JR西日本は16日、新大阪駅でおおさか東線全線開業記念式典を開催した。JR西日本代表取締役社長の来島達夫氏をはじめ、多数の関係者が出席した。
おおさか東線は2008年3月に南区間の放出~久宝寺間が開業。今回のダイヤ改正で北区間の新大阪~放出間が開業し、これによりおおさか東線は全線開業となった。新大阪~放出間では、新たに南吹田駅、JR淡路駅、城北公園通駅、JR野江駅が開業。JR淡路駅は阪急京都本線・千里線の淡路駅、JR野江駅は京阪本線の野江駅と地下鉄(Osaka Metro)谷町線の野江内代駅と乗換え可能となっている。
ダイヤは新大阪~久宝寺間の普通列車を基本としつつ、新大阪~奈良間を結ぶ直通快速が設定された。直通快速は同区間を約55分で結び、従来のJR線のルートと比べて10分ほど所要時間が短縮されるという。
式典では最初にJR西日本の来島社長が挨拶し、おおさか東線に関して2つのポイントを指摘した。「1つ目は大阪の東部、南北のネットワークがようやく整備されたことだと思います。新大阪駅と結ぶことで新幹線とそれぞれのネットワークとの利便性を高めることができます」と述べた。2つ目のポイントとして、新大阪駅と奈良エリアが直接結ばれた点を強調した上で、「国内外の観光客や通勤・通学客、いずれの方々にも安心して乗っていただけるように努めることが使命だと思います」と語った。
来島社長との質疑応答では、建設が進められるJR東海道支線(梅田貨物線)の北梅田駅(仮称)への延伸に関する質問も。「2022年度末の北梅田駅の開業のタイミングで、おおさか東線の延伸もひとつの大切な選択肢」とコメントし、延伸への意欲を見せた。
出発式ではその他、来島社長ら出席者によるテープカットとくす玉開披が行われた。新大阪駅長による出発合図は奈良行の直通快速に合わせて実施され、10時17分に新大阪駅1番線ホームから発車した。
当日はおおさか東線に初乗車しようと、沿線の利用者や鉄道ファンらが新大阪駅1・2番線ホームに集まっていた。出発式が始まった後、10時台に新大阪駅に到着したおおさか東線の列車はいずれも満員。ただし、普通列車は6両編成(201系で運転)にもかかわらず、7両目以降の乗車位置に立ち、慌てて移動する姿も見られた。
車内では開業当日の車窓風景を楽しむと同時に、おおさか東線の各駅から他社線への乗換えに関する話題でも盛り上がっていた様子だった。