札機が設置された。なお、車載型IC改札機の使用開始は2020年春からの予定。デビュー当日は使えないようにするためか、改札機の上に紙のようなものが貼られていた。

  • 車内はオールロングシート。車載型IC改札機は使用できないように覆われていた

  • 227系1000番台は独特の窓配置と緑帯が特徴

  • ドア横にはドア自動開ボタンが設置されている

王寺駅での出発式典は4・5番線ホームで行われ、JR西日本の近畿統括本部大阪支社長、川井正氏が挨拶した。式典のために運行する227系1000番台の列車番号に言及し、「列車番号を9227番にしつらえまして、14時27分にあえて出発させます」と述べ、関係者らの笑いを誘っていた。今後の運用に関して、「初めは和歌山線を中心に、秋頃には和歌山線・桜井線の全線に227系1000番台が入ります」と述べた。

その後、川井支社長や沿線自治体の首長をはじめとする関係者により、テープカット・くす玉開披が行われた。227系1000番台の普通列車は14時27分に王寺駅を発車。これまでの105系・117系と異なり、静かでスムーズな加速が印象に残った。

227系1000番台は3月16日から通常運用に入り、和歌山線・桜井線(万葉まほろば線)の他に紀勢本線(きのくに線)での運用もあるという。既存の105系・117系は今秋までに引退する予定とのこと。なお、105系・117系の引退後も、和歌山線王寺~高田・五条間では従来通り、関西本線(大和路線)から221系が乗り入れるとのことだった。

  • JR西日本の川井支社長や沿線自治体の首長によるテープカット・くす玉開披を実施

  • 227系1000番台は14時27分、高田駅に向けて発車した

  • 227系1000番台の発車を見送る。2両固定編成を2編成連結した4両編成で運行された

和歌山線・桜井線(万葉まほろば線)に久々に導入される新車ということもあり、地元利用者や鉄道ファンらの注目度も高かった様子。当日は式典が行われた4・5番線ホームから離れた3番線ホームからもカメラを構えるファンの姿を多数見かけた。